何がすっきりなんすかね。
では、本編どぞ。
「馬車があれば気軽に休めるし、旅も楽になるな! それになんだっけ、お前魔物を手懐けられるんだろ? 仲間も増やせるってことか!」
――仲間が増えたら益々旅が楽になるじゃん!
ヘンリーが明るく笑うと、アベルも目を細めて口を開く。
「うん、そうだね。まずはピエールから仲間になってもらわないとね」
「だなっ! ピエールが居てくれれば心強いな。あ~、安心したら眠くなってきたよ……ふぁあああ……。オレそろそろ寝るわ。アベルお前と同床とかイヤだけど、今日は我慢するわ」
二人旅だとちょっときついかなと思っていたヘンリーは、明日からピエールも居ると思うと安堵して、広げた地図をアベルに渡すとベッドに潜り込んだ。
「あっ、ヘンリーさんお風呂いいんですか? 私だけ先にいただいて戻ってきたら眠ってらっしゃったからまだなんじゃ……? 今なら空いてると思うんですけど」
「いいのいいの、もうすっきりしてるから」
アリアが訊ねると、ヘンリーがアリアに笑顔で手を振る。
「「ん? すっきり……?」」
アベルとアリアは首を傾げ、目を閉じるヘンリーを見た。
「……えと?」
不思議そうに目を瞬かせ、アリアはヘンリーを見ているのだが、ヘンリーはもう寝息を立て、夢の中へと旅立ったようである。
「すっきりって……、なんだ? 何かあったのかい……?」
「え? あ、私お風呂長かったから……、待ってる間に何かあったのでしょうか……。戻って来た時には気持ち良さそうに眠ってらっしゃって……。ぁ、でもちょっとお顔が赤かったのと、額に汗を掻いてらっしゃったような……」
「え、赤い顔に……汗?」
ヘンリーの様子を訊ねるアベルに、アリアは感じたことをそのまま伝えた。
「はい……、よ、よくわかりませんが私もそろそろ寝ますね」
「あ、うん」
「おやすみなさい」
アリアがベッドに潜り込んで、就寝の挨拶をする。
「お、おやすみ……」
掛け布団で口元まで隠し、自分を真っ直ぐに見て来るアリアをちらっと見てアベルは口角を僅かに上げた。
すると、アリアは目を閉じ、すぐに“すぅすぅ”と寝息が聞こえて来る。
やはり疲れていたのだろうと、アベルはアリアの寝顔をじっと見つめていた。
「……すっきりって……どういうことだ?」
アベルは首を傾げる。
顔が赤……、…………っ!?
まさか……アリアの風呂を覗い……、…………!?
『っ、ヘンリーっ! 何したんだよっ!? しないって言っただろっ!』
掛け布団を勢いよく剥がして横になるヘンリーをアベルは見下ろし、声を小さめにして怒鳴った。
ついでに、脇腹辺りを軽く指で突いても気が付かないので、深く差し込んでみる。
つんつん、からのデュクシである。
「……ぅ……むにゃ……、なんだよ……、しょうがないだろ……。お前だって長風呂だったじゃん」
「ぐっ……。くっ……!」
ヘンリーが忌々しそうに薄っすら目を開けアベルを見上げると、アベルは息を呑んでアリアを窺う。
アリアは穏やかな寝顔でぐっすり眠っているようで、アベルはホッとした。
「……アリアぐっすりだ。無防備だなー……、かぁーいー寝顔……」
ヘンリーが奥のベッド側に寄って横になりながらアリアの寝顔を見つめると目を細める。
と、アベルが口を開いた。
「…………ヘンリー、そっち側は僕が寝る」
「んぁ? ……何だよ、オレだってアリアの寝顔見て寝たい」
「……僕に譲るんじゃなかった?」
「…………ッチ、しゃーねーなあ……」
アベルの言葉にヘンリーはゴロゴロとベッドの上を転がり、場所を譲ったのだった。
そうしてアベルも漸くベッドに身体を横たえる。
「…………綺麗だなぁ……」
ずっと、見ていたいくらいだ……。
目が合うと恥ずかしくてつい目を逸らしてしまうけど、眠ってる間なら見放題だな……。
アベルは掛け布団から目だけ出して、精巧に造られた人形みたいな眠るアリアをここぞとばかりにじーっと見つめ呟いた。
「…………お前さあ……、…………はぁ……まあいいや、程々にな」
ヘンリーは背を向けるアベルに声を掛けるが、反応がないので自分もアベルに背を向け目を閉じる。
……アリアに直談判しようか、とは言ったけど……、よく考えたら今更ラインハットには戻れないよなぁ。
