ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

いちゃいちゃ……?

では、本編どぞ。



第百二十七話 すりすり

 

「……アリアぁ……」

 

「え……、ぁっ……きゃあっ!!」

 

 

 ドサッ……!!

 

 

 アベルはアリアの上に覆い被さるように床へと倒れてしまう。

 

 

 

 

 ……………………。

 

 

 こういうの、昼間にもあったような……?

 

 

 

 

 

「…………っ…………。ぅぅ……。ま、また……」

 

 

 アリアは涙目で床に押し倒されていた。

 倒れた位置が昼間よりは低かったからか受け身を取ることができ、頭を打つことは無かったのだ、が。

 

 

「……アリア……。アリア、アリア、アリア、アリア、アリア……」

 

 

 アベルは夢見心地にすりすりとアリアの胸元に頬を摺り寄せているではないか。

 

 

「ンッ……アベルさ…………んぅ、そこ、は…………ぁっ…………や、やだぁ……!!(あっ、腕がっ!?)」

 

 

 アリアは身を捩って何とか抜け出そうをするが、いつの間にかアベルに腕を掴まれ逃げられないでいた。

 アベルの顔が自分の胸の上を左右に行ったり来たり。柔い大きな果実が不規則にその形を変えては元に戻るを繰り返していた。

 彼の口から吐き出される熱い吐息も相俟って、感じたことのない感触にアリアの身体は強張り、顔は真っ赤に染まっていく。

 

 

「ウソ……、ゃ……っ…………、…………っく……イヤぁ……アベルさんっ、しっかり……! アベルさんっ!」

 

 

 目を閉じ譫言のように「アリア、アリア……」とアリアの名前を呟くアベルに彼女は必死に声を掛けていた。

 けれども、アベルは酔っぱらっているらしく、正気を取り戻す気配はない。

 アリアは何とか腕を振り解こうと力を込めるが、アベルの手はビクともしなかった。

 

 

「っ、こんな……っ、……ぁっ、くすぐったい…………、っ、ふ……」

 

 

 

 

 アベルは頬擦りするだけで、それ以上何もしては来なかったが腕を放してはくれない為、終にアリアは泣き出してしまった。

 

 

 

 

 ひっくひっく……。

 

 

 

 

 自分に圧し掛かるアベルの重さに逃げられず、アリアは涙を零していた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――しばらくして。

 

 

 

「んん……アリ………………、………………っっ!!!?」

 

 

 アベルはいつの間に眠っていたのか、ハッと我に返り上体を起こす。

 すると、

 

 

「なっ!!??」

 

 

 アベルは目を剥いた……。

 

 

「……ア……さ……の、…………ち……」

 

 

 アベルの身体の下にはアリアが倒れていて、涙を零しながら眠りに就いていたのだった。

 いくら抵抗しても抜けられず、アベルも途中から寝てしまった為、アリアは一日の疲れもあってか諦めて眠ることにしたらしい。

 寝言でアリアが「アベルさんのえっち……ぃやぁ……」と呻いていた。

 

 

「っ……!! ご、ごめんっ!! 僕は何てことを……!!!!」

 

 

 アベルは両手で頭を抱える。

 そして、初めて口にした酒に完全に呑まれてしまった事に気が付き血の気が引いた。

 

 

 アリアの胸に……頬擦りをしてしまった…………。

 

 

 何でっ!?

 何故僕はそんなことを……!!??

 

 

 そう思いつつ、眠るアリアを見下ろす。

 

 眉を顰め涙に濡れた青白い肌に、薄暗い部屋でも輝くような白金の髪。

 唇は少し乾いていたけれど、ぷっくりとしたそれは薄く開いていて誘うようで……。

 修道服に着替えたからか身体の線がはっきりと見え、自然と目が胸元に吸い寄せられてしまう。

 眠っていても膨らみがはっきりとわかるその大きな二つの果実は、両手で掴んでも溢れて手に余ることをアベルは知っている。

 

 

 

 

 ……十六歳のアベルには刺激が強過ぎた。

 

 

 

 

「…………っ、柔らかかった……、じゃなくてっ!!!!」

 

 

 アベルは、ほわわわん……と、雲にでも抱かれたような心地好さを思い出して、自身でノリツッコミを入れる。

 

 

 ああ、ごめんなさい、

 ごめんなさい、ごめんなさい!!

 そしてありがとう(?)

 

 

 アベルは心の中で謝罪しながら、眠ったまま起きないアリアを抱き上げベッドに寝かせた。

 

 

「…………っ、…………ぁぁ……、もう……。……可愛いぃ……」

 

 

 まだほんのりと酒が残っているのか、アリアの寝顔を眺めるとつい口角を上げてしまう。

 そうして彼女の頭をそっと撫でると、アベルは静かに部屋から出て行った。

 

 

「…………、…………か、風に当たってから寝よう……、かな……」

 

 

 アベルは【特別室】を出て真っ直ぐヘンリーの居る客室には戻らず、修道院の外へと向かい、時間を潰してから戻ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 パタン。

 と、客室の扉が閉まる。

 

 アベルが客室に戻ってベッドに横になると、隣で背を向け寝ていたヘンリーが寝返りを打って目蓋を開いた。

 

 

「…………随分遅かったな。何してたんだ?」

 

「な、何……、っていうか……、うん。何かな……」

 

「? 何言ってんだお前……?」

 

「…………っ、もう寝る。おやすみ(明日アリアに謝らないと……)」

 

 

 アベルはヘンリーに背を向け、目を瞑った。

 

 

「あ? ああ、おやすみ。……プッ。変なヤツだなあ……」

 

 

 アリアとうまくやったんかな……?

