確かに古風っぽいけど・・・。
かっこいいとか、古風って、一歩間違えば中二臭くなるなと実感した瞬間でした。
「な、何を言いますか蓮人さん!」
言う御影の顔は目に見えてひきつっている。
「ま、言うなれば、自分のかっこ悪いトコ見られたから、慌ててそれを修正しに来たってことか――――――」
からかう調子で僕に続ける瞬火先輩。が、すぐにその声はかき消されることになる。
彼を襲った衝撃と、それに伴う轟音で。
「なっ!?」
パラパラと、随分と後ろの方で、何かが崩れる音がした。
―――――初めは何もないように見えたこの世界でも、意外と建造物はあったりする。
探せば、あの時破壊された、僕の夢の跡地なんかもあったりするのだが、そんな調子で、あらゆる箇所に様々な物体が、無秩序に散乱している。
それを知った時は、これほどの人間があの化物に食われたと思ってぞっとしたが、案外違うようで、先輩方二人の前に現れた人間は、僕が初めてみたいだ。
先輩方二人の夢だとしても、量が多すぎるし、何故全く関係のないものが流れ込んできてしまっているかと問われれば、先輩方二人にも、その理由はわからないらしい。築いたらあって、当然のようにそこに存在しているみたいだ。
言ってみれば、付喪神のようなものかもしれない。持ち主の感情がこもった道具が何かしらの意思、それほどでなくとも、何かに導かれ、この線上に流れ込んでくる。といった具合に。にしても、金でできた城とかは、流石にやり過ぎだと思うけど。
そんな建造物の一つ。中世のヨーロッパを感じさせる荘厳な宮殿に、瞬火さんは消えていった。
「全く、死にたいなら最初から言ってくれればいいのに。ねぇ、蓮人さん?」
御影が笑いながら言った。その表情は、紛れもなく笑顔だが、その奥底に、隠しきれない殺気を感じる。
「で、蓮人さんも彼と同じように私を詰るクチですか?」
「いや・・・その・・・」
じりじりと、御影が距離を詰めてくる。
「いやーまいったまいった。いくらキレたからって、やり過ぎじゃない?」
後ずさる僕に、不意に、空気の読めない声がかけられる。
「あ・・・え?先輩!?」
「なぁに驚いてんのさ。これが猫の瞬発力って奴だよ。」
驚きながら先輩を見るが、その身に怪我らしい怪我はない。
「っかしいなぁ・・・確かに手ごたえはあったのに・・・。」
御影が不思議そうに右手を見つめている。その手からはどこぞのマンガのように、煙が立ち上っていた。
「そーいや、何か後ろの方で音したねぇ。避けたのに。」
瞬火先輩も、不思議そうに首をかしげる。
「「「え?」」」
全員が青ざめ、思考と声がシンクロしたその時、
「いってぇ!」
遥か後ろの方、先輩が消えていったと思われた宮殿の方で、叫び声が聞こえた。