ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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初めまして、はすみくと申します。

ついについにっ!
大好きなドラクエVの二次創作やってしまいました。

いつもは自己完結で投稿など恥ずかしいわっ!
と、自分用として書いておったのですが、せっかく書いたのなら晒してしまえ!

っつーことで晒します。
もうどうにでもな~れ☆

オリ主絡みが大好き変態ですみませんっ、のろのろと更新していきたいと思います。


では、本編どうぞっ!


物語の始まり

 

 ……くるくるくる。

 

 

 世界は回るよ、どこまでも。

 

 

 くるくるくる……。

 

 

 何度も何度も、何度でも。

 

 

 それが嫌というわけじゃないけれど、僕は少し疲れていたんだと思う。

 

 

 

 

 また(・・)始まるんだ。

 

 

 

 

 ピッ。

 ピッ、ピッ。

 

 ピッ。

 

 ピッ、ピッ。

 

 

 

 

 何度か聞いたことのある、電子音。

 キラーマが時々それに近い音を出していたような気がする。

 

 

 ピッ。

 

 

 ………………。

 

 

 タララララ……。タタタタタッ……。

 タララララ……。

 

 

 誰かが口を開くと同時、そんな音がする。

 

 

 

 ……ああ、この感じ。

 

 

 

 僕は知っている気がする。

 

 

 

 どうして……?

 

 

 

 

 

 

 ……とある城の玉座の間で、がっちりとした身体に口髭、長い黒髪を一つに束ねた精悍な顔つきの若き王が、緊張した面持ちで玉座の周りをそわそわしながら行ったり来たり。

 

 

 その王の名はパパス。

 

 

「パパス王、お気持ちはわかりますが……。少し落ち着いてお座りになってはいかがですかな?」

 

「う、うむ……。そうだな……。」

 

 

 大臣に窘められて一度は玉座に座るも、パパスはやはり落ち着かないのか立ち上がって歩き出してしまった。

 

 そうして玉座奥の階段の前に差し掛かると、不安そうな顔で見上げてはまた行ったり来たり。

 

 階段に近づくと、階上からごく僅かだが、「うぅ」だとか、「あぁ」だとか女性の苦しそうな呻き声が聞こえていた。

 その声が聞こえる度にパパスの眉根がぎゅっと顰められ、どうしてやることもできない歯がゆさに、彼は拳を握り締める。

 

 

 彼は今、愛しい妻の出産をまだかまだかと心が逸るような、痛むような気持ちで待っていたのだ。

 

 

(マーサ……私が代わってやれたらいいのに……。頑張れっ!)

 

 

 パパスはまた階段前に差し掛かると、階上を見上げ両手の拳を握って胸の高さまで持って来るとエールを送る。

 そうしてから再び周辺を歩き出した。

 さっきからそれを繰り返している。

 

 

 何度そんなことを繰り返していたのだろうか。

 

 

「パパスさま、パパスさま! お産まれになりました!」

 

 

 パパスが玉座から離れ、部屋の中で階段から最も遠い場所にいる時に限って、吉報がやって来た。

 家臣である小太りの男、サンチョがパパスの元に駆け寄って来る。

 

 

「そっ、そうか!」

 

 

(やったな! マーサ!)

 

 

 パパスは鼻の奥がツーンとなる感じがして、込み上げる感情をぐっと堪えた。

 

 

 王たるもの、いつでも冷静でいなければならない!

 

 

 とでも思っているのか。

 

 

 とはいえ、パパスの脚は素早く、はぐれメタルをも凌駕しそうな勢いで階段へと向かっていた。

 

 言ってることとやっていることはいつも一緒とは限らない。

 人間なんてそんなものだ。

 

 一刻も早く妻の元へと駆け付けたい。

 その一心である。

 

 

 そうして階段に差し掛かる。

 

 

 パパスは階段の一段目に足を掛けると、そのまま駆け上がりそうになる脚に“パンッ!”と叩いて喝を入れる。

 

 

 慌てて駆け上がり、自分が怪我をしては妻が心配してしまう。

 周りの者にも示しがつかないではないか。

 

 

 とでも思っているのか、階段を踏み外さない様に上の階へと上がった。

 

 

「パパスさま、おめでとうございます! 本当に可愛いたまのような男の子で!」

 

「うむっ」

 

 

 一刻も早く妻と我が子に対面したいが、侍女に声を掛けられ、平静を装って頷いてから、奥の部屋へと入った。

 

 

「あなた……」

 

 

 部屋の扉を開くと、汗を掻き、一仕事終えた愛しい妻の笑顔が見える。

 

 妻の名はマーサ。

 優しく美しい、パパス王の最愛の人。

 

 そして、その隣には生まれたばかりの息子が御包みに包まれ、目はまだ見えていないだろうが、落ち着いた様子で自分を覗くパパスの方を見ていた。

 

 

(ああ……、マーサも息子も無事で何よりだ……。マーサに似て可愛い子だ……)

