ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

アリアの衣装チェンジ!

では、本編どぞ。



第百四十六話 その姿はまるで……

 

「あーあ、アリアの求婚者が誰かわかれば、ぶん殴って解決してやんのにな~」

 

 

 ヘンリーが水路を囲う手摺柵に背を預け、空を見上げる。

 ネオンの明るさで星は見えにくかった。

 

 

「……その、……アリア嬢は……、人に迷惑を掛けるのがとても苦手のようでして……」

 

「迷惑なんかじゃないよ? 君だって迷惑だと思ってないからアリアに付き合ってるんだろう?」

 

「それはそうですが……」

 

 

 ピエールとアベルの会話をヘンリーは横で黙って聞いている。

 

 

「……ピエール。君は知らないと思うけど、僕はアリアと昔から知り合いなんだよ。ヘンリーもね」

 

「えっ?」

 

 

 ピエールはアベルとヘンリーを交互に見上げた。

 

 

「そうだぜ」

 

 

 ヘンリーも頷く。

 

 

「……友達が困ってるなら力を貸したい。それだけだよ」

 

「主殿…………。では、…………っ。……ですが……」

 

 

 アベルの言葉にピエールは一瞬明かそうとするも、やはり黙り込んでしまう。

 

 

 ――その時。

 

 

「みなさんお待たせしました! 移動しましょう! ……って、あれ? みなさん怖い顔して……どうかされましたか?」

 

 

 アリアがカジノから出てきたのだった。

 

 この町に来るまで着ていた白シャツと紫のフレアロングスカートではなく、真っ白なチューブトップのフレアミニスカートのワンピースに、旅人が着るような薄青のマントを羽織り、動きやすようなショートブーツを履いていた(ドラクエ3に出て来る女賢者の衣装に似ている)。

 長旅にでも出られるような格好だ。

 髪はウィッグを取ったため、元のプラチナブロンドが風に靡いて、ネオンの灯りに照らされ反射し七色に輝いている。

 

 

「アリア嬢!」

 

「「……ミニスカ……」」

 

 

 アベルとヘンリーはアリアを一目見て、片手で額を抱え俯く。

 

 

 君は、何を着てもカワイイ。

 可愛いけど……、

 

 

「こりゃ捗るな……」

 

「くっ! ヘンリーっ!!」

 

 

 ヘンリーの視線はアリアの剥き出しの白い太腿に注がれていた。

 

 

「捗る? 何がですか? あっ、私まだ宿を取ってないんです。いつも夜遅くなっちゃうので一泊していて。アベルさん達はどうされますか?」

 

 

 アリアは宿屋に行きたいのですが構いませんか、と二人に訊ねる。

 

 

「あ、僕達は昼間に予約を入れておいたんだ。君さえ良ければ一緒にどうかな? それにもう部屋は空いていないと思うよ」

 

「あっ、じゃ、じゃあお願いします。……でも、ベッド足りますか? あそこ確かベッド二つしか無かったと思うんですけど……」

 

「っ、それはっ、ほら、二対二で寝れば……」

 

 

 アリアが心配そうに訊ねると、アベルが提案した。

 

 

 昔みたいに、い、一緒に寝てもいいんだけど……? って、そんなことしたら眠れなくなるか……。

 

 

 アベルは提案したものの、ちょっぴり気まずい。

 いや、かなり気まずい。

 

 ところが、

 

 

「…………えと、じゃあ、私ピエールさんと寝ますねっ」

 

「えっ!?」

 

 

 アリアはあっけらかんとピエールの傍に寄って微笑んだ。

 

 

「わ、私はいつもの様に床で構いませんっ!!」

 

 

 ピエールがビクッと驚き姿勢を正すと、

 

 

「えっ、アンドレさんも!?」

 

「ボクは一緒でもいいよ!」

 

「よかったぁっ! じゃあ、一緒に寝ましょうねっ。アンドレさんひんやりして気持ちいいから大好き!」

 

 

 アリアが目を丸くしてピエールの足元のアンドレに訊ねるので、アンドレは快諾し、それを見たアリアは嬉しそうに破顔した。

 アンドレも嬉しそうに笑っている。

 

 その様子にアベルも釣られて顔を綻ばせた。

 

 

