ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

カジノのお仕事は今日でお終いです。

では、本編どぞ。



第百四十四話 カジノ辞めるってよ

 

「え? どうかされたんですか?」

 

「や、いや、別に……、僕の手は取ってくれないのかなって思って……」

 

 

 アベルはアリアから視線を逸らし、差し出した手を引っ込める。

 

 

「…………アベルさんはお母様をお捜しになる旅があるじゃないですか。私などの問題で足止めするわけにはいきません……」

 

「……っ……そんなこと別にいいのに……」

 

「そんなことって……、大変な旅ではありませんか。私、アベルさんが一刻も早くお母様と再会出来ることを祈っています」

 

「アリア…………、……さん」

 

 

 アリアが困っているなら、何か助けてやれないかと思ったアベルだったが断られてしまい俯いてしまった。

 

 

 アリアは間違っていない。

 僕の旅を応援してくれているだけだ……。

 

 けど、何でかな。

 アリアが頼ってくれないことがすごく悲しい……。

 

 

「…………アベル。ピエールと話があるんだろ?」

 

 

 俯き黙り込んだアベルに背後からヘンリーが肩を叩く。

 アベルが顔をヘンリーに向けると気持ちわかるぜ、と頷いてくれた。

 

 

「……っ、そうだった。ピエール、君と話がしたいんだ」

 

 

 アベルはピエールに視線を投げ掛ける。

 その先にアリアがいるが、そちらは見ないようにした。

 

 

「そうですね、私もです。ではアリア嬢、そろそろ上がりましょう」

 

「あっ、はいっ。じゃあレイラさんに言って来ますねっ」

 

 

 ピエールの言葉に、アリアはアベルをチラッと見てからカジノの奥へと走って行く。

 ピエールも「お二方は少々こちらで待っていて下さい」とアリアの後を追った。

 

 アベルとヘンリーに背を向け走りながらアリアは思う。

 

 

 何でさっきからアベルさんは私と視線を合わせてくれないのだろう……?

 やっぱり嫌われちゃったのかな……。

 

 でも、私を庇ってくれた……。

 回復呪文もこっそり掛けてくれた……、……優しい人……。

 

 すっ、少しえっちだけど……。

 

 

 アリアは昨日の数々を思い出し顔が熱くなってしまい、両手で頬を押えながら“レイラさん”を捜した。

 

 

 レイラはアリアの先輩バニーで、先程一緒に100コインスロットマシンで作業していた金髪巻き毛のバニーちゃんである。

 年齢こそアリアよりはいくつか年上だが、アリア同様スタイル抜群で、彼女よりも肉感的なビッグサイズ!(何が)腰の括れと、澄んだ蒼い瞳にキラキラメイクのぽってりとした濡れた赤い唇が男性客を惑わす、艶っぽい色香を放つこのカジノのフロアマネージャーだ(ただし胸にはパッドをいくつか入れて盛っているという噂である)。

 

 アリアの良き先輩で、彼女のファンが多くいるという。

 

 

 と、

 

 

 背後にアベルとヘンリーの視線を感じ、一瞬だけアリアは二人を振り返る。

 すると二人は“パッ”と視線を逸らし、別の場所に視線を移した。

 

 

「……っ……(やっぱり目を合わせてくれない……)」

 

 

 アリアは親切なのに素っ気ない態度のアベルが気になったが、一先ずキョロキョロとカジノ内を見渡しレイラを捜した。

 再び二人に背を向けると、背後にやはりアベルとヘンリーの視線を感じる気がしたのだが、気の所為なのかなとアリアはもう振り返らなかった。

 

 

 舞台の前を通り闘技場の裏辺りまで行くと、アリアが捜していた目当ての女性を見つける。

 

 

「レイラさんっ」

 

「アリアちゃん! 大丈夫だった? 休憩して戻って来たら魔物が現れたって聞いたわ。すぐ駆け付けようと思ったんだけど、ちょっとこっちでも問題が出ちゃって、片付けてから行こうと思ってたの。怪我がないみたいで良かったわ」

 

 

 アリアが帳簿を手にカジノ内を巡回しているレイラに呼び掛けると、レイラは駆け寄って来たのだった。

 

 

「え? あっ、はい。お客様に助けていただきました」

 

「そう、良かったわ……。あなたそのウィッグしてもやっぱり目立っちゃうのね」

 

 

 レイラはアリアを前にふぅと溜息を吐く。

 プラチナブロンドの細く長い髪は目立つからと、黒髪のウィッグをつけることにしたのだが、アリアの透き通る白い肌とほぼノーメイクの自然美に惹かれない客はいないようで、週一出勤にも関わらず男性客がアリアに何かと絡んでいた。

 

 アリアも記憶は無いが社畜魂が身体に染みついているらしく、客が望めば笑顔で、

 

 

『はい、よろこんで~!』

 

 

 と、にこにこ愛想よく接するので、男性客は高嶺の花……最初近寄りがたい美人バニーだと思っていたが、懐っこい愛想のいいカワイコちゃんと気付くや否や、アリアをあっちこっちで指名するようになったのだった。

 相手が誰であれ“お客様は神様です”の精神らしい。

 相手がどんなキモオタでも、強面であろうとも笑顔で接する社畜の鑑!

