ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

ピエールさんを仲間にしましょう。

では、本編どぞ。



第百五十五話 勝敗の行方

 

「……ふぅ……。さあ、アベルさん、ピエールさんどうぞ?」

 

「っ……あ、う、うん……。じゃ、じゃあピエール……」

 

 

 子供達が居なくなり、広場にアベル達だけが残るとアリアが広場の端へと移動する。

 ヘンリーも彼女の隣へと歩いて行くと、広場を囲う壁に凭れ掛かる。

 広場中央にはアベルとピエールの二人だけが残った。

 

 ――何をするのかというと。

 

 

「……主殿。主殿は私よりも当然(・・)お強いのでしょうね?」

 

「…………はは、多分ね。()よりは多分強いと思うよ」

 

 

 ピエールとアベルは距離を取り、それぞれ武器を取り出し相対すると構える。

 戦ってピエールを正式に仲間にしようってことらしい。

 

 

「……フフフ。では試してみましょう。そして、私を負かすことが出来なければ私はあなたを主とは認められませんからね」

 

「僕は、また(・・)君を仲間にしてみせる!」

 

「望むところです!」

 

 

 二人は“スゥ”と息を吸い込むと同時に駆け出し、それぞれ攻撃を仕掛ける。

 武器を振り下ろし、アベルの【チェーンクロス】とピエールの【はがねの剣】がぶつかり弾けるが、二人はまた同様に武器を振り下ろした。

 

 

 キィィンンンッ!

 

 

 とか、

 

 

 カキンッ!

 

 

 と金属がかち合うと、火花が散る。

 何度もぶつかり合うその音の合間に、アベルの【バギ】やピエールの【イオ】といった呪文を唱える声も聞こえ……、

 

 

 

 

 

 

「……すごいですね、大丈夫でしょうか……」

 

「…………だな、何かどっちも譲らないって感じだな……」

 

 

 アリアとヘンリーは離れた場所から二人の戦いを見学していたのだった。

 アリアは心配なのか手指を絡め合わせ祈るようにしながら、ハラハラと二人を見守り、ヘンリーは腕組みしながら二人の勝敗を静かに見届ける。

 

 そうして、しばらく見ている内に二人の魔力が尽き、戦いは物理攻撃のみの肉弾戦へと移行していた。

 

 

「はぁ、はぁ……ピエール、君、こんなに強かったっけ……?」

 

「はぁっ、はぁっ……主殿こそ……っ、ぅ……はぁ、はぁ……」

 

 

 アベルとピエールは互いに肩で息をし、武器をかち合わせながら会話する。

 

 既にピエールの身体はアベルの攻撃によってぼろぼろに。アベルの身体もピエールの攻撃によって傷を多く負っていた。

 

 

「……はぁ……はぁ、この強さで……アリアを護ってくれていたんだね……はぁ……」

 

 

 ギチッジジジジジッと【チェーンクロス】と【はがねの剣】が火花を散らしながら擦れていき、アベルが押され気味になると、アベルの喉元に【はがねの剣】が迫る。

 

 

「……はぁっ、はぁっ……。ははは……、彼女は私の唯一ですからね……!」

 

「っ、それは僕の台詞っ!」

 

 

 ピエールの言葉にアベルは急に力を込め【はがねの剣】ごと、ピエールの身体を弾き飛ばした。

 

 

「ぐはっ……!!」

 

 

 ピエールは弾き飛ばされアンドレから落ち、地面に転がされる。

 アベルはそのままゆっくりとピエールに寄って行き、

 

 

「…………はぁっ、はぁっ……。ピエール! もういいだろ? 僕の仲間になれっ!」

 

 

 寝転がるピエールに向かって【チェーンクロス】を向けた。

 

 

「…………はぁ、はぁ……。お、お見事……。我が主、アベル殿」

 

 

 ピエールがアベルを見上げ、ゆっくり身体を起こし跪くとアベルは笑う。

 

