ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

さあ、いつも通り情報収集していきます!

では、本編どうぞっ。



第百五話 奴隷達の話

 

「……お前、お人好しって言われない?」

 

「…………ん? そうかな? ……よくわからないな……」

 

「ま、いーや。大丈夫なら、もう夢を見なくて済むだろ」

 

「うん……、そうだね。それはそれでちょっと淋しい気もするけど」

 

 

 ヘンリーの言葉にアベルは瞳を伏せる。

 

 

「だーかーらー、新しい女の子をだなぁ!」

 

「いや、僕はまだいいよ。正直、そんなこと考えてる暇はないし」

 

 

 こんな所から早く出て、父さんに代わって母さんを捜すんだ。

 

 

 アベルは、また(・・)こうなった以上、父の意志を継ぐのが僕の使命なんだと心に決めていたのだった。

 

 そんなアベルの気持ちなどヘンリーにわかるはずもなく……、

 

 

「水汲みの子じゃなくてもいいんだ。今度入って来た女の子に一目惚れとかしちゃえばいいだろ?」

 

「……一目惚れなんてあるのかな?」

 

 

 ヘンリー、僕の話聞いてた? と思いつつ、アベルは答えてしまう。

 

 

「それはオレにもわからんが、アリアのことは一目惚れに近かったな」

 

「っ、それを言うなら僕だって……」

 

「お?」

 

 

 アベルの言葉にヘンリーが興味津々に目を輝かせた。

 

 

「っ、あ、いや、何でもない……」

 

 

 違う。

 あれは多分……、繰り返される中で逢った初めて(・・・)に興味を惹かれただけ……。

 

 彼女に縋っただけ。

 

 少なくとも、あの頃は幼過ぎて、

 “恋”なんて感情……持ち合わせてなかった。

 

 

 でも今なら…………、

 

 

 

 

 今なら…………?

 

 

 

 

 …………わからない。

 

 

 

 

 もう、彼女はいないから。

 

 

 

 

 アベルは自分の中の複雑な気持ちがよくわからず首を横に振った。

 

 

「…………ともかくさ、アリアのことはもう忘れてやれば? お前がずっと想ってたらあの子だって浮かばれないじゃないか」

 

「わかってる。わかってるんだけどさ……」

 

 

 目を閉じると、アリアの笑顔が浮かぶんだよ……。

 

 

 アリアが夢に出てきていい加減うんざりしていた、などと思っていたくせに何なんだと、アベルは頬を指先でカリカリと掻いて、自嘲した。

 

 

「ふぅ。まあ、無理にとは言わないさ。さてと、そろそろ時間かな? お前も、トイレとか行っとけよ」

 

「あ、うん」

 

 

 アベルは立ち上がり、トイレをしにヘンリーの背後にあるツボへと近づく。

 

 

「うっ……」

 

 

 アベルがツボを覗き込むと、自動的にモザイクが掛かる。

 不思議と見てはいけないものは見なくていいようになっているんだなぁ、なんてご都合主義に感謝し、合掌。

 ツボの周りにはハエが何匹も舞っていた。

 

 

 すごいニオイだ……。って、そりゃそうか……。

 トイレだもんな……。

 

 

 ヘンリー、昨日こっちむいて寝てたけどよく眠れたな……。とアベルはヘンリーに感心してさっと用を足してツボから離れる。

 

 皆の様子を見ると、寛ぎモードでまだ仕事開始までは時間がありそうだったので、アベルは他の奴隷達の話を聞くことにした。

 

 今日は開始時間が遅い気がするけど何でだろうと不思議に思ったが、せっかくの情報収集のチャンスを逃す手はない。

 

 

「おはようございます」

 

 

 アベルは手始めに、テーブルに着き話をしている二人に挨拶をする。

 すると、手前側に座っていた痩せこけた男が振り返ってアベルの腕を掴み、口を開いた。

 

 

「あんた知ってますか? 神殿が完成すれば、私達は自由の身になれるんですよ!」

 

 

 痩せこけた男の瞳は殆ど生気がないものの、その奥に僅かな光が灯っている。

 どこで聞いた話かはわからないが、いつか解放されるということが心の支えなのだろう。

 そういえば、昨日そんなことを云っていた【ムチおとこ】がいたっけとアベルは黙って耳を傾ける。

 すると、

 

 