 

 

 ヘンリーはせっかく親分がお膳立てしてやったんだ、しっかりしろよなと思うのだった。

 

 

 

 

 

「…………っ……(眠れない……!)」

 

 

 目を閉じたものの、アベルの手や顔にはアリアの感触がしっかりと残っていて、今夜は眠れそうになかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――次の日、朝。

 

 

 アベルは昨日の数々の無礼を謝ろうとアリアとの接触を試みるが、アリアは忙しいのか はたまたわざとなのか、顔を合わすことは無かった。

 

 

「ぅぅ…………(ひょっとして避けられてる……?)」

 

 

 食事の時間も合わず窓の外を見れば、アリアが昨日着ていた白シャツと紫のロングスカート姿で草むしりをしているのが見える。

 猫がアリアの前でごろんと横になり撫でろ撫でろせがんでいた。

 

 アベルはその様子をパンを手にしながらぼーっと眺める。

 彼女の頬に土汚れが付いてはいるが、今日のアリアも朝陽に照らされ美しかった。

 

 

「おい、どした? そのパン、要らないならオレがもらうけど?」

 

 

 ぼーっとするアベルにヘンリーがパンを寄こせとせっつく。

 

 

「っ、これは僕のだっ! ヘンリーにはやらないよ!」

 

「アリアの作ったパンだからか?」

 

「…………っ、へ、へ~、そうなんだ。知らなかったな……こんな美味しいなんて……」

 

 

 アベルはわかっている癖にわざとらしく「このパンは最高だ!」とか何とか褒めちぎる。

 

 

「いや、それは本人に言えよ! お前昨日謝ったのか? あの子気にしてないとは思うけど、一言言うくらいはしておいた方がいいんじゃないか?」

 

「ぅ…………。わかってる、わかってるさ! けど……何か、嫌われたみたい……で、……ぁ」

 

 

 カチャリ、と。

 食堂の扉が開く音がする。

 

 

 アベルがヘンリーに伝え終える頃、丁度アリアが食堂に入って来たのだった。

 

 

「ふぅ…………、ぁ」

 

 

 アリアが一仕事終え炊事場で水を入れ飲んでいると、視線を感じたのか振り向きアベルと目が合う。

 すると、

 

 

 プイッ。と、

 

 

 アリアはアベルから瞳を逸らし、水を飲んでさっさと食堂から出て行ってしまった。

 

 

「っ!?(やっぱり避けられてたっ!!)」

 

 

 ずぅぅううううんん……。

 

 

 重い何かが圧し掛かり、アベルは項垂れる。

 

 

「……お前、何したの……?(今、アリア思いっきり顔を背けたよな……?)」

 

「…………はは……。いや、まあ……、そう、だよね……」

 

 

 弁解の余地も与えてもらえないとは……。

 

 

 あれだけの無礼を働いた手前、嫌われて当然かとアベルはアリアの作ったパンを見下ろす。

 これ、もらって行こ……とハンカチに包んだのだった。

 

 

「はあ?」

 

「…………丁度良かったんだ」

 

 

 アベルはぽつりと呟く。

 

 

「何が?」

 

「…………僕、アリアに嫌われたみたいだ」

 

「は?」

 

 

 さっきからヘンリーは首を左右順に傾げ、アベルの言葉に耳を傾けていた。

 

 

「……本当は、ちゃんとお別れして行きたかったけど……しょうがないよな」

 

「……だから、お前何したんだってば……」

 

「……パンおかわりください」

 

 

 アベルはイモシスにパンの入った籠を取ってもらってアリアの作ったパンをニ、三個手にして頬張った。

 

 

 おいひぃ、おいひぃ……!

 

 

 アベルの口の中の水分がどんどん奪われていく。

 彼の瞳はちょっぴり涙目のような気がした。

 

 そんなアベルの様子に「おい、アベル!?」とヘンリーが何度も訊ねてはみたが、アベルは答えなかった。

 




R15ってどこまで書いていいの?
悩むぅ。

とりあえず、お触りまではオケよね。
露出なければオケなのか、ゴリゴリ書かなければオケなのか……。

ぱふぱふまではいいですよね。……ですよねっw
外伝(多分R18)書くの楽しみ~♪

サラッと流していきますね~。

ていうか、アベル重くてアリア潰れてんじゃないのか? というツッコミはポイですポイッ。


さて、そろそろ旅に出ますか。

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評価いただけるとモチベ上がりますので、良かったら下さいっ。
感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!

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