ああ、これからどうしようかな……。町を歩いてもいいんだけど、やることないんだよな。いっそオーラスコルに乗ってBPに近づいてくるか?
ピンポーン。
「あ、お客さんだわ。集行ってきて」
「はいはい行きますよっと」
階段を下りてお客さんを迎えに行く。
にしても今は7時を少し過ぎたくらいなんだが、こんな早くに来るやつってどんな奴だろう。
「はい、今開けますねー……え、なんでお前が……」
「や、おはようさん。久しぶりだね、集」
ドアを開けるとそこには元の世界からの友人の白石伊吹がいた。
「金髪碧眼の嬢ちゃんにロリ巨乳の無口キャラ。この人たちって集のこれなの?」
そういって伊吹は小指を立てる。
いちいちおっさんくさいんだよなあ。
「ちげーよ、それに初対面の相手にロリ巨乳とか言うのはどうかと思うぞ」
「あ、ごめん。以後気を付けます」
こういう時はふざけないんだけどな。ボケるときはマジでボケてくるから、謝るときもメンゴとか言うし話をややこしくする奴だ。
「おい、俺を無視すんなよ」
「ああ、ごめん。ところで君のそれはかわい相馬さんをリスペクトしてるのかな?」
「かわいそうまさんって誰だよっ! てかあんた誰だよっ!」
「お、なんかこの人とはうまくやってけそうだ。最近は集たちもスルースキルが高くなってきたからさ……。っと自己紹介だったね。僕は白石伊吹、集とは友達です。で、今は私立聖竜学園高等学校の生徒でゼクス使いです」
「は? お前もゼクス使いになったの? てかなんで学生なんかやってんの?」
「えーと、話すと長いから簡単に話すけど、こっちに来たものの金もない、知り合いもいないって状況でゼクス使いの中村さんっていう人に助けてもらってその人のカフェで働くことになったんだ。でもそこは普通のカフェじゃなくてゼクス専門のカフェでさ、僕もそれがきっかけでゼクス使いになって、そこを学校の人にスカウトされて入学に至ったってわけ」
「へー、じゃあ俺たちのことは学校関係者に聞いて知ったのか?」
「そうそう、昨日先生にゼクス使いが増えたって聞いて、どんな人か詳しく聞いたらなんと集がいるじゃないか。いやー驚いたよ。今まで近畿を中心にいろんなところに行ったけど知り合いには会えなかったからさ、心配してたんだよ」
「そうか、伊吹も探してくれたんだな。俺は慎吾と輝、あと見てはいないけど静也も無事らしい」
「それはよかった。ホントに心配だったんだよ」
「それはどうも。で、挨拶だけしに来たのか?」
「ああ、そうだった。今って依頼とかなくて暇だと思うんだけど、よかったらカフェに来てよ。白のゼクス結構来るし。あと少ないけどゼクス使いも時々来るから情報交換なんかにもなるしね」
「ほうほう。でも俺たちは他の世界のゼクス連れてるけど大丈夫か?」
「大丈夫、カフェ内では喧嘩は出禁だから。みんなマスターのケーキ楽しみにして来てるから滅多なことでは喧嘩しないし、話してるうちに仲良くなるから外に出た途端に喧嘩勃発なんては滅多に起きない。まあ時々あるけど喧嘩両成敗って感じでマスターが何とかするし安心だよ」
「よさそうだな。いつから開くんだ?」
「仕込みとかあるし、10時くらいからかな。でも僕の紹介だって言えばいつでも入れてくれると思うけど。もし行くなら僕も学校サボっていくよ」
もしと言いつつ伊吹は行く気満々だ。
後ろからガサゴソ聞こえるからアリスたちも行く気満々なんだろうなあ。
「集、行くわよ。ゼクスも食べに来るというケーキ……実に興味があるわ」
「……ケーキ食べたい」
ほら来た。
俺も興味あるし行くか。
「ふふ、じゃあ行こうか」
「ああ、案内頼む」
「ちょっと入り組んだとこにあるから迷わないようにね」
ゼクスも食べに来るケーキ…………モンブランとかいるんだろうか。
伊吹の言う通り道は分かりずらかった。1回や2回来た程度ではわからないくらい。そんな道を歩いてついたのは小さめだけど立派なカフェだった。
「あ、今見えてるカフェは中村さんの奥さんのもので、ゼクス専用カフェはこっちの地下だよ」
そういって指さすのは隣の階段を下ったところにあるドア。
「こんにちわー。マスターいます?」
「やあ、伊吹君。おや、今日はお友達も一緒かい?」
「こんにちは、伊吹の友達の荒川集です」
「オーケルマン・アリスです」
「…矢島まかなです」
「中川基樹です」
マスターこと中島さんは50歳くらいの白髪で、いかにもマスターらしいカフェエプロン? を付けていた。
中はお酒も並んでて、カフェとバーが一緒になった感じ、カフェバー(っていうのかな?)みたいになってた。
「今日は友達連れてきました。みんなゼクス使いなんですよ」
「ほう、それはすごい。どうぞ、ごゆっくりしていってください」
「ありがとうございます」
「ふふっ、どんなケーキなのかしら」
「気になる」
俺はどんなゼクスが来るのか楽しみだ。
カフェバーってありますよね?