何回も同じ言葉が出てくるので、くどいかもしれません。
それと遊戯王ネタと765ネタをちょっと入れました。
前話すこし修正しました。
「運命力って知ってる?
遊戯王GX見たことのある君ならわかると思うんだけど?」
「ああ、『当然正位置』だろ?」
「うんそれそれ。
で、これみたいなのがこの世界にもあって、彼はそれが強い。
だから彼より運命力の低い君は如何あがいても死ぬってわけ」
「うん? まるで意味がわからんぞ!
じゃあそいつに勝てる奴なんかいないんじゃねーの?
それになんでそれが分かってたのに俺に殺人の依頼したんだよ。
俺に死にに行けって言ってたのか」
運命力とか……なにだよそれ、それこそチートだな。
「いや、そういうわけじゃないんだ。
彼はこの世界に来てから運命力が強まったんだ。
神の使徒として運命力が上がったとか、この混沌とした世界に反応したからとかそんなとこだろう。
あと、君には無理だけど、勝てる奴はいるよ。
前にも話したワイバーン教授のレポートを見てもらえばわかるけど、運命力の特に強い者を『特異点』と呼ぶ。これは君も知っている飛鳥や綾瀬のような人物だ。
この人物は物語で言う主人公の役割だから、素の状態で主人公補正が効く。だから彼を倒すには彼の運命力を上回る人物で且つ彼以上に強い人物でなくてはいけない。
そう考えた時に、君では戦闘面では勝てても物語的な意味で勝てない。
だから君は九州に渡り、彼以上の運命力を持つ人物を見つけて彼とぶつけるしかない」
なるほど……。
じゃあそいつは補正がかかってて運命的な意味で格下のやつには絶対に負けないと。
で、俺は『当然正位置ィ!』とか言いつつ、失敗するような奴だから死んでしまうと。
「でもさ、どうやって見分けるんだよ。
運命力の強い奴ったって、普通の人間と変わらないんだろ?」
「大丈夫、ティンとくるから。
たぶん一発でわかる。
分からなくても知らず知らずのうちに仲良くなってるはずだから」
「そうは言ったって……」
「もう時間がないから言いたいことだけ言って帰るよ。
君より彼の方が運命力が強いって言ったけど、君だって運命力は弱いわけじゃない。どちらかと言えば強い方だ。怖がらずに今まで通り動いていい。
で、藍那ちゃんのことと宝石商のことだけど、こっちも心配しなくていい。どの道、やれることは限られてるし、藍那ちゃんがどれだけゼクスを嫌っても、ゼクス化しなければ大丈夫だからね。
そうそう、九州ではかなり多くの人に会って、多くの事件やイベントが起こるはずだから、本気で頑張らないとヤバいよ? 命も狙われてるしね。
転移者もいるはずだ。その人たちと分かり合うのは時間がかかるし、時には怪我では済まないくらいの事故に会うかもだけど、できれば君のいいと思う範囲でいいから仲間にしてあげてくれ。
とまあ、一気に言ったけどこのくらいかな?
駆け足で悪いけど、それだけ君にはやることがあるんだ。
しばらくは会えないかもだからよろしく、頑張ってくれ」
ホントに駆け足だな。
内容2割くらい聞き逃したかも。
「任しとけ。何とかうまくやって見せるさ」
「ああ、よろしく。
……あっ、そうだ。
月下香とまた仲良くやるには、『ごめん』とかじゃなくて、『ありがとう』とか感謝の言葉をかけた方がいいよ。
じゃ、あでゅ~」
ああ、じゃあな。
「ぃ……ぉぃ……おい、起きろやこら。
わいも姉さんに怒られるんやからな!」
「んぁ……悪い、今起きる」
カードデバイスの中からスコルが俺を起こす。
時計を見ると今は4時40分。
朝練は5時からだから早くしたくしないとまたどやされる。
でもおかしいな。ちゃんと目覚ましセットしたと思ったんだけど。
「知らんわ、わいもさっき起きたばっかりやからな。
知らん間に目覚まし切ったんとちゃうか」
ま、そんなもんか。
さて、さっさと行きますか。
「集は来なくても良かったんだぞ?」
朝練に行ったらそんなことを言われた。
どうしたって言うんだよ……。
「なあ、なにかやったんとちゃう?
昨日はあんなんやったし……」
「つわれてもなぁ……心当たりはあるんだが、へこむほどとは思えないんだよなぁ」
俺とオーラスコルは並走しながら、しゃべらずに黙々と前を行く月下香の後ろ姿を見ながら言う。
「まあ、わいは先行くから頑張りや」
「ああ」
スコルはそう言うと、風のように駆けて行った。
随分速くなったよな、とか思いながら月下香に話しかけるために頬を叩き気合を入れる。
う、力入れすぎた。痛い。
「月下香」
「……なんだ?」
「怒ってる?」
「……怒ってなんかいない。少し眠いだけだ」
でも不機嫌そうな顔してるんだよな。
「さっきも言ったが、別に朝練に付き合わなくてもいいんだぞ」
「どうしたんだよ」
「お前は人間だし、アタシたちのペースについてくるのは辛いだろう。
それにアタシはすぐに手が出るし、集も迷惑だろう」
何をいまさら。
「なんだそんなことか、気にするなよ。
俺もそんなに気にしてないしな」
まあ慣れましたから。
「それに全然迷惑なんかじゃないよ。
むしろ、感謝してるくらいだ。
いつも鍛えてもらってるし、月下香は美人だし楽しくやれてるよ。
ありがとう、月下香」
若干オーバーだが、嘘を言ったつもりはない。
「そ、そうか。
ならこれからも稽古をつけてやらんこともない」
月下香は少し驚いた顔をしてから、若干照れた感じで言った。
「ああ、ありがとう。
これからもよろしく頼む」
前回と今回は月下香をヒロインに軌道修正するためにやった。
後悔はしてない。
おいそこ、千尋ちゃん空気とか言うな。
でも作者が持て余してる感が否めない。
ゼクス使いですらない純粋な人間枠はやっぱり使いづらいんだよなぁ……。
ついでに、ここまででこの章は終わります。
次は月下香視点、千尋視点、ウェルキエル視点、スコルの小話、etc…
などを書いていって、9月の頭には次の章に入ります。
次の閑話は、視点を変えるだけなので、明日には更新できると思います。