Z/Xの世界で生き延びる!   作:よーと

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70話「画策する集」

 「うわああああああああああああああああああ!!」

 

 俺は叫びながらその場を離れる。

 足音が聞こえないから追ってきているのかわからないし、見ようとも思わない。

 とにかく一心不乱に走った。

 

 

 どれくらい経っただろうか。なんとか事務所まで帰ってこれた。あー、マジで怖かった。幽霊とか平気だと思ってたんだけどなぁ……。実際見ると怖いもんだな。

 さて、中に入ろう……ん、開かねぇ。何度かドアをガタガタさせた後で気づいた。そういえばカギはアリスが持ってたな。てことはまだ帰ってきてないか。明かりもついてないし当然か。

 

 「誰や! そこで何やっとるんや!」

 「ひぃっ!」

 

 不意に大声がしたから変な声が出てしまった。 

 ギギギと振り向くとそこにいたのは幸……ではなく飛鳥だった。

 

 「ん、君は昼間の……ここで何やっとるんや」

 「あ、ああ……はあ~、よかった……」

 

 ホッとした。そうだよな、男の声だったんだ幸のはずがない。

 実はかくかくしかじかで……と、神社で幽霊に会ったことと、俺がゼクス使いで最近ここの事務所に住み始めたことを話した。

 

 「そうやったんか、君が最近事務所に来たって言うゼクス使い。で、仕事で幽霊を探してたと」

 「そーゆーこと。いやー、さっきはびびったぜ」

 「ごめんなぁ、泥棒かと思ったんや」

 「それは悪かった。じゃ、俺は他のメンバーのところに戻るわ」

 「気を付けてなー」

 

 飛鳥と話してるうちに落ち着いてきたな。だが、これで知り会いになってしまった。どうか何事もなく過ごせますように。

 

 

 

 

 何度か迷ったがなんとかカフェに戻ることができた。落ち着いたとはいえ、夜道を一人で歩くのはちょっと怖かった。

 

 「お、戻ってきたね。どうだった、退治できたかい?」

 「伊吹、マジでいたぞ、どういうことだ」

 「だからいるって言ったじゃないか。で退治できた?」

 「いや、突然のことだったから逃げてきた」

 「えー、困るよ。まあ、急がなくてもいいけどさ」

 「ああ、なんとか今月中までに退治してみせる」

 

 若干トラウマになってるから腰が重いけどな。

 

 「あと伊吹に相談したいことがあるんだけど」

 「なんだい、僕にできることならなんでもするけど」

 

 元の世界のことも含むので人には聞かれない位置に移動する。

 

 「あれだ、飛鳥のことだ」

 「ん? 飛鳥がどうかしたの?」

 「いやほら、飛鳥って巻き込まれ主人公だろ? しかも俺は学校のすぐ近くでゼクスを使う仕事してるし、今日飛鳥と知り合いになっちゃったから、綾瀬との戦闘の時に俺はどうするべきかってさ」

 「そんなの集がやりたいようにやればいいだろ?」

 「わからないから言ってるんだよ。下手に動くと元の世界でできていた未来が変わっちゃうかもしれないだろ? それに藍那ちゃんもいるみたいだしさ……」

 「藍那ちゃんって飛鳥とバイト先が同じ子? その子がどうかしたの?」

 「あー、そういえば伊吹はアニメは見てなかったな。実はさ……(かくかくしかじか)」

 「なるほど、そういうこと。だから下手に動きたくないと……。でもやっぱり集のやりたいようにやるべきだよ。ある程度今後のことがわかるっていうアドバンテージを潰したくないのもわかるけど、だからって無理してアドバンテージを利用することもないと思うよ。なんたって僕らの他にも転移者がいるし、集は主人公以外とはいえ結構大きな事件に関わってきたんだから。どのみち、集の性格じゃ関わった人が傷ついててほっとけないだろうから嫌でも自分から突っ込んで行くさ。飛鳥が巻き込まれ系主人公なら、集は巻き込まれに行く系主人公って感じかな?」

 「ハハッ、なんだよそれ。巻き込まれに行く系主人公か新しいようで新しくない感じだな。そうか、自分のやりたいようにか………。といっても俺はやっぱり自分を納得させられないから別の道を探すんだけどな」

 

 俺はリアリストだからな。

 

 「そして巻き込まれに行くと……」

 「この野郎ww。そういえば他の転移者って言ってたけど、もしかして神様に会ったのか?」

 「って聞くってことは集も会ったのか……。そうだよ、僕も神様に会って、眷属になるように言われたよ。でも断ったけどね。各世界の戦いに参加するなんて僕には無理だ。そんなに闘争心ないし、強くなろうとも思わないから……それに好きな人もできたし……」

 「ファッ! いまなんて? 好きな人できたって言ったか?」

 「……うん」

 「え、なんで! お前誰にどんなに告白されても靡かなかったのに。めっちゃ気になるんだけどッ!」

 「落ち着けって。あー、なんだ。僕がここで働いてるのもそれが理由って言うか……」

 「どゆこと?」

 「マスターのお孫さんに理奈ちゃんって子がいるんだけど、その子のことが好きになっちゃったんだよね」

 「え、そうなの! え、それで、今どうなってんの、気になる!」

 「だから落ち着けって……。あー、そのだな、実は先週告白しまして……」

 「ほうほう!」

 「振られましたー」

 「マジか。でもさっき好きな人って言ったってことは今も好きなんだろ?」

 「そうです……。集、『彼女いない歴=年齢』の集さん、どうかこの恋が実るように協力してください」

 「なんか言い方に刺があるがいいだろう。あー、でもなにするか…………あっ、いいこと思いついた」

 「え、マジで? 思いつくのが早すぎて不安なんだけど……」

 「任せろって。っと、その前に理奈ちゃんって飛鳥と同じ高校?」

 「そう、高校1年生」

 「お、そりゃますますちょうどいい」

 

 くくく…………伊吹にも俺にもメリットのある方法を思いついたぞ……。

 ありがちだが、ちょうどよく藍那ちゃんと伊吹の問題を解決できる。

 さて、そうと決まれば根回しを済ませておかないとな。




 リアリストとか書いてたら、
 デュエリスト→リアリスト→テロリスト
 となった
 「それでもデュエリストか!」
 「リアリストだ」
 で有名な遊☆戯☆王5D'sのロットン思い出しました。

 「満足させてくれよ」
 満足さんは黙っててください。

 それと『使徒』とか『眷属』とか同じような言葉が出てくるのは、特に違いはなくて神の気分や人が違えば言い方は変わります。
 神は気紛れ。
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