一体何が……!
そもそも延期ってどのくらいだよ。
ストーリー進むまでとか言われたら、流石の俺もぶちぎれるんだけど……。
まあ、気長に待ってましょうか。
そんなわけで84話スタートですッ!
監視がつくことはしょうがない。
しかし、せっかく回収したトルマリンを取り上げるとは何事か!
学校を通して渡すとか折半だとか言ってたけど、そんなのってないよ……あんまりだよ。
「はあ……どうすっかな」
アリスは怒ってるし、基樹は髪を染め直したいって言ってるし、まかなは昼寝してるし……なんかいまいちまとまってない。
てゆうか緊張感がない。
アリスは怒って壁ガンガン蹴ってるし、まかなは昼寝。
普通監視なんかついたら大人しくするもんなんだけどな……。
ちなみに場所は変わって自衛隊駐屯所に来ている。
別にホテルとかに泊まってもいいんだけど、監視が付くなら同じだということでここにいる。
こういう時、物語の主人公なら監視の目を躱し町に出るんだろうけど、俺達の場合それはいかがなものか。
俺達はあくまで学園から派遣された形になっている。
だから俺たちが何かやらかすとそれは学園の責任となる。
だが、学園のおかげで相手も不用意に手出しはできない。
ここで仮に抜け出したとしよう。
だがそれは俺達に利益のあることなのか?
ここでうだうだしていると殺人鬼が来るかもしれない。
神は運命力がどうのこうの言っていたが、ここにいたら神門以外は全員死ぬんだろう。
それはつまり神門の敗北、そして赤の世界の敗北である。
そして全世界の依頼を兼ね備えた世界を目指す俺の負けでもある。
神門ならなんだかんだで理解してくれそうだが信用されるかは別だ。
こう考えると逃げた方がいいんだが、問題はどこへ逃げるかだ。
町に行ったとして、果たしてそこは安心できるのだろうか?
ギガンティックやミソスの襲撃はもちろん、監視が特に問題だ。
三人はともかく、俺が怪しい。
身分の証明もできず、ゼクスを使い、しかもチート能力者と戦闘をする。
そんな俺を信用してくれるのだろうか?
おそらく答えはNOだろう。
身分証明できない時点で駄目だ。
信用するための判断材料が限られる。
誰だって本当に存在してるかわからない奴を傍に置きたくないと思うだろう。
あー、考えてたら頭痛くなってきた。
とりあえず、俺達がここから出るためには信用を勝ち取るか、俺達に関わらない方がいいと思わせるのがいいと思われる。
……そういえば赤の世界が白の世界を攻めたのもこの位の時期だったか。
もしかしたらその時のことを見据えてのことなのかもしれないな。
「なあ集、ちょっと外に出て観光して来ようぜ」
「……監視されてるんだから駄目だろ」
「いやそれがさ、聞いてみたらいいらしいんだよ。
そこまでガチガチに縛るつもりはないみたいだ。
もちろん監視はつくんだけどな」
「んー、じゃあいいかな」
気分転換にいいだろう。
「姫は?」
「私は! 行かない!」
「わかった。
じゃ、行こうぜ」
「あ、ああ」
アリス荒れてんなー。
壁がかわいそうだ。
壁殴り代行呼んだ方がいいんじゃないか?
「まさかこんなことになるとは思わなかったよなー」
「そうだなぁ……。
もっと歓迎されてもいいと思ったんだけどなぁ」
しゃべりながら屯所の近くにあるスーパーに向かって歩く。
買うのは基樹のカラーリング剤となにかつまめるもの。
後ろからは自衛隊員二人がついてくる。
まったく面倒なこった。
「―――っと……すいません」
「いえ、こちらこそ」
しゃべりながら歩いてたら女の子とぶつかった。
あ、今の子何気かわいかったな。
まあぶつかっただけだから何もしないが。
女の子もお辞儀をした後歩いていったしな。
「気を付けろよー」
「ああ、悪い。
気を付ける」
しゃべり歩きしてる時は特に気を付けなきゃな。
『……やっと見つけた』
その声に集たちが気付くことはなかった。
……あれからしばらく外を歩いて考えてたらなんとなくこれからどうするか決めた。
というわけで神門のとこに行こう。
もちろん一人で。
部屋は会議室みたいなとこだ。
アポはとったし大丈夫だ。
「……それで、用件というのはなんだ?」
「ああ、ちょっと小耳に挟んだんだがな……神門はどうやら黒の世界に因縁があるらしいじゃないか。
さらに言えば東京にある妹の魂が必要なんだろ?」
「……ほお、誰に聞いたかは知らんが当たりだ。
だが、それを知ったところでお前らを開放する理由にはならん」
「それはどうかな?
俺達は学園に雇われている形とはいえ、元々フリーのゼクス使いだ。
俺達のように自由に動けるゼクス使いがいた方が神門的にはいいんじゃないか?」
「確かにそうだ。
だがお前らは俺の下で働くつもりはないらしいじゃないか」
「あんたの下でなくても同じことはできるさ。
単に依頼してくれればいい。
『妹を蘇らせるために協力してくれ』ってな。
そうすればアリスのことだから喜んでやってくれるさ」
「…………」
まだ押しが弱いか……?
「俺は各世界にコネクションがある。
それを使えば黒の世界の制圧に一歩近づく。
自分で魂を回収したいというなら俺達はそのサポートをしよう。
どうだ、お互いに悪い話ではないと思うが?」
「……なるほど、いい話かもしれんな。
だがお前らはどこまでやれる?
制圧やサポートなどと言っても、使い物にならんのでは話にならん」
「どこまでか……。
個人では隊長格一人、隊を任せてもらえるなら県を一つなら制圧できる、と思う。
とりあえず、アレキサンダーに引けはとらないと自負している」
「ずいぶんと自信があるようだな」
「事実だからな」
間違ってはないはずだ。
ただ後が怖いけど……。
さっきからこっちを見るみかどんの目が怖いよ……。
「まあいいだろう。
ここはお前を信じてやる」
「ほっ……」
「だが、結果を出せなかった場合、裏切りとみなし赤の軍勢がお前らを襲うだろう」
「分かってるって」
怖ッ! さすがシスコン。
「じゃ、そういうことで監視外してくれよ。
息苦しくて仕方ねぇよ」
「そうだな。
今伝えよう」
「ああ、そうしてくれると助かるよ。
これでアリスも少しは……」
静かになるだろう、と続けようとした時、部屋のドアが大きくノックされた。
「すまんな。
何事だ、入れ」
「し、失礼しますッ!
正門から敵襲です!」
武装した自衛隊員が一人、慌てた様子で部屋に入ってくる。
「なんだと!
それで、今はどうなっている」
「相手の目的は分かりませんが交戦状態です。
銃が効かないところを見るとゼクスかと」
「なぜそんな奴に気づかなかったんだ!」
「見た目は人間の少女だったので、隊員が対応しようとしたところ投げ飛ばされました。
おそらくはブレイバーかミソスかと……」
「チッ!
この時期に面倒な……。
……ちょうどいい。
お前らのことを認めてやるからこのゼクスを片付けて来い」
「ああ、任せとけ!」
ブレイバーやミソスの一人や二人、俺達の敵ではないわ!
ハッハッハ!
俺は外に出るため走りだした。
バーサークバイク「ブオンブオン!(俺の出番まだかよ!)」
作者「君は割と重要な役割があるんだ。
それまで待ってくれ(あと2章くらい経たないと活躍しそうにないが)」