章タイトル決めました。
タイトルは「残念イケメンと恋とケーキ戦争」です。
オーラガルムたちとのやりとりが済んだあとすぐに電車に乗り帰ったが8時過ぎになってしまった。
まあ連絡しといたから心配はしてないだろうけど。
1日でゼクスを捕まえられたんだからいいんじゃないだろうか。
「ただいま~」
「……ただいま」
「おう、おかえり」
「おかえり。で、捕まえた子ってどんな子なの? 見せて見せて!」
アリスがさっそくまかなに迫る。
「……アクティベート」
「………」
ぷるぷるぷる……!
「なにこれかわいい! この子赤ちゃんでしょ、どうしたの!?」
「譲り受けた」
そう言ってまかなはオーラガルムの赤ちゃんを抱きあげる。
あれ、さわれんの?
「へー、すげぇな。ゼクスも子供産むんだな」
「まあ元は動物だし、いくら精神生命体だといっても増えない理由がないからな」
どうやって生殖してるのかはなぞだけどな。
普通に性交……ゼクスだからゼックスしてるんだろうか。
…………これアウトだな。
「ケッ! 犬の赤ん坊なんぞにデレデレしちまってよ」
「あれ、オーラスコル起きてたのか」
「ついさっき全快したんや」
「そうか。で、俺の仲間になってくれるか?」
「認めたないけど負けは負けや。仲間になったる」
「お、そうか。俺は荒川集だ、よろしく。」
「聖獣オーラスコルや、よろしゅう」
カードデバイス越しに自己紹介する。
まさか5m以上あるオーラスコルをここで出すわけにいかないからな。
「お、集も捕まえてきたのか」
「ああ、5m以上ある狼のセイクリッドビーストだ」
「でかっ!」
「テクネチウムの方がでかいだろ」
「そうだけど、セイクリッドビーストってもっと小さいもんかと思ったぜ」
オーラスコルがでかいだけだと思うけどな。
いや、オーラセベクとかでかそうなのもいるのか。
子ガルムを見たから余計そう思うのかもな。
まだ手のひらサイズだし。
「わいのおとんはもっとでかいで」
「え、お前父ちゃんいたの?」
「あたりまえやろ。ちなみにわいはBPが開いてから生まれたから関西弁なんや」
「へー、だから関西弁なのか。…………あれ、すると2歳なのか?」
「人間から見るとそうやな。せやけどわいら白のゼクスは精神力で強さが決まる。それはつまり魂の強さや。せやから生まれつき魂の強いもんはわいみたいに歳をとらんでも強い。逆に魂が弱いとそこの赤ん坊のように弱いんや。やから生きてる時間が多くても大して意味ないんや」
「へー、一つためになった」
こいつさり気なく自分のこと強いって言ったぞ。
「そうそう、俺達はゼクスを使う組織を立ち上げたんだけど、オーラスコルは俺たちの足になると思うからよろしく」
「ええーそんなん聞いとらへん。邪魔くさいわ。それになんでおまえに指図されなあかんねん。わいが認めたのはわいを倒したあの姉ちゃんだけや」
「そう言わずに。俺の仲間になるって言ったじゃんか」
「仲間になると言っただけや。お前のいうこと聞くとはゆっとらへん。頼みごとがあんならまずはお前がわいに何かしぃや」
「こいつ……! それは屁理屈だろうが」
「あー、レーコー飲みたなってきたわ」
甘やかすのはどうかと思うが、そのくらいならいいか。
「……チッ、わかった、いくらでも飲ませてやるから」
「かしわが食いたなってきたわー。ミソスのヤタガラスあたりがいいわー」
「……わかった、今月中にはどうにかしてやる」
「今度はマクドの……」
「てめぇ、いい加減にしろよ?」
あかん、あかんわこれ。完全に舐められてますわ。
「月下香先生お願いします、去勢してやってください」
「そうだな、舐められっぱなしだと今後に響くだろう。それにまだまだあんなので終わるつもりはない」
月下香先生もやる気満々だ。
さっきはワンパンで終わったから不服だったんだろう。
