ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

本日の宿の予約を済ませてカジノに行きましょう。

では、本編どぞ。



第百三十六話 カジノに行こうぜ!

 

 オラクル屋が営業していないことを知り、二人は夜に再び訊ねることにし元来た道を歩く。

 

 そうして町の入口付近まで戻って来たのだった。

 これで町を大体一周し終えた。

 

 

「お、アベル、宿屋だってよ。今夜の宿でも予約しておくかい?」

 

「あ、そうだね。そうしておこうか」

 

 

 宿屋の看板を見掛け、二人は中へ。

 

 

「オレが部屋を取っておいてやるから、お前はその辺で待っててくれ」

 

 

 宿屋に入るとヘンリーがカウンタ―へと向かい、宿の主人と話し始めた。

 アベルは宿の予約はヘンリーに任せて、ロビーの椅子に腰掛ける。

 

 

「ふぅ……」

 

 

 ずっと歩き通しで少し疲れたかな……。

 とはいえ、僕はいつも歩いてばかりいる気がするけれど……。

 

 

 アベルは手を組み合わせ目の前の大きなテーブルに置いて一息吐くと、テーブルに置かれた色とりどりの果物を何とはなしに眺めていた。

 

 するとテーブルを挟んで斜め向かいに座る男が話し掛けて来る。

 

 

「この町のオラクル屋知ってますか?」

 

「あ、いえ……(まだ行ってないからわからないな……)」

 

「なんだ知らないの? この町の一番西の奥にある変な店ですよ」

 

「あ、ああ……、さっき……」

 

 

 アベルは“さっき行ったけど、昼間はやってみたいで……”と言おうとしたのだが、

 

 

「アベル! 予約取れたぜ!」

 

「あ、もう? 早いな」

 

「へへっ! オレは戦闘ではお前に劣るけどこういうのは早いんだぜ?」

 

 

 ヘンリーが戻って来たので男との会話はそれきりになってしまった。

 

 

「部屋に荷物運んでおいていいってさ。部屋は二階だ、二階に重いやつは置いて行こうぜ!」

 

 

 ヘンリーに促され、アベルは二階へと向かう。

 

 

 

 

 

「……アリアは今夜どうするんだろうな? まさか夜中に修道院に帰るとは思えないし……」

 

「ん……? あ、そうだね。宿屋に泊るのかな……、夜になったら満室になってるかもしれないな」

 

 

 ヘンリーが先導し、階段を上りながらアベルに顔だけ向けて話す。

 

 

「そしたら、一緒に泊めてやればいいか」

 

「えっ!!??」

 

「ん? 何かマズイこと言ったか?」

 

「あっ、い、いや……。そうじゃないけど……(一緒の……部屋で……???)」

 

 

 アベルの胸がどきどきと高鳴る。

 

 

 同じ屋根の下……、は、修道院もそうだったっけ……。

 けど、同じ部屋って!!??

 

 いや、昔一緒に寝てたけどもっ!!

 今の彼女と一緒に寝るなんて……………………、絶対無理だ……っ!!

 

 僕はもう、大人なんだよっ!!??

 

 

 何を想像したのか、アベルの頬が真っ赤に染まった。

 

 

「…………あ、やーらしー……」

 

 

 ヘンリーがジト目でアベルを見下ろす。

 

 

「っっ!!?? な、何っ!? 僕は何も考えてないけどっ!?」

 

「ヘー? ほ~ん? ちなみに一緒に泊るとしたらピエールも一緒だからベッドは分かれるぞ。手なんか出してみろ、一発で嫌われるからな」

 

「っ……手を出すって……何……。僕はそんな……」

 

「…………はいはい。とりあえず荷物置こうぜ」

 

 

 ヘンリーは階段を上がってすぐ手前の扉を開けた。

 そこには先客がおり、急に部屋に入って来たアベルとヘンリーに気付くと声を掛けて来る。

 アベルとヘンリーは咄嗟に“部屋を間違えた!”と悟った。

 

 

「私は旅の行商人。あなたも旅の途中ですかな。私は北西からやって来たのですが通りすがりに酷く寂びれた村を見ましたなあ。あんな所にも人が住んでるのかとびっくりしましたよ」

 

 

 旅の商人は部屋間違いしたアベルとヘンリーを責めることもなく、旅先で見た光景を話してくれた。

 

 

「……北西の寂びれた村……?」

 

 

