Z/Xの世界で生き延びる!   作:よーと

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 ちーちゃんさすがですね。
 にしてもあづみの伸びがすごい。
 そして軍師も追いあげてきている。
 さすが『天才軍師』……出だしが悪かったのも作戦のうちか。


64話「実は苦労人の基樹」

 「そうですか、しょうがありませんね。では案内しましょう」

 

 校長が秘書らしき人に案内させる。

 学校に行くと校長室に通されて、事務所を貸すにあたっての条件を聞かされた。

 条件としてはゼクスが攻めてきたときはこの学校を守ることと生徒になることだった。

 生徒になることは、地域だけでなく日本各地で活動することを理由に断ったが、この学校に雇われる形になるなら貸してくれるらしいので承諾した。雇われるといっても売り上げを渡すとかではなく、学校の評判を上げることが目的らしい。

 今の日本は地方自治体と自衛隊や大企業が組んで、それぞれの地域をまとめているからこの学校もそれを狙っているのだろう。なお関西弁じゃないのは俺たちに合わせてくれてるそうな。少し訛りはあるが流暢に話している。

 

 「姫、よかったのか? 雇われるとやりづらくなったりしないか?」

 「大丈夫だと思うわ。雇われるといっても縛るつもりはないみたいだし、後ろ盾ができるしむしろ動きやすくなると思うわ」

 

 基樹とアリスがヒソヒソ話す。

 俺もこれは悪くないと思う。学校は施設を貸すだけでなく必要に応じて金もある程度出してくれるらしい。要はパトロンだ。それに学校に雇われるということはこの学校の評判が俺たちにもついてくるということだ。この学校は結構有名らしいし、かなり好条件なんじゃないだろうか。学校側からしてもゼクス使いがいるってことで抑止力、自律力、国内関係における発言力が増すのだろう。つまりWin-Win の関係ってことだ。

 

 「着きました。この建物すべて使っていただいて構いません」

 「はやっ! てかこれ全部いいんですか!?」

 

 案内されたのは学校の隣にある建物だった。死神が住む、某探偵事務所的な建物だ。

 ちなみに、飛鳥がフィエリテと出会うであろう教会は反対側にある。

 

 「はい、全部使っていただいて結構です。昔は部活などで使っていたそうですが今は誰も使っていません。一応電気と水道は通ってますので今日からでも使えます」

 「マジか、やったな!」

 「ありがとうございます。さっそく入ってみましょう」

 

 そういって基樹とアリスが中に入っていく。

 思ったよりいいとこだな。こんなの使っていいと言われたらはしゃぎたくなるのもわかる。俺もワクワクしてるからな。

 

 

 

 

 

 「なんとか片付け終わったわね」

 「……終わった」

 「あちぃ~。集、扇いでくれよ」

 「俺だって暑いっつの」

 

 基樹は大の字でぐだ~と倒れている。

 俺も椅子に座り団扇で扇いでいる。

 あれから俺たちは事務所内の片付けをした。

 急なことだったから机や部活で使っていたものが残ってるってことで3階全部片付けと掃除をした。

 何気に基樹の片付けスキルが高くて驚かされた。なんでも小学生のころに積み上げたプラモの山を崩してしまい全部おしゃかにしたことがあり、それ以来片付けるのは得意らしい。そしてしゃべりながら手も動かすんだからすごい。口八丁手八丁とはこのことを言うんだなと思った。

 逆にアリスはダメダメだった。ごみの分別も片付けも下手。というよりやる気の問題なのかもしれない。基樹の話ではアリスの部屋は汚いらしい。片付いてないのではなく、汚い。服は脱ぎ捨ててあり、読んだ本は読みっぱなし、布団は畳まずにぐしゃぐしゃ、ベットのそばにはぬいぐるみが無造作に積み上げられているらしい。さすがに下着は片づけているらしいが、まるで嵐が通過した後のような部屋らしい。なのでアリスには簡単な掃き掃除だけお願いした。そう、お願い。アリスがやると余計汚くなるので手を出さないでくださいって感じ。

 で、基樹がアリスの分働き、普通に掃除のできる俺とまかなえで片づけを進めた。アリスは頼りにされないのが寂しいのか、時々手を出してくるので基樹とアリスでプラマイゼロだから実質俺とまかなの二人で片付けたことになる。まったく大変だった。

 

 「もう夜だぜ、姫たち風呂入るなら早く入ってこいよ」

 「じゃ、そうさせてもらうわ。まかなも行きましょう」

 