「……スライム好きなのは変わってないんだね」

 

「え?」

 

「あ、ううん。何でもない。アリアさん疲れたでしょ? 宿で先に休んでていいよ、送るから」

 

「あはっ、バレてました? そうなんですよ、一日中ずっと動きっ放しだったから脚がパンパンで……」

 

 

 アリアは下を向いて脹脛(ふくらはぎ)をとんとんと両手拳で叩く。

 不意に前屈みになるので、アベル達はついアリアの胸元に視線を集中させてしまった。

 

 

「…………っ」

 

 

 ごくり、と唾を呑み込むが、暗くて見えそうで見えなかった。

 

 

 チッ。

 

 

 誰ともない小さな舌打ちが聞こえる。

 

 

「…………ん?」

 

 

 アリアは今の音はなんだと顔を上げ、三人の様子を窺った。

 

 

「「「っ……!!」」」

 

 

 三人は一斉に視線をそれぞれ多方向へと泳がせる。

 

 

「ど、どうかしましたか……?」

 

「い、いや……? や、宿屋に行こうっ」

 

「おっ、そうだな!」

 

「ですとも!!」

 

 

 首を傾げるアリアに、男三人(ピエールは性別不明だが便宜上)が同意し、一行は先ずは宿屋へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヘンリーの取った部屋に着くなり、アベルはアリアを奥のベッドまで連れて行き座らせる。

 

 

「ここで先に休んでて。僕はピエールと話があるから、少し外すけど……、すぐ戻るから」

 

「ありがとうございます。……ふぅ……やっと座れました……」

 

 

 アリアはベッドに腰掛けるとほっと一息吐いて手指を絡め前に伸びをした。

 そして欠伸を一つ噛み殺すと、口元に手を当て“人前で欠伸なんて、マザーに怒られちゃいます”と誤魔化すように目の前のアベルを見上げて笑う。

 

 

「……お疲れさま」

 

「……アベルさんも」

 

 

 アベルは自然と上目遣いになったアリアを優しく見下ろしたのだった。

 アリアもにっこりと目を細めてくれる。

 

 

「ヘンリー、何もないとは思うけど、もし何かあっても困るから、君もここに残ってアリアを護ってやってくれないか?」

 

 

 踵を返し、アベルは隣のベッドに腰掛けるヘンリーに告げた。

 

 

「えっ、い、いいのか?」

 

「は? いいって、何が? ……ん?」

 

 

 首を傾げるアベルにヘンリーは立ち上がり、アベルを部屋の扉まで引っ張って行く。

 

 

「っ、……何だい?」

 

「……オレ、残ったら彼女と二人きりになるんだけど……?」

 

 

 ヘンリーがアベルに耳打ちした。

 

 

「っ、だから何だよ、君にはマリアさんが居るだろ? アリアに手を出したらどうなるかわかってるよね?」

 

「…………お前なぁ……それお前が言える立場じゃないんだぞ?」

 

「……知ってる」

 

「まー……、任せておけよ。オレ、こう見えて純情だから♪」

 

「…………、…………、…………信用してるよ」

 

「…………へへっ! じゃーごゆっくりっ」

 

 

 アベルとの話が終わるとヘンリーはベッドに戻ってごろんと横になる。

 

 

「あら、ヘンリーさんもお留守番ですか?」

 

 

 ヘンリーが戻ると疲れてぼーっとしていたアリアが気付いて声を掛けて来た。

 

 

「そっ。オレも疲れちゃってさ。のんびりしてよーかなって」

 

「ふふっ、そうですか。一日お疲れ様でした」

 

「アリアさんもお疲れ!」

 

 

 アリアとヘンリーが楽し気に会話している中、

 

 

「…………、すぐ戻る。行こう、ピエール」

 

「ええ」

 

 

 アベルはヘンリーを羨ましいなと思いながら、傍にいるピエールを伴い部屋を出て、宿屋を後にした。

 




アリアの服装、ちょこちょこ変えたいな。
髪型も。

基本ストレートロングなんだけど、二つにゆるっと結んでも可愛いし、お下げとか、ゆるふわパーマもいいな。
長いと色々出来て便利。

でも実際は手入れがメンディー。

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読んでいただきありがとうございましたっ!

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