やったね!
これからもよろしくお願いします。
そうそう、寝てて気づきませんでしたけど、ソトゥミサで『アルモタヘル』が来ましたね。
なにこれかわいい!
しかし八千代ちゃんがいないってどういうことだ!
だが……俺が言ったのは『出さなかったら嫁に来るようにする』だ。惜しいことにワンシーンだけ、回想とはいえ出てきている。
うむぅ……しょうがない、今回は見逃してやろう。
だがしかし、次にゲストとして来なかったら嫁に来てもらおう!
「なんだ……これ……」
目の前には想像を絶する光景が広がっていた。
血みどろの戦いとか死体が積み重なってるとかじゃない。
ただ、一人の少女が銃弾を避け、戦車を蹴り壊し、人を放り投げていた。
嘘でも冗談でもない。
ただ単純にこの言葉通りのことをしていた。
たぶん死人は出てない。
だが圧倒的にこっちが押されてる。
敵は一人。
火中に佇む少女だ。
ゆらゆらと肩まで伸ばした黒髪をなびかせ、ゆっくりとこっちを見た。
「やっと……見つけた……」
ゾクゥッ!
「アクティベート! 月下香!
イグニッション・オーバードライブ! スコル!」
俺の中で警告が鳴っている。
たぶんあいつの目的は俺だ。
まさか、あいつが殺人鬼なのか……?
「随分と派手にやってるね」
「なんやこれ。
あれ普通の女の子とちゃうん?」
「二人とも真面目に……」
「悪いけど……ちょっと大人しくしてもらうよッ!」
言いかけるのと同時に女の子が猛スピードでこっちに向かってくる。
「ッ! あぶない!」
「遅い!」
俺を庇うように月下香が七支刀を盾にして前に出るが、女の子の方が一瞬速い。
女の子は踏み込むようにして下から左腕を振り上げる。
アッパー……いや、スマッシュか!
「なっ!?」
月下香はスマッシュを受け、後方に吹き飛ばされて行った。
「チィ!
集、はよ乗り!
ここはいったん体勢を……」
「させるか!」
「カッ……ハッ!」
スコルの背中に乗る前に、女の子はスコルの腹に潜りこみ蹴りを放った。
俺の自衛手段をことごとく断ってくる。
この子……普通の人間じゃありえない動きをしてくる。
しかもよく見たらあの時の女の子じゃね!?
ブレイバーやミソスとも違うみたいだし……まさかこれがチート能力者なのか?
「あんたが荒川集だろ?
あんたにちょっと聞きたいことがある」
「……なんだ?」
「あんたも転移者ならわかると思うけど、あたしも転移者でさ、黒の世界の神の使徒なんだ。
それで頼まれたんだけど、神様はあんたの後ろにいる奴が誰なのか知りたいらしい。
これ以上被害を出したくなかったら教えてくれないかな?」
俺が誰の使徒かを教えろってことか。
だけど言っていいんだったけか?
神は誰にも言うなっていってたけど……。
というか、こんな手荒なことして聞き出しに来るってことは、あいつの事は何も知らないのか?
誰の使徒なのかではなくバックについてるやつを聞いてくるあたり、神だということにも気づいていない……?
「ねえ、早く答えてくれない?
さっきから銃を向けられてるこっちの気にもなってよ」
「あ、ああ……その前に質問なんだけど、もし言ったら退いてくれるのか?」
「……使徒だったら殺すように言われてる」
やっぱり神だということには気づいていない。
というか殺されるのか。
「いい加減言ってくれないとそろそろ……ッ!」
「シィッ!」
女の子が後ろに跳ぶとそこに剣戟が飛んできた。
「月下香!」
「まさか殴られただけでやられるわけないだろ?」
後ろを振り向く。
かすかに擦り傷はあるもののまだまだ余裕そうだ。
「へえ……さすがゼクスってとこかな。
でも、次は確実に意識を落とさせてもらう!」
「やれるもんならやってみな!