また命狙われるだけだもんな……。
「………………はぁ、寝よ」
今は考えてもしょうがない。そう思いヘンリーは考えるのを止めると、徐々に意識を手放していく。
「……アリア……」
ヘンリーからイビキが聞こえて来る頃、アベルはまだアリアの寝顔を見ていた。
アリアからは“すぅすぅ”と小さな寝息が聞こえている。
明日はアリアをビスタの港まで送っていく予定だが、アベルはどうやって引き留めようかと考え続け、眠れない夜を過ごしたのだった。
……そうして、夜は更けていった。
◇
――次の日の朝。
アベル達はオラクルベリー北の広場へとやって来ていた。
「おじちゃん、なにか用なの? ボクかくれんぼしてて忙しいんだ。また後でね」
「おじさん! 向こうに行っててよ。見つかっちゃうじゃないか」
広場には先客がおり、小さな男の子が二人“かくれんぼ”をしていた。
アベルとヘンリーはそれぞれの子に声を掛け、広場から出るようお願いするが、二人に“おじさん”呼ばわりされてしまう。
「お、おじさんって……、僕まだ十六なんだけど……?」
「お、おじさんかあ……。おじさんかあ……オレ達おじさんなのかあ……。はっ、はははっ……、それだけオレ達も歳を取ったってことかなあ……」
アベルはおじさん呼ばわりにショックを受け息を呑んだ。
ヘンリーも引き攣り笑いを浮かべている。
「ふふっ、十六歳でおじさん呼ばわりはどうかと思いますよ?」
アベルに促され広場の中央にやって来た子供達に、アリアが優しく笑い掛けると、男の子二人の頬が赤く色付いた。
「わぁ……おねえちゃん、綺麗だね……女神様みたいだ……」
男の子の内の一人が、アリアを見上げてぽーっと惚ける。
「本当だ………………えいっ!」
もう一人の男の子もぽーっとアリアを見上げたかと思ったら、悪戯っ子なのか、彼女の背後に回るとマントごとスカートを盛大に捲ったのだった。
「ひゃぁっ!!?」
ハラリと、アリアの白いスカートが捲られると中のショーツがちらりと見える。
「「「っ!!?」」」
アベル、ヘンリー、ピエールの三人は目の前の光景に固まってしまった。
アリアは慌ててスカートを下ろす。
「あっ、白だ!」
「しっ、白って……、っ……も、もぅ……、こういう悪戯はしちゃダメなんですよ……!?」
男の子が白い歯を見せ口角を上げると、アリアは顔を真っ赤にして頬を膨らました。
ちょっぴり涙目である。
そして、アリアは背後にいたアベル達に急に振り返る。
「「「っ!」」」
三人は一斉に視線を逸らしたのだった。
「…………っ……(白……ヒモ……)」
――昔見たパンツより……、えっちだ……。
アリアのパンチラをはっきり見てしまったアベルはまた今夜も捗ってしまいそうだなと、朝から胸の鼓動を逸らせるが彼女に悟られないよう平静を装う。
隣でヘンリーも顔を片手で覆って、耳を赤くしていた。
ピエールに至っては両手で顔を覆って「私は何も見ていません、私は何も見ていません……」と譫言を繰り返していた。
「っ……。お二人共、広場を少しお借りしたいから少しだけ出ていていただけますか?」
アリアはアベル達には何も告げず再び背を向け、子供達に広場から出るようお願いする。
と、
「「うん! いいよ! 白のおねえちゃん!」」
男の子二人は手を繋いで走って広場から出て行った。
「っっ……!! むやみやたらに女性のスカートを捲っちゃダメですよっ!」
「「はーい!!」」
アリアが顔を真っ赤にしながら二人の背に注意すると、男の子達は良い笑顔で手を振って姿を消したのだった。
カワイイおにゃの子にはセクハラを。
いや、セクハラっつーか愛でてるだけなんですけどねー。
ちなアリアのパンツはレースの紐パン(修道院にて自作w)
すみません、こういうのが好きなんで(開き直り)
出来れば隙あらばお触りしたいですw
アリアさん記憶戻ったらどんな反応すんだろうねっ。
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評価いただけるとモチベ上がりますので、良かったら下さいっ。
感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。
読んでいただきありがとうございましたっ!