 

 

 パパスはベッドから赤ん坊をそーっと抱き上げる。

 

 

 柔らかくて、軽いが温かく、命の重みがずっしりと。

 

 

 これからこの子を守り育てていき、この子が未来の国を背負うのだと思うと感慨深いものを感じた。

 

 

 すると、赤ん坊はパパスの抱き方に不服なのか「おぎゃあおぎゃあ」と泣き出す。

 

 

 自分の抱き方が悪いなどとは露程も思わないパパスは、どうして泣いているのかはわからない。

 だが、パパスは我が腕の中で元気に泣く息子の姿に安堵して、それまでしていた緊張をようやく手放したのだった。

 

 

「よく、やったな! おうおう、このように元気に泣いて……。さっそくだが、この子に名前を付けないといけないな」

 

 

 パパスはベッドに子を下ろし、顎に手を当てて考え込むと、

 

 

「うーん………………」

 

 

 ベッドの前を行ったり来たりし始めてしまう。

 

 

(ふふふっ、パパスさまったら難しそうな顔をして……)

 

 

 マーサは穏やかに表情を綻ばせると、パパスの動きを目で追った。

 

 

「よし浮かんだぞ! トンヌラというのはどうだろうかっ!?」

 

「まぁ、ステキな名前! 勇ましくて賢そうで……。でもね私も考えていたのです。アベルというのはどうかしら?」

 

 

 パパスの提案する名前を褒めつつ、マーサは自分の考えた名を彼に勧めてみる。

 

 

「アベルか……。どうもパッとしない名だな。しかしお前が気に入っているならその名前にしよう!」

 

 

 パパスにはいまいちピンとこなかったのか、彼は「サトチ―もいいかと思ったんだが……」とか何とかぶつぶつ言っている。

 

 

 それでも、愛しい妻が決めたのならその名が一番だ!

 

 

 そう思ったのか、パパスは再び息子を抱き上げ、高く掲げた。

 

 

「神に授かった我らの息子よ! 今日からお前はアベルだ!」

 

 

 急に大きな声で告げるものだから、アベルはビクッと身体を強張らせ、パパスをじっと見下ろした。

 

 

(ああ、目がマーサに特によく似ている。可愛いなぁ……)

 

 

 パパスは知らず知らずのうちに、目を細めて微笑んでいた。

 

 

「まあ、あなたったら…………。うっ……。ごほん、ごほん……」

 

「おい! 大丈夫か!?」

 

 

 マーサの様子が一変し、パパスは慌てて彼女の傍へと駆け寄る。

 

 

 すると、黒い闇がパパス達を包んでいった。

 何か舞台のスポットライトが落ちたような、そんな暗転。

 

 

 

『おぎゃあっおぎゃあっ、おぎゃあっおぎゃあっ』

 

 

 

 アベルの大きな泣き声だけが、闇の中で響いていた……――。

 

 

 

 

 

 

 

 

(んん……、ここは……?)

 

 

 ベッドの上に横たわっていたまだ幼年期の少年が目蓋を開く。 

 夢を見ていたらしい。

 

 暗く閉じた場面から一転。目蓋を開くと、そこはどこかの部屋の一室。

 

 

 ――この部屋、少し揺れている?

 

 

 少年はそう思って身体を起こし、まだ夢うつつにぼーっと部屋を眺めると、夢の中で見た若き王によく似た男が椅子に腰かけていた。

 ……その男が振り返る。

 

 男は夢で見たパパス王に似ている気がした。

 

 

 いや、パパスは自分の父の名前である。

 そして、先程夢で見た若き王より皺が増え、身体の至る箇所に切り傷が残る目の前の男がパパスその人なのだ。

 

 

 あれ? 父さんは王様だったの?

 

 

 少年は目を見開く。

 

 

「おう、アベル! 目が覚めたようだな。なに? 夢を見た? 赤ん坊のときの夢でどこかのお城みたいだったと?」

 

 

 うん。とアベルと呼ばれた少年は頷く。

 

 

「わっはっは! 寝ぼけているな。眠気覚ましに外にでも行って風にあたって来たらどうだ」

 

 

 パパスに云われて、アベルは部屋を出た。

 部屋を出たアベル、彼の目の前には階段が見える。

 

 そこを上がると木の扉があり、アベルは扉に手を掛け勢いよく開け放った。

 すると、眩い光が差して あまりの眩しさでアベルは反射的に目を閉じると共に手で光を遮る。

 

 

 ……ざぁざぁと、波の音が耳に入ってくる。

 次第に視界が開けて、ここが船の上だとわかった。

 

 

「……この景色……」

 

 

 外の明るさに目が慣れてくると、アベルは歩き出したのだった……――。

 




二次創作投稿サイトに投稿するのは初めてです。
普段は別サイトにて創作小説を投稿していたりします。

その内そちらも晒せたらと思います。

至らない点等ございましたらお教え願えると助かります。

読んでいただきありがとうございましたっ!
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