いざ!」
二つの影が交差する。
相手は変わらず素手で戦うようだ。
逆に月下香の武器は七支刀だ。
つまりリーチが長い。
相手はチート持ちとはいえ、スピードやパワーはあっても当たればダメージが入るようで、剣戟を避けながらの戦いになっている。
さっきはスマッシュを放って来たが、ボクシングだけに心得があるわけではないのか、空手のような突きもしてくる。
月下香は刀を振るったり、払って軌道を変えたりして対処している。
しかし、チート持ちだけあって、そこ攻撃は速く重い。
現に月下香は防戦を強いられている。
自衛隊も誤射を怖がって下手に動けないでいる。
すでに消火活動に回り始めているようだが、鎮火にはまだ時間がかかりそうだ。
ここは一旦退いて体制を整えるか。
「スコル、動けるか」
「なんとかな。
あの嬢ちゃんとんでもなく怪力やな。
おかげで鎧がボロボロや」
平気そうな声色で言うが、その顔は苦虫を噛み潰したようだ。
鎧も蹴られたところを中心に罅が入り、所々欠け落ちてる。
「ここは一旦体勢を立て直すぞ。
アレキサンダーや他のゼクスにも協力を仰いで……」
「その必要はない!」
屯所に戻ろうとした時、不意に声がかかる。
ずいぶんと響くその声の主はどうやら屯所の屋根にいるらしい。
「……なんだあのヒーローっぽいの?」
「ヒーローっぽいのではない!
正真正銘、正義のヒーローだ!」
トウッ! と屋根からヒーローっぽく降りてきたのは、全身を真っ赤な装甲で覆ったヒーローっぽい奴だった。
くすんだ灰色のマントを靡かせながら立ち上がる。
装甲は新車みたいにピカピカで炎の光を反射し輝いて見える。
『仮面ライダー』よりは『アイアンマン』や『サムス』みたいな感じか。
「秀外恵中、剛毅果断! 払うは月影。
クリムゾンハート! ただいま参上ッ!」
うわぁ……。
クリムゾンハート(笑)はキレのある動きで決めポーズをとった。
くそっ、イテテと思うと同時に、かっこいいと思ってしまったのが悔しい。
「なあ集……今日は厄日なんかいなぁ……。
違う意味でめんどくさそうなのが来たで」
「俺もそう思うよ……。
なんだこの中二病発症させてそうなの」
「中二病ではない!
クリムゾンハートだ!」
イテテ……。
自衛隊の人たちポカーンってしてるよ。
いつの間にか外に出てきてた神門も「なんだこいつ……」みたいな顔してるし……。
戦ってた二人も気になってるのか、動きに少しキレがない。
「フフフ……どうやら皆俺のかっこよさに声も出ないようだな。
まあいい、今は正義のヒーロとして貴様らを救ってやろう」
そう行ってクリムゾンハートはツカツカと月下香の方に歩いていく。
おい、今月下香と交戦中で超危ないんだぞ!?
「俺は女を傷つける趣味はない……。
できれば降参してくれないだろうか?」
「生憎だけど、退く気はないよ」
「そうか……残念だ。
そっちの女は下がってろ。
まだ力を制御できないんでな……巻き込んでしまうかもしれない」
「お前がそれだけ強いかは知らんが、こいつはお前には無理だ」
「ハァ……まあ見てろよ……いくぞッ!」
「ッ!」
速い!
言うと同時に足と背中からスラスターが出たと思ったら、次の瞬間には女の子に殴り掛かっていた。
女の子はとっさにガードしたようだが、クリムゾンハートはすでに次の動作に入っている。
「ハァア!」
「舐めるなァ!」
クリムゾンハートが二撃目を繰り出すと同時に、女の子も殴り返す。
「舐めてるのはそっちの方だ」
「なっ! ぐ……あ……!」
ドオオオオオオオン!!
クリムゾンハートの前腕部から射出装置のようなものが出ると、そこから爆音と共に火炎が放出された。
クリムゾンハートの名は伊達じゃない、ということか。
というか生きてるのか!?
殺す気で撃ったようにしか見えないんだけど!
「か……ゴホッ!ゴホッ!」
「生きていたか……。
女、もう一度言う。
降参してくれ」
「くッ!」
圧倒的だな。
あの女の子も速く、強かったけど、クリムゾンハートはそれ以上に速く、強い。
「……ねえ荒川集さん、どうしても教えてくれない?」
女の子はチラリと俺を見て聞いてきた。
「言えないな」
「そう……。
このままじゃ分が悪いし、ここは一旦退こう。
でも……君のことは絶対に逃がさないから」
俺にそう告げると、地面を強く蹴り夜の闇に消えていった。
「ふ、退いたか……。
では俺も退散するとしよう。
……集といったな。
困った時はあの星に俺の名を叫ぶといい。
ではまた会おうッ!」
「いや、どの星だよッ!
……ってもういねぇし」
クリムゾンハートは言いたいことだけ言ってさっさと消えてしまった。
街灯があるせいで星なんてほとんど見えねぇよ。
そして残ったのは、荒らされた自衛隊基地と俺達。
……うわあ、これどうしよ。
クリムゾンハートかっけぇぇえええええ!!(かっこいいのか?)
昔こんな妄想をしていた時期があったとかなかったとか……。
イラスト描ければいいんですけどねぇ……いかんせんスキルがないもので……。
次は14か15です。