ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます。はすみくです。

じゅーさんわ。

アルカパ編の始まりです。
レヌール城攻略までちょっと長くなります、すみません。

お付き合いいただけたらウレシイ。

では、本編どうぞ!



少年期【アルカパ】
第十三話 アルカパ -ビアンカと散策-


 

「お待たせ!」

 

「おお、もういいのか?」

 

「うんっ!」

 

 

 階段からアベルが下りて来るとパパスは席を立ち、玄関扉へと向かう。

 おかみさんとビアンカも準備は完了しているので、パパスに続いて席を立った。

 

 

「では行くか」

 

「うん!」

 

 

 パパスが玄関扉を開け放ち、アベルはパパスの後ろについてその後ろにおかみさんとビアンカが続き、一行は家を出る。

 

 

「だんな様、どうかお気を付けていってらっしゃいませ! 坊ちゃんもくれぐれもお気を付けて!」

 

 

 サンチョが家の外まで出て、見送ってくれた。

 

 

「坊ちゃんよろしくね」

 

「うん、おばさん。任せて! 僕強いから安心していいよ?」

 

「まぁ、頼もしいねぇ……」

 

 

 パパスの後ろを歩きながら、おかみさんに声を掛けられアベルが応えると、おかみさんが優しく笑ってくれる。

 

 

「アベル、よろしくね」

 

「うん、よろしく。魔物が現れたら僕たちの後ろに隠れててね。ぱぱーっと倒しちゃうから」

 

「ありがとう」

 

 

 ビアンカにも声を掛けられ、アベルは両腕を広げて安心するように告げた。

 

 

 そして、

 

 

「……アリアもだよ?」

 

『わかってるよ』

 

 

 こっそり、アベルが横を向いて呟くとアリアも頷く。

 

 

「ん? ありあ……?」

 

「あ、…………えへへ……」

 

 

 ビアンカが首を傾げるのでアベルは笑って誤魔化した。

 

 

「…………アベル……?」

 

 

 前を歩くパパスがちらりと後ろを振り向き、アベルの様子を窺う。

 

 

 ……どうしてだろうか、この間からアベルの様子がおかしい気がする。

 そう、あれはビスタの港に着く頃からだったか……?

 

 突然、天使がどうのこうのと言い出したり、地下室を気にしていたり、誰かと話をしているような寝言を言ってみたり、準備してくると言った割に何も持っていなかったり、独り言を言ってみたり……。

 

 

 ……何か悩みでもあるのだろうか。

 

 

 やはり母親がいないから、淋しいのだろうか。

 

 独り言を言ってしまうほど、淋しい?

 それとも父さんに言い出せない悩みが?

 

 父さんに何か出来ないか……?

 

 

 アベル。

 

 

 父さんは。

 

 

 ……父さんはな!

 

 

 小さなお前が何か大きなことに悩んでいるのではないかと心配だ!

 

 

 心配なのだっ!!

 

 

 パパスはアベルが心配で心配で、アルカパに着くまでちらちらと後ろを振り向き、様子を窺っていた。

 

 

「あら、やだ、パパスったら。そんなにあたしを見たって駄目だよぉ。あたしには愛する旦那が……」

 

「っ! やっ、イヤっ、違うのだっ!!」

 

 

 サンタローズの村を出て荒野を歩いていると、後ろを窺うパパスにおかみさんが冗談めかして云うものだから、パパスは慌てて前を向く。

 

 

「あははっ、やだよぉ、パパスったら照れちゃって!」

 

「……っ、本当に違うんだが……」

 

「ははっ、冗談に決まってるだろっ、ほら前見て歩かないと転んでしまうよ?」

 

「おわっ! っと、っと……」

 

 

 おかみさんが注意した途端、パパスは植物の根に躓きバランスを崩すが、すぐさま態勢をを立て直して進んでいく。

 

 

「…………僕は別の人がいいかなぁ……」

 

 

 パパスとおかみさんが歩く後ろで、アベルがぼそっと呟く。

 

 

『……ふふっ、新しいお母さん?』

 

「うん……、アリアみたいな人がいいかな」

 

 

 アベルのすぐ隣を歩くアリアが優しく微笑むと、アベルの目元が緩む。

 

 

『あら、ありがとう。でも私、アベルのお父さんとじゃ歳が離れ過ぎだよ?』

 

「あ……、っ、確かに! ていうか、別にお母さん要らないし……」

 

 

 アリアの言葉にアベルが、今度は瞳を伏せる。

 

 

『アベル……』

 

 

 アリアはアベルの様子に黙り込んでしまった。

 そのすぐ後ろにはビアンカが歩いていて、

 

 

「…………、…………? ……アベル、誰と喋ってるの……?」

 

 

 ビアンカがアベルに小さく呟いていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから二度程魔物の群れに遭遇するが、パパスとアベルが難なく退治し、アルカパにすぐ着いた。

 

 そしてアルカパの町を歩き一行は、ビアンカの家である宿屋へと到着する。

 ダンカンの休んでいる寝室で、おかみさんはサンタローズで手に入れた薬を早速飲ませる。

 

 パパスは見舞いをするらしく、アベルには、

 

 

「もし退屈なら、その辺を散歩してきてもいいぞ」

 

 

 ここで待っていなくていいから遊んでおいでと勧められる。

 目の前では“ゴホン、ゴホン!”とベッドの上でダンカンが酷く咳き込んでいる。

 

 

 でも、このおじさん辛そうだよ……?