「おめえはよお、考えが甘いんだよ! 誰から聞いたかは知らんが……。そんなのはオレ達を頑張らせるための口実に決まってるだろっ!」

 

 

 痩せこけた男の言葉に、同じテーブル奥に座るマスクを被った筋肉質の男が腕組みをして忌々しそうに吐き捨てた。

 

 

「でも、本当だって……」

 

「知らん、知らん。おめえは幸せなヤツだよ!」

 

 

 痩せこけた男の瞳が伏せられると、マスク男は“ふんっ!”とそっぽ向いてしまう。

 その様子に痩せこけた男は動揺して「本当だって聞いたんだよ……」と弱々しくマスク男に訴えかけるのだが、マスク男はお冠で背を向け無視していた。

 何度も聞かされていることなのか、うんざりしたような顔をしている。

 

 

(話をもう少し訊きたかったけど、何だか機嫌が悪そうだからまた後で訊ねてみよう……。)

 

 

 アベルは別の奴隷仲間に話を訊いてみることにした。

 テーブルの直ぐ傍の寝床(ゴザ)で仰向けになってぼーっとしている男に声を掛けてみる。

 

 

「おはよう、気分はどうですか……?」

 

「うっうっうっ……。こんな生活なら死んだ方がマシです……。なんの希望も夢もなく、一生ドレイで終るなんて……。もう死んでしまいたいです……」

 

 

 アベルが声を掛けると、ぼーっとしていた男は上体を起こし、顔を両手で覆って泣き始めてしまった。

 

 

「…………、……もう少し休んで」

 

 

 そう思う気持ち、わからなくもないけど……。

 死んだら駄目だよ……。

 

 

 アベルは男の肩を“ぽん”と優しく叩いて眠るよう促し、別の人に話を訊きに行くことにする。

 

 

「……寝てるのかな? 起きてる……?(この人、足が臭いな……)」

 

 

 別の寝床に横になっている足臭男に声を掛けようかと思ったが、眠っていると悪いので様子を見ながら呟いた。

 

 すると、

 

 

「うわー! すみません! もうさぼりませんから、ムチで打たないでください。むにゃむにゃ……」

 

 

 鞭で打たれている夢を見ているのか男は手足をバタつかせる。

 

 

「っ、くさっ……」

 

 

 アベルは鼻を摘まむと別の人に話を訊くことにした。

 すぐ隣の寝床には、つぶらな瞳の男が今か今かと話し掛けて欲しそうにアベルを見ている。

 

 

「……おはよう」

 

 

 アベルは気乗りしないが、声を掛けてみた。

 

 

「こりゃ、アベルアニキ、どうもおはようございます。何でもアニキは子供の時連れて来られて、ドレイとして十年も働かされているとか。随分苦労なさったんですねえ。うっうっ……」

 

 

 アベルが挨拶すると、つぶらな瞳の男の目からぽろぽろと大粒の涙が零れ落ちていく。

 アベルよりも一回りは歳が上に見える男はアベルを誰かと重ねているのか、こうして何度も同じことを話し、その度に涙を流すのだ。

 

 

「そ、その話は前にもしたじゃないか……。僕の為に泣かなくてもいいって言ったのに」

 

 

 アベルより奴隷となった時期が浅いこの男は、何故かアベルをアニキと慕い毎度アベルの為に涙を零すのである。

 知り合いの誰かとアベルを重ねているのか毎度泣かれるので、心優しき人なのだと思うが、アベルはちょっと苦手意識を持っていた。

 

 

 あまり泣かれると惨めな気分になるから泣かないで欲しいんだ。

 ヘンリーだって同じなんだし、僕はもう大丈夫だから。

 

 

 じゃ、じゃあ僕はこれで……と、アベルは男の背後に横たわる老人に話を訊いてみようと近付く。

 

 

「お願いじゃ、起こさないでくれ。ぎりぎりまで眠らせてくれ……」

 

「……ぁ、すみません……」

 

 

 アベルがやって来た気配に気付いたのか、老人が目を閉じたまま断りを入れて来るので、アベルは謝って別に話せる人を探した。

 




奴隷の方々、お風呂入ってませんよね。
オープントイレとか……地獄じゃん……。クサソー。

DQB2で私いつもオープントイレ作ってるw
景色の良い場所にポツンと便器……解放感がたまらんwww
こういうこと書くからまた変態とか書かれるのかな♪

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評価いただけるとモチベ上がりますので、良かったら下さいっ。
感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!
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