 

 だから、アリアはカジノに居る間は一日中フロア内を走り回っている。

 修道院内でも雑用ばかりだが、ずっと動き回っているのはここでも変わらないようだ。どこに行っても忙しい娘である。

 

 

「あの、レイラさん、昼間お話したことなんですけど……」

 

 

 アリアは昼間、レイラに今日辞めることを伝えていたのだが、レイラには了承を得ていなかった。

 

 

「……旅に出るのね。あなたともっと一緒に働きたかったけど、あなたにはあなたの人生があるもの。引き留めはしないわ。でも元気でね。あ、お給金はコイン交換所に預けておいたから貰っていってね」

 

 

 昼間には難しい顔をして唸っていたレイラだったが、時間を置いて夜になった今、何故かあっさり了承してくれた。

 

 

「レイラさん……」

 

「あっ、床の清掃費用は半分引いておいたわ、ごめんね! くさった死体の臭い除去結構掛かるのよ。今度スロットマシンの入れ替えもあるし……」

 

 

 レイラは顔の横に親指と人差し指で“お金っ”と円を形作って微笑む。

 魔物を侵入させてしまった落ち度がカジノにもあるから、半額だけ負担してちょってことらしい。

 

 アリアが襲われた事実を知り、またこんなことがあっては困ると判断したのだろう、アリアが辞めた方がカジノとしてマイナスが少ない。

 つまりは損切りなのである。

 

 

「あっ、はい……」

 

 

 アリアはやっぱり弁償させられちゃった……、と思ったがクリーニング費用くらいならまぁいいかとレイラに頭を下げた。

 

 

「今度はお客様としていつでも遊びに来てね」

 

「……はいっ!」

 

「じゃあ、もう上がって。残業代これ以上付けてあげられないわ」

 

「はい! お世話になりました!」

 

 

 レイラに見送られ、アリアはカジノのバックヤードへと向かう。

 

 

「ピエールさん、私着替えて来るのでアベルさんとヘンリーさんと一緒に外で待っていてもらえますか? もう変な方はいらっしゃらないと思うので」

 

 

 バックヤードの前までやって来ると、アリアはピエールに振り向き告げた。

 

 

「了解しました」

 

 

 ピエールと別れアリアはバックヤードへと入って行く。

 そうしてピエールはアベル達の元へと戻ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 アリアがレイラを捜しに走って行った直後のこと――。

 

 アベルとヘンリーはアリアの背を見つめていた。

 ふりふりと白くて丸い尻尾が、魅惑的な可愛いお尻の上部で揺れている。

 

 

「…………イイな(細身なのにお尻とか、太ももとかむっちりしてて……)」

 

「……っ……う、うん……だね(……アリア、おっぱいも大きいんだよな……)」

 

 

 ごくり、と男二人は唾を飲み込む。

 まさか、アリアがバニー姿になるとは思いも寄らず……である。

 

 

「…………ごめんアベル、オレ今夜さアリアをオカズ……」

 

「…………言うな、僕もだよ」

 

 

 …………二人は黙り込んでしまった。

 と、アリアが不意に立ち止まり振り返る。

 

 

「「っ!!?」」

 

 

 二人はアリアの視線に気づいて慌てて彼女から目を逸らした。

 

 

「……ヘンリー……。僕たち、友達にこんな気持ちになるっておかしいよね?」

 

「そっ、それとっ、これとは違うんじゃないかなっ!? 生理的なもんだしっ!!?」

 

 

 アベルとヘンリーはそれぞれ、傍のスロットマシンの面を見て絵柄を指差し確認したり、側面を撫で付けながら話を続ける。

 

 

「…………そうかな?」

 

「……アリアがあんな恰好でいるのが悪いんだろっ。オレ達は至って健康的な若い男なんだ。ムラムラしたってしょうがないだろうが」

 

 

 ヘンリーはちらっとアリアの方を窺うが、アリアはまだこちらを見ているので慌てて視線をスロットマシンに戻す。

 

 

“あ~うんうん、この目が揃えば1000倍か~。難しいなあ~!”

 

 

 とかついでに言っておいた(まだコインを買っていないのでプレイすら出来ない筈なのだがな!)。

 

 

「ムラムラって……そうはっきり言うなよ……。ていうか、ヘンリーがアリアをオカズにするとか何かムカつくんだけど」

 

「は? アリアはお前のもんじゃないだろ? あ、向こうに行ったぞ」

 

 

 アベルが不満気に口を尖らせるので、ヘンリーは眉間に皺を寄せた。

 そして、アリアが奥に走って行ったのが分かると再び彼女を見送る。

 

 

「昨日、君は彼女は僕のものだって言ったじゃないか」

 




思春期の男の子、あるある……?
オカズにしちゃうよねっ!!

ん? 何のオカズかって?
はて? なんやろね……。

16歳……カワイイおサルさんwww

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感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!
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