さっそくゼクスを捕獲することになった俺は、集落から少し離れたところに来ていた。
「ここら辺ならプラセクトぐらいすぐ見つかると思うぜ」
と、本当にすぐ出てきた。
出てきたのは頭にりんごの実のなった枝が生えている爬虫類。
〈変色蜥蜴アップルカメレオン〉だった。
「お、言ったそばから出てきたな。いつでもやってくれていいぜ。危なくなったら助けてやるから」
「はい! じゃあさっそく」
「キャプチャー!」
……あれ?
なんも起きないんだけど。
これも故障してるのか?
カードデバイスを見てみるが特に故障しているようなことはない。
「キャプチャー!」
もう一度言ってみるが何も起きない。
……もしかして……俺、才能ないのか?
そんなことを考えているとアップルカメレオンはこちらに気づいたのか、こちらに顔を向け長い舌で俺に攻撃してきた。
「うおっ! あぶねぇ!」
思ったよりずっと早くてよけきれないかも……
するとタイガーさんがアップルカメレオンの舌をつかみ自分のほうに引き寄た。
アップルカメレオンはタイガーさんのほうに引っ張れタイガーさんのパンチを頭部に食らい、一撃で沈んだ。
「大丈夫か? あっちもただじゃ捕まってくれないだろうから気を付けろよ」
「あ、ありがとうございます。気を付けます」
あ、あぶねえ。
すぐキャプチャーできると思って油断してた。
次からは気を付けないとな。
★★★★
「まあ……今日はじめてやったんだからそう落ち込むなよ」
「…はい……」
あれから何度か捕獲を試みたけど全然だめだった。
今はタイガーさんの家に戻り食事をとっている
俺は転移者だからもしかしたらすぐ捕まえられるんじゃないかとか、自分は特別だと少なからず思っていたせいか、ショックが大きかった。
タイガーさんはこう言うけどもしこのまま一匹も捕まえられなかったらとか考えてしまう。
でもタイガーさんの言う通り、落ち込んでばっかじゃ駄目だな。
今日のとこは明日に向けて早く寝よう。
次の日の朝、食事をとっていると玄関のドアが開いた。
「タイガーさん、話があんだけどよ。
…ん?こいつは誰ですか?」
入ってきたのは上半身裸でジーパンを履いた獣人だった。
…確か〈獣人ウェアシェパード〉だった気がする。
「こんにちは。先日タイガーさんに助けてもらってそのまま居候させてもらってます。
荒川 集って言います」
「俺はウェアシェパードだ。
俺も昔タイガーさんに助けてもらってこの集落に住むようになったんだ。
よろしくな」
「こちらこそよろしくお願いします」
「それで俺に話ってなんだ?」
「ああ、この集落の近くでまたプラセクトが暴れてるみたいなんだ。
あとローリエさんがまた畑の作物をハーブに変えるしよ。ウェアアントラーがかわいそうで」
「あのやろうまたそんなことしたのか……。
そしてプラセクトのほうもまた暴れてやがんのか」
「できれば今日のうちにプラセクトのほうは片づけたいんですけど、ローリエさんのほうは俺じゃどうしようもないので…」
「俺だってあいつのイタズラは止めらんねえよ。
プラセクトのほうはお前の言う通り今日終わらせちまおう。
集、わるいが今日はゼクスを捕まえるのには付き合えねえから、ウェアラビットたちとやってくれ。
あいつらには俺から言っておく」
「わかりました。気を付けてください」
「ああ。集も気を付けるんだぞ」
そう言って二人は出かけていった。
さて俺も飯食ってラビットさんのとこに行こう。