 僕にも何か出来ないかな……。

 

 

 アベルは心配で動けずダンカンに視線を移すと、ダンカンと目が合う。

 

 

「うう、ゴホン、ゴホン! ……病気がうつるといけないからあっちへ行っておいで」

 

 

 ダンカンは咳き込みながらも、辛いのに微笑み掛けてくれた。

 

 

『アベル、ここに居ない方がいいんじゃない? 風邪でもうつったら大変だよ……? 子供は体力無いから、熱でも出したらお父さん心配すると思うな……』

 

「っ、でも……(アリアだって子供だよ……?)」

 

 

 アリアが云ってもアベルは躊躇して、その場に留まる。

 

 

『私、ちょっとお散歩に行って来るね』

 

「えっ、あ……っ!」

 

『大丈夫、ちゃんと戻って来るから。せっかく知らない町に来たんだもの、色々見てみたいなーって』

 

「あっ……待っ!」

 

 

 ……アリアはアベルを置いて部屋を出て行ってしまった。

 

 

「よかったらビアンカと遊んでいらっしゃいな」

 

 

 その場を動かないアベルを見かねたおかみさんに声を掛けられ、パパスもダンカンもにこやかに頷く。

 

 

「……う、うん……」

 

 

 大人三人に勧められては断れず、アベルは部屋を出ることにした。

 

 

「お散歩に行くの? わたしも付き合うわ」

 

「あ、うん……(どうせだからアリアを捜しに行こうと思ったけど……)」

 

 

 部屋を出た所でビアンカが声を掛けて来るので、アベルはそのまま二人で散策することに。

 途中でアリアを見つけたところで、ビアンカには見えないだろうから、気にすることもないのである。

 

 

「どこに行くの?」

 

「んー、とりあえず、宿の中探索してもいい?」

 

「ん? 探索? うん、いいよ」

 

 

 ビアンカの了承を得て、アベルは宿の二階を隈なく探索していく。

 次に、三階も同じように注意深く見ていく。

 

 

「……えと、引き出しの中、何か入ってるの……?」

 

「んー……、ない、かな。……何か入ってたら貰ってもいい?」

 

「……うーん、お客さんの忘れ物だと思うから……、別にいいと思うけど……(取りに戻って来たお客さん見たことないし、いいよね……?)」

 

 

 ガサゴソと、アベルは引き出しを開けると、中身を確認していった。

 

 

 すると。

 

 

「あっ、これ、まもりの種だ!」

 

「あっ、よかったね」

 

「えへへっ、うんっ! ……っと、こっちは……、キメラのつばさ!」

 

「すごーい!」

 

 

 アベルが見つけた【まもりの種】と【キメラのつばさ】にビアンカはパチパチと拍手をしてくれる。

 

 

「……へへっ……」

 

 

 アベルは手に入れたアイテムを袋に仕舞うと、照れ臭そうに頭を掻いた。

 

 

 ビアンカに褒められちゃった。

 何か嬉しい……。

 

 こういうこと、前にもあったなぁ……。

 

 

 …………、

 

 

 前にもって…………? …………ん?

 

 

 

 

 アベルは首を傾げる。

 

 

「アベル、どうしたの?」

 

「あっ、うーん……。何だろう……? よく、わかんないや……」

 

「? そう……。この部屋でもう三階は調べるところがないわ。二階もしっかり調べたし、そろそろ外に行きましょうか」

 

「うん、そうだね」

 

 

 ビアンカに促され、アベルは一階へと下りて行った。

 

 

「そういえば、お庭はまだ調べてなかったわね」

 

 

 一階に下りて、出入口までやってくると、ビアンカが出入口とは別の扉を見てそんなことを言い出す。

 

 

「お庭?」

 

「ええ、この宿にはお庭があるのよ。花がいっぱい咲いてて綺麗なんだから」

 

「そうなんだ」

 

「行ってみる?」

 

「うん、もちろん!」

 

「そうこなくちゃね」

 

 

 二人は宿を出る前に、庭に出ることにした。

 




ドラクエプレイ時、子供の頃は何も疑問に思わず、余所のお家のタンスや引き出しを調べていたけど、よくよく考えたらとんでもないことしてるよなぁ……。

一家団欒してるとこに、いきなり鍵開けて入って来て、家探しして去って行くんだもんな……。
しかも昼夜問わず。

その瞬間、住人は見えてない振りをしているのだろうか。
ある意味勇者だと……誰かが言ってたっけ……。

なので、この世界ではそういう文化なんだと思うことにします(思考停止)。
誰でも勝手に調べてヨシ、的な。

へそくりは隠せないな~。

余所ん家の物だから、持っていくかどうか選択できるといいのになぁ。
選択によって手に入れる・入れないでルートが変わったり、熟成されたり(何がよ)するのも面白そうだな~。

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読了お疲れ様でした、そしてお読みいただきありがとうございました!

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