ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

一仕事終えたあとのひとっぷろ。
さいこ~!

では、本編どぞ。



第百四十九話 ムフフなバスタイム

 

 馬車を購入し、アベルはピエールと共に宿に戻ることにした。

 

 

「あ、おかえりなさい」

 

 

 宿に戻るとアリアはまだ起きていたのか、ベッドに腰掛け壁に背を預け本を読んでいた(膝には布団を掛けているのでパンツは見えません悪しからず)。

 部屋に戻って来たアベル達に優しく微笑み掛ける。

 

 

「あっ……たっ、ただいま……(何か照れるな……ていうか、いいな……)」

 

 

 おかえりなさいなんて……、サンチョに云ってもらった以来じゃないかな……。

 

 

 アリアの言葉にアベルの胸が温かくなる。

 

 

「只今戻りました。何も変わりはありませんでしたか?」

 

「はい、ヘンリーさんが眠ってしまった以外は特に何も」

 

 

 ピエールがアリアに訊ねると、隣のベッドでヘンリーがイビキを掻きながらぐーすか眠っていた。

 

 

「……寝てる(よく眠れたな……)」

 

 

 アベルは気持ち良さそうに眠るヘンリーに【ラリホー】(物理的)は要らなかったなと、胸を撫で下ろす。

 致し方ないとはいえ、親友を殴り付けるのは心苦しいので助かった。

 

 

「アベルさん、丁度良かった。私今お風呂に入ったばっかりなんです。アベルさんも良かったら入って下さい。お湯を張り替えようかとも思ったんですけど、時間が掛かるので……まだ温かいと思いますよ」

 

 

 アリアはこの部屋の向かいにお風呂がありますよ、と扉を指を差す。

 

 アベルがアリアを見ると、マントを外している彼女の肩は色付いていて、ほんのりと湯気が立っているような気がした。

 そんなつるんとした滑らかな肌にアベルはつい見入ってしまう。

 

 

「…………、……え、あ……じゃあ……」

 

 

 アベルはぼーっと生返事する。

 

 

「私の後で嫌だったら、流しちゃっていいので」

 

「へ? あ、別に気にしな……」

 

 

 アベルは荷物を下ろし、引き出しの上に置いた。

 

 

「……私、今日 汗いっぱい掻いちゃったから……汚れてるかも……」

 

 

 アリアは“やっぱりお湯張り替えした方が良かったですよね……”と頬を赤く染め恥ずかしそうにアベルを見上げる。

 

 

「っっ!!? きっ、気にしないからっ!! すぐ入るっ!!」

 

 

 アベルは踵を返し、部屋の扉を勢いよく開け放ってバスルームに行ってしまった。

 

 

「あっ! アベルさんっ!? タオルはその引き出し……行っちゃった……」

 

 

 アリアはアベルを呼び止めたものの既に扉は閉じており、扉の先で僅かに湯の流れる音が聞こえた。

 

 

「私が渡しておきます。アリア嬢はごゆるりとお寛ぎを」

 

「ありがとうございます、ピエールさん」

 

 

 ピエールは部屋の引き出しからタオルを取り出し、部屋を出て行く。

 

 

 

 

 

 

 ――アベルはというと。

 

 部屋を出てすぐにバスルームへと向かいながら靴を脱ぎ、裸足に。

 バスルームに着くなり、ターバン、マント、服を取り去り、お湯を頭から先ずは一浴び。

 そして、浴槽を見下ろす。

 

 浴槽からはまだ温かな湯気がゆらゆらと揺蕩(たゆた)っている。

 泡風呂にしたのか泡が弾けて随分と少なくなっていた。

 アリアは汚れているかもと云っていたが、汚れている様子は見受けられない。

 

 

「……ア、アリアの……入ったお湯…………」

 

 

 アリアの汗と汚れが染み込んだ……。

 

 

 ――ごくり。

 

 

 唾が飲み込まれ、大きな音を立てる。

 

 