 

「……はは……。良かった……、僕実はもう限界だったんだよ……君強過ぎ……」

 

 

 アベルが手を伸ばし、ピエールの前に差し出す。

 そしてピエールはその手を取り立ち上がって、小声でアベルに告げた。

 

 

「……主殿……、私は一生あなたをお支え致しましょう。そして、私の記憶……。あなたが必要な時、必要なご助言を差し上げます。さすれば未来はあなたの思いのままに……」

 

「……頼もしいね、ピエール」

 

 

 心強いピエールの言葉にアベルはホッとしたように目を細めるのだが、

 

 

「……アリア嬢に関しては……協力致し兼ねますがね」

 

「えっ!? けど、昨日っ!」

 

「……私では彼女を引き留められませんから仕方なく……?」

 

 

 ピエールはアベルから手を放してアンドレによじ登ると、アリア達の方へと行ってしまった。

 そして、アリアに回復呪文を掛けてもらっている。

 

 

「……っ、……どういうことだ……?」

 

 

 アベルもよろよろと身体を引き摺り、皆の元へ。

 

 

「アベルさんっ、今、回復呪文を掛けますね」

 

「あ、うん……、ありがとう……」

 

 

 アベルが皆の元へと着く前にアリアが傍にやって来て、アベルの身体に触れると、【ホイミ】より回復量の多い【ベホイミ】を掛けてくれた。

 

 

「……どうですか?」

 

「あ、えと……、うん。もう、治ったみたいだ…………」

 

 

 心臓の音、聞こえたらどうしよう……!!?

 

 

 アリアの手がアベルの胸元辺りに触れているので、アベルは気まずくて視線を逸らしてしまう。

 触れられた箇所が熱くなった気がした。

 

 

「それなら良かったです。でも、どうして急に戦うだなんて……」

 

「うん、それはほら、愛をもって戦うっていうのが大事だからね。魔物達は自分よりも強い者しか尊敬しないから」

 

 

 アベルから手を放し、アリアが訊ねるとアベルはピエールの方へと視線を投げながら話す。

 朝、宿を出る前、アベルとピエールは突然決闘すると言い出しこの広場へとやって来ていたのだった。

 

 

「愛をもって……」

 

「モンスターじいさんが教えてくれたんだよ。何でも……――……――」

 

 

 アベルはアリアにモンスターじいさんから聞いた話を伝える。

 

 

「…………なるほど……」

 

 

 アベルさんの愛は魔物に届くってことかしら……?

 不思議な人……。

 

 

 アリアはモンスターじいさんについて語り出すアベルの話をうんうんと興味深そうに頷き聞いていた。

 相変わらずアベルは殆ど目を合わせてはくれなかったが、時々はちらっと見てくれるので、嫌われてないような気がする……とアリアは安心する。

 

 

「――……それでね……――……」

 

「……はい」

 

 

 アベルが色々と話をしてくれるのでアリアが柔和に眺めていると、ふと目が合う。

 すると、

 

 

「あっ…………、……えっと……、それで…………、えと……」

 

 

 ずっとアリアが自分を見ていることに気付いたアベルが後頭部を掻くと、目を何処ともなく泳がせる。

 言葉も何故かしどろもどろに。

 

 

「はい、……ふふっ」

 

 

 あ。

 もしかしてアベルさん、照れているだけ……でしょうか……?

 

 

 アベルの態度に何となくそんな気がして、アリアはくすくすと笑うのだった。

 それからアベル達は少しばかり休憩してからオラクルベリーを出ることにした。

 




やっぱ拳で解り合うとこあるよねっ!
しまった。またしてもオラクルベリーを出れなかったわ……。

次回こそ出発しやす!

オラクルベリーも長かったー。
って、またカジノ攻略しにオラクルベリーに来るんだけどね……。
楽しい町だよねっ。

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評価いただけるとモチベ上がりますので、良かったら下さいっ。
感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!
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