ここでやらせたらエライことになるから外でやってもらおう。
「先生、先輩として上下関係を教えてやってください。あと、くれぐれも一般人に見られないように頼みます」
「わかっている」
「え、ちょ、おま……」
「アクティベート! イグニッションオーバードライブ!」
二体アクティベートするのはキツイが今後のことを思えば安いもんだ。
「去勢とかマジ勘弁……ッ!」
「待てッ!」
おお、速い速い。あっという間に見えなくなった。月下香先生も人に見られないように追っていく。……ノリで去勢って言ったけどマジでやるつもりなのかな……もしそうならオーラスコル、すまん。
月下香も最近ノリがよくなってきたから先生とか言ってもつっこなくなったけど、変なとこで天然ボケかましてくるからちょっと心配だ。
「集、去勢って冗談だろ? あの姉ちゃんマジでやりそうだから怖いんだけど」
基樹が若干股間を守るようにしながら言う。
「冗談なんだけどな、冗談じゃなくなるかもしれん」
「……オーラスコル、お前のことは忘れない」
「やめとけ、ホントにそうなるかもしれないから。俺イグニッションしたせいで体重いから早めに寝るわ」
「おう、了解」
「あ、まかな先入ってもいいぞ」
「……わかった、この子と一緒に入ってくる」
「あ、私もいく」
どうやら子ガルムと一緒に2人と1匹で入ってるらしい。
子ガルム裏山。
「ホンマすまんかった、わいも協力する。いや、させてください」
朝起きると事務所の前でオーラスコルが腹を見せながら哀願してきた。
それを見た月下香は満足顔だ。
俺を見てドヤ顔している。
昨日のオーラスコルはどこ行った、そして月下香先生は何したんだ。
「ふっ、流石にこの時間までこいつと鬼ごっこするのは骨が折れたぞ」
と、言いながらも全然骨が折れてなさそうな顔の月下香先生。
おっと、生徒が来るから早くしないとな。
「いいよ、じゃあ見つかる前に戻しとくぞ。月下香もお疲れ」
「シャワー借りるぞ」
「どうぞー」
オーラスコルをカードデバイスに戻し、中に戻る。
月下香は汗を流しに行った。
最初はシャワーとかドライヤーとかウォシュレットとかにカルチャーショックがあったみたいだが今では若干迷うときがあるものの使いこなしているようだ。
手取り足取り教えてやるよグヘヘヘ……とかはなかった。あってもアリスたちがさせてくれなかった。できるとは思わないけど、俺だって男だから期待してたりしたんだよ。……今度ディスクアニマルで覗いてみるかな。
「おーい集、飯できたぞー」
「わかった、今行く」
そうそう、飯は基本的に基樹が作る。
アリスもまかなも料理できなくはないんだけど基樹の方がうまい。
何気に女子力高いのだ。
「で、今日は何やるんだ?」
朝飯を食い終わった俺達は各々ゆるりと過ごしていた。
「うーん、なにか事件でも起きればいいんだけどね。ここって平和だからさー」
「そうなんだよな、昨日町で宣伝してきたけどみんな面白半分だったぜ。そんな組織なくてもどうにかなるって感じで聞いてたな」
「そうか……。じゃあ今日は特に何もしないのか?」
「そうなるわね」
「でもこのままの状況が続くと金欠になるんだがそれについて言うことは?」
「どうにかなるでしょ、集がいるし。大丈夫、」
「俺は財布か!」
俺の言葉にみんな頷く。
まずい、このままだとこいつらはバイトもせずに俺にたかり続けるだろう。
「大丈夫、そのうち依頼くるって」
アリスはそんな根拠のないことを言ってテレビをつける。
ここ充実しすぎだよなあ、テレビも貰いもんだから学校のものだろ? 部活で使ってたってことなのか。さすが金持ち学校。
はあ、これからどうなるんだか……。
オーラガルムの赤ちゃんは手のひらより少し大きいくらいのサイズ。
それに対しオーラスコルは5m以上。
スコル先生曰く、精神力の関係らしい。