Z/Xの世界で生き延びる!   作:よーと

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 R15ってどこまで書いていいものか……。
 ほんの少しのHな表現があります。
 R15でやれるHって難しい……。



72話「幸ちゃん再び」

 「これからどうすっかな……」

 

 さて、店を出たわけだがやることがない。これからケーキとか食べるわけだし、食べる系はダメだ。できることといえば幽霊退治なわけだが、今はまだ明るい。幽霊とは総じて夜に出るものであるからして、今やるのは効果が薄いだろう。決して怖いわけではない。とはいえ、依頼されてるのにやらないのはまずいのではないだろうか。なのでまだ明るいが、捜索することにする。ああ、残念だ。今は幽霊を見たい気分だが、明るいものな、見つからないかもしれん。だが、先入観に囚われてはいけない。というわけで明るいがこの前幽霊と出会ったあの神社に行こう。

 

 

 

 「おー、やっぱ幽霊なんかいなかった。てか誰もいないな」

 

 神社についたが人っ子一人いなかった。巫女さんとかいてもいいんじゃないだろうか。

 

 「ふふふ、幽霊め…俺に恐れをなして逃げおったか」

 

 わざとらしく声に出して言ってみる。こうすればトラウマも克服できそうな気がする。

 

 「幽霊、いるなら出て来いよ」

 

 しーん……。やっぱり幽霊なんかいないんだ。そうだ、俺が見たのは夢に違いない。

 

 「ああ、なんて情けない……」

 「うっさいな、こうでもしないと怖くてやってらんないんだよ」

 

 月下香がカードデバイスから話しかけてくる。

 

 「それにしても、あの子かわいかったなぁ……幽霊じゃなかったら付き合いたかったぜ……」

 

 ああ、ホントにかわいかった。少し幸薄そうな感じだったが、逆にそこがいい。お胸も結構あったし。

 

 「本当ですか! うれしい……!」

 「うわああああああああああ!! アクティベート、月下香! 助けてげっかこおおおおおおおお!!」

 「抱きつくな! 鬱陶しい!」

 「グヘェェ!」

 

 後ろからあの声が聞こえたのでつい月下香をアクティベートしてしまった。抱きついたのは不可抗力だ。だって怖かったんだもの! おかげでパイタッチしたはずだけど覚えているのは地面の感触だけだ。なにも地面に叩き付けなくてもいいじゃないか。

 

 「うれしいです。そんなこと言われたの生まれて初めてで……」

 「お前は何者だ? 妖の類か?」

 

 頬に手を当てくねくねする幽霊に月下香は刀に手を当て、警戒しながら言う。

 それを俺は月下香の影に隠れて見ている。幽霊にも物怖じしない月下香姉さん、流石ッス!

 

 

 「あ、失礼しました。私は高品(たかしな)(さち)と……」

 「それは知っている。お前はどんな存在なんだ? 見たところ生きているとは思えないが……」

 「実はそれは私もわからないんです。気づいたらこんな姿になっていました」

 「ふむ、わからんな。もっと詳しく頼む」

 「いえ、私が思い出せるのは自分の名前ぐらいなんです。申し訳ありません」

 「そうなのか……。ところで集、アタシの服を掴んで震えるのはやめてくれないか……気が散る」

 「で、でも、いきなり襲ってきたらヤバいじゃん!」

 「大丈夫だ、彼女はいきなり襲ったりしないだろう」

 「その通りです。私は噂のように人を襲ったりしません!」

 「こう言ってるし」

 「で、でもさ……」

 「ええい、うるさい! 自分で確かめろ!」

 「うわッ! ちょっと、投げないで! ああ、ぶつかるッ!」

 「あわわ!」

 

 月下香が幽霊の方に俺をぶん投げやがった。ああ、俺の人生はここで終わるのか……。せめて……チェリーは卒業したかった……。

 

 「って生ぬるぅッ!」

 

 地面に尻もちついた衝撃と共に感じたのは生ぬるい空気だった。

 

 「ひ、ひどいですっ!」

 「なにこれ、人肌の温度なのが逆に気持ち悪いッ! そして若干空気に抵抗がある! てか抜け出せねぇ!」

 「ああ、そこはッ!」 ///

 「変な声出すのやめろッ! 誰か……月下香! 助けて!」

 「あ、ああ」

 

 月下香は突然のことに戸惑いながらも俺を幽霊から引っ張り出す。

 

 「ああ!」

 

 ポンッ!っと栓が抜けるように抜けた。

 

 「一体何が……」

 「うっ……うっ……もうお嫁に行けない……」

 

 幽霊の幸ちゃんが座り込んで嗚咽交じりに言う。

 正直気まずい。

 

 「あー、その、正直すまんかった」

 「月下香までそんな風だとますますおかしい雰囲気になるだろッ!」

 

 自分でやったんだから責任は持ってほしい。そして、収拾を付けてほしい。

 

 「す、すまん。では、幸は一体どうしたんだ?」

 

 月下香が今や女の敵とばかりに俺を睨みつける幸ちゃんに聞く。

 

 「ひっく……ひっく……こ、この人がッ! 集さんが! 私の……その……中を……弄るから……うっ……うっ……」

 「いや、その意味深な言い方やめてくれよ。それじゃ俺も強く言えないじゃん」

 

 幽霊のはずなのに、器用に涙を流す幸ちゃん。

 

 「でもっ! 本当に触られたんですっ!」

 

 幸ちゃんは真っ赤な顔で言う。

 

 「え、俺そんな覚えないんだけど……」

 「いいえっ! 触りました! その……胸とか……お股とか……とっ、とにかく触られたんですっ!」

 「ええーーーーーーー!」

 「諦めろ集、アタシもそれは見ていた。確かに触っていたな、うん」

 

 月下香も若干赤くなった顔で言う。

 

 「せ、責任取ってください!」

 「what!?」

 

 俺の人生初で、そうしなければならないように思わせる謎の魔力を持つ言葉に驚いてつい英語で返してしまった。

 まさか人生初が幽霊だとは思わなんだ。

 

 「私、自分がどんな人間だったか気になるんです。それに幽霊になって出たということはおそらく未練があったんでしょう。だから、せめて今を楽しみたいんです! 手伝っていただけないでしょうか?」

 「お、おう……いい…よ?」

 

 あの流れからそう来るか、って感じだが、無理難題吹っ掛けられるよりはマシだろう。あの取り乱しようから一変し、真剣な顔で言うので疑問形になってしまった。

 

 「よかったのか?」

 「別にいいよ。要は自分がどんな奴か知って、そんでもって未練がなくなるように満足すればいいんだろ? 大丈夫だって」

 

 俺は手をヒラヒラさせながら言う。

 幽霊なんてそのうち消えるだろ。それに消えるのを確認できたら報酬も貰えるしな。

 

 「ありがとうございます」

 

 幸ちゃんはその場で正座し、頭を下げた。いわゆる土☆下☆座☆ってやつだ。いや、もちろん違うよ? 『不束者ですが……』とかいう時のやつ、三つ指をつくってやつだろう。

 

 「いや、そんなに畏まらなくてもいいよ」

 

 そんなに畏まられても恐縮してしまう。

 

 「はい、ではよろしくお願いします」

 

 幸ちゃんは明るく微笑んで言った。




 ん? 幽霊が仲間になったぞ?
 この物語はどこへと向かっていくのか……。
 今回は珍しくラッキースケベ回でした。
 露骨な表現がなければセーフだと思うので、こんな感じでまたやりたいと思います。
 でも、まさか初サービス回が幽霊になるとは思わなかった……。
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