 そういってアリスとまかなは部屋を出ていった。

 

 「あー、しばらく動きたくねぇわ」

 「基樹は頑張ったよ、ゆっくり休め。風呂も俺が最後でいいよ」

 「あざーす。片付けんのは疲れたけどいいとこ貸してもらえたよな。家賃とかは払わなくていいんだろ? で、俺たちは好きにやってけばいいんだから、これっていい出だしなんじゃねーの?」

 「そうだな、何の功績もないやつに貸すものと考えると最高ランクだろうな。ま、それだけ期待されてるってことだろ」

 「うひゃ~、俺期待されるの苦手なんだよね。なんてゆうかプレッシャー感じちゃうのよな」

 「これから自然と慣れてくだろ。テクネチウムもいるし何とかなるさ」

 「おう! 相棒がいればどこでも行けるぜ」

 

 今までぐだっとしてた体を起こしてガッツポーズする。

 なんだかんだで元気じゃねーか。

 

 「そうそう、テクネチウムの必殺技の名前考えてんだけど何がいいと思う? ちなみに殴ったり、腕を飛ばしたりする攻撃だから、なんとかビームとかはなしで」

 「難しいな、テクネチウムって何できんの?」

 「基本的に殴る、蹴る、小型飛行機を飛ばすとかだな。剣とかの武器はないしビームも撃てない。ただブロックを組みなおして変形はできる」

 「思ったより戦えるんだな」

 「弱体化したとはいえつい最近までキラーマシーンがひしめく最前線にいたゼクスだからな。それにこれからは俺がいるんだ、青の世界で戦っていた頃より強くなって見せるぜ!」

 

 メカのことになると疲れを忘れるのかペラペラとしゃべりだす基樹。それはアリスたちが風呂からあがってくるまで続いた。だが必殺技は決まらなかった。こういうのは使うときも楽しいけど考えてる時も同じくらい楽しいと思うから今はまだ決まらなくていいと思う。

 基樹があがったら俺も入りますか。

 

 

 

 「というわけで拠点が決まったので明日からはまかなのパートナー探しに行こうと思います。なにかありますか?」

 

 全員が風呂に入った後今後のことについて会議を開いた。といっても座布団の上でお菓子をつまみながらなんだけど。

 アリスは形から入るのが好きなのか、丁寧語話している。なので俺たちも発言するときは挙手を求められる。それを無視すると睨まれるのだ。

 

 「はい」

 「どうぞ荒川君」

 「ここは白のBPから離れていますがどこでゼクスを探すのでしょうか」

 (おい、やめとけよ。どうせ考えてないんだぜ)

 

 基樹がヒソヒソと耳打ちする。

 

 「はいそこしゃべらなーい。あなたたち私が何も考えてないと思ってるんでしょ。甘いわ! 今回は私も考えてるのよ」

 「……会長、口調が元に戻ってます……」

 

 まかなが注意しアリスが「んんっ」と咳払いする。

 

 「今回()考えてきました」

 「おい、聞いたか。今『も』っていったぞ。『も』って」

 「静かに。明日はあなた達3人でBPの近くに行ってきてください」

 「あれ? 姫は行かないの?」

 「片付け終わったと言ってもここにはほとんど物がないし組織の宣伝もしていません。なので私はここに残って事務所の内装と宣伝をしたいと思います」

 「へー、いいんじゃないか。…じゃない、いいのではないでしょうか。……ん? 基樹どうした?」

 「今姫なんて言った?」

 「えーと、宣伝?」

 「その前」

 「事務所の内装」

 「そうそれ! 姫一人に内装なんて任せたらひどいことになる!」

 「そうかしら? 確かに片付けは苦手だけど……」

 「忘れたとは言わせねぇ。中学2年の春、俺の部屋の模様替えの時に姫とまかなが来た。その時姫は何したか覚えてるか? 部屋を荒らしまくった挙句、俺が丹精込めて作ったマスターグレードのプラモをぶっ壊しやがったんだ! しかも、初めて仮組みから塗装、さらには魔改造までやった思い出のプラモを! もうあんな思いはしたくねぇ、俺も残るから集とまかなで行ってきてくれ」

 

 基樹が涙目になりながら切実に言う。 

 実は苦労人だったんだな。

 




 頑張れ基樹。
 テクさんの必殺技名募集。
 どんな技かも書いてくれるとうれしい。
 次回からエセ関西弁が始まります。
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