(な、何だろう、心なしか石鹸だけじゃない、いい香りがする気がする……)

 

 

 アベルは恐る恐る湯船に浸かる。

 温かい湯に身体が包まれると、

 

 

「ぁあ~~……、いい~~……」

 

 

 変な声が出た。

 もうこれだけで今日一日の疲れが吹っ飛びそうな気がした。

 

 

「アリアと一緒にお風呂とか……」

 

 

 一緒に入っているわけではないのだが……。

 アベルは天井を見上げ、よからぬ妄想が過って気付けば……、

 

 

「主殿!? ど、どうされたのです!?」

 

 

 突如タオルを手にバスルームに入って来たピエールに驚かれる。

 

 

「えっ? あっ、ピエールっ!!? ど、どうしたんだい!?」

 

「わ、私は主殿にタオルをお持ちしたのですが……、その、鼻から血が……」

 

「へ? あっ! ……っ」

 

 

 アベルが鼻元に手をやり放すと、手には真っ赤な血がべったり。

 アベルは目を見開いた。

 

 

「これをお使い下さい。もう一枚持って参ります!」

 

「っ、悪いね……」

 

 

 アベルはピエールからタオルを貰い、鼻元に当てた。

 

 

「……あまり長湯されませんように」

 

「う、うん……」

 

 

 ピエールが一言残して去って行くと、アベルは鼻を押えながら天井を見上げる。

 

 

「……っ、参ったなぁ……(興奮し過ぎて……鼻血が出ちゃったよ……)」

 

 

 バニー姿があれだけ綺麗だったんだ……、アリアの身体はさぞかし綺麗なんだろうな……。

 

 

 チャプ。

 

 

 ――アリアの……大きなおっぱいと可愛いお尻……。

 

 

 アベルはアリアの裸体を夢想し空いた手で浴槽の縁に肘を掛け、湯を掬う。

 お湯は泡と共に腕を伝い流れていく。

 

 それをアベルは天井から視線を移してただぼーっと眺めていた。

 湯の温さが身体に映ったのか否か、顔が熱い気がする。

 

 

 そんな時、

 

 

「主殿」

 

 

 ピエールがタオルを持って戻って来たのだった。

 

 

「ひぃっ!?」

 

 

 アベルは声を掛けられた拍子に驚き足を滑らせ、浴槽に身体が沈む。

 

 

「主殿っ!!?」

 

 

 ゴポゴボゴボゴボ……。

 バシャバシャ、バシャッ! と浴槽のお湯が跳ねる。

 

 

「がぼっ、ごぼっ! ……はぁっ、はぁっ、……あー驚いた」

 

 

 泡風呂だからか滑りやすく、アベルはやっとのことで元の姿勢に戻ったのだった。

 

 

「だ、大丈夫ですか?」

 

「あぁ、ピエール……君か……」

 

 

 アベルはぐっしょり濡れた頭を上げた。

 浴槽に浸かっていると目線はピエールの方が高い。

 

 

「どうかされましたか? タオルはこちらに置いておきますね」

 

「あ、ああ……ありがとう……」

 

 

 ピエールは驚いたアベルを訝しみつつ、タオルを置いて去って行った。

 

 

「……………………ふぅ……。ぁあ~~……、…………幸せってこういうことを言うんじゃないかなぁ……」

 

 

 アベルは濡れた前髪を掻き上げ、つい顔を綻ばせてしまう。

 その内アベルの鼻歌(何の歌かは不明)が聞こえ、彼は一人バスタイムを満喫したのだった。

 

 

 ……妄想が捗り、長風呂だったことは言うまでもない。

 




長風呂でナニしてたんですかねwww

ところで今更ですが、昼間ヘンリー君がオラクル屋で売ってるかもしれないと言っていた「ムフフなもの」って何なんでしょうか。
気になって夜しか眠れない……w
ヘンリー君、何を買おうとしてたんだろう……。

あっ、アレか!(何だ)

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感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!

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