 アベルは旅の商人の話に何故か心を惹かれ、気に留める。

 そういえば、修道院を出てから地図を見る前にアリア達と合流したためか、地図を見ていなかった。

 

 

 寂びれた村……か。

 後で、確認してみよう……。

 

 

 その後、二人は隣の空き部屋に重い物は置いて宿を出る。

 

 

 

 

 

 

「さて、と。カジノの前まで来てみたが……どうする?」

 

 

 宿屋を出たアベルとヘンリーはカジノの前まで来ていた。

 まだ昼間なので中へ入ってもピエールには会えないかもしれない。

 

 

「……とりあえず、行ってみようか」

 

「そうこなくちゃ! オレ、ちょっと興味あったんだよなぁ」

 

 

 アベルとヘンリーはカジノに入ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 カジノに入るなりヘンリーが声を上げる。

 

 

「うは~っ! これがカジノってやつか? すごいな舞台まであるぜ。何だか明るすぎて目がチカチカして来たよ」

 

 

 カジノ内は広く、遠くを見渡すとヘンリーの言ったように正面に舞台が見えた。

 天井を見上げればキラキラとした照明が煌々と輝き、左側には闘技場、右側にはスロットマシン群がある。

 

 と、カジノ内部の奥を見ていると、目の前に細身金髪、若くて可愛らしい顔をしたバニーガールが目を細め、アベル達に寄って来たのだった。

 

 

「っ、ば、バニーちゃん……!? お、おい、ここにもバニーちゃんだぞ!(どうなってんだ!?)」

 

「っ、う、うん……!」

 

 

 ヘンリーが頬を染めて肘でアベルを突くと、アベルも頷く。

 アベルの頬も赤く色付いていた。

 

 

 大人の世界だな……。

 僕ら、場違いなんじゃ……?

 

 

 そんなことを考えていたらヘンリーもそう思っていたようで、

 

 

「なあアベル。オレ達なんかがここにいるのは、酷く場違いな気がしないか?」

 

 

 アベルの身体を肘でツンツンと突ついてくる。

 

 

「…………っ、…………いやっ、僕達はもう、お、大人だしっ! 自由の身で……!」

 

「そうか……、そうだな。オレ達はもう自由の身なんだ。カジノで遊ぶのも自由だよな!」

 

 

 アベルは自分達に向かって来るバニーガールから目が逸らせず固まってしまった。

 

 

「ようこそカジノへ! ここはコインを使って楽しめる大人の遊び場。そこのキャッシャーでコインを買って下さいね」

 

 

 バニーガールは優しい笑顔をアベルとヘンリーに向け、キャッシャーを教えてくれる。

 

 

「お、おい、アベル。どうするんだ? オレは少しくらいなら遊んで行ったっていいんだぜ?」

 

「ど、どうするって……。とりあえず中を見て回ろうよ……遊ぶのはそれからでも遅くはないよ」

 

 

 ヘンリーがバニーガールに誘導されるままにキャッシャーに行こうとするので、アベルはこっちだよとヘンリーの腕を引っ張った。

 

 

「っ、何だよぉっ! あのお姉さんが必勝法を教えてくれるって言ってたのに!」

 

「アリアが居るかもしれないから、捜してみようよ」

 

「チッ、しょうがないなあ……」

 

 

 アベルに誘われヘンリーは渋々同意すると、カジノ内を歩き始める。

 

 

 

「今日はどうもついてないわねえ……」

 

 

 入口側から奥に向かって、1コインスロット、10コインスロット、100コインスロットと並ぶスロットマシン群の側を通ると、どこぞのおばさんが眉間に皺を寄せ何やらぶつぶつ言っていた。

 

 

「スロットマシンか。後でやってみようぜ!」

 

「……後でね」

 

 

 ヘンリーが興味あり気に10コインスロットをまじまじと眺めるので、アベルはヘンリーの肩を叩いて頭を左右に振った。

 

 

「アリアは……、…………。ヘンリーあっちにバーがあるみたいだ」

 

「ん? おう。行ってみるか」

 

 

 アベルは辺りを見渡すが、アリアらしき女性は見当たらず“この辺じゃないのか……”と落胆しつつ、バーへと向かう。

 バーのマスターにアリアを知らないか訊ねてみることにしたのだった。

 




カジノで遊ぶのはまた今度。
とりあえずは情報収集ですかね。

ん~、もうちょいサクサク進めてもいい気もしますな。反省反省。
いや、モブキャラもみーんな愛おしくってね…。

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感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!

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