ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

アリアさんを愛でる回。

では、本編どぞ。



第百六十三話 井戸の中には何がいるの?

 

 ――そういえば、妖精の世界との道も開かなかったな。

 

 十年前、ポワン様はアリアが戻って来た時には道を開くと仰ってた気がするけど……もう道は閉じたままなんだろうか……。

 

 

 と、真面目な顔でそんなことを考えながらでアベルも階段を上って行くと、地上から悪戯な風がふぅ~っと吹いて来る。

 

 

「きゃあっ!」

 

「何っ!!?」

 

 

 アリアの悲鳴にアベルが驚き、咄嗟に上を見上げる。

 すると風に舞い上げられたアリアのスカートとマントが(ひるがえ)り、中身が見えてしまうのだった。

 

 

「……っ……白……ヒモ……」

 

 

 ついアベルは、アリアの可愛いお尻や太ももに釘付けになり、口に出してしまう。

 そのことにハッとして慌てて口元を押さえた。

 

 時、既に遅しで……、

 

 

「っ! アベルさんのえっちっ!」

 

 

 アリアは慌ててマントとスカートを押さえると、ちらりと後ろを見てアベルに告げてから、残りの階段を駆け上がって行った。

 栗鼠(リス)のように赤い頬を膨らませ口をへの字にし、ちょっぴり涙目だった。

 

 

「っ……ごめっ、アリアっ……!」

 

 

 頬が熱くなったアベルは、怒って走り去って行くアリアの背に向け手を伸ばす。

 

 

  ――お、怒り方まで可愛いとか……、アリア、一体君どうなってるんだ……!?

 

 

 そう思ったのはアベルだけではなかった。

 

 

「っ……、何あの怒り方……、めっちゃ可愛いんだけど……。てか、アリア刺激強過ぎんだろ……(“えっち”って、アリアの方がエッチだっつーの……。あんな可愛い尻見せといて……)」

 

 

 アベルの直ぐ後ろに居たヘンリーも目撃していたらしく、アベル同様、アリアのお尻に注視してしまい顔を赤くしていた。

 アリアが居ればオカズに困らない。今夜も捗るな! ……である。

 

 

「っ、ヘンリー、君も見たのか!?」

 

 

 後ろを振り返り、アベルはヘンリーに訊ねる。

 

 

「見たんじゃない、見えたんだよっ!!」

 

「っ、見るなっ! アレは僕のなんだからっ!!」

 

 

 アベルは今更ながらに腕をヘンリーの前に広げ、視界を遮る。

 もう既にそこにアリアはいないのだが。

 

 

「は? 僕のって……、…………、…………ヘンタイ」

 

 

 ヘンリーはアベルにジト目を送った。

 

 

「っ、へ、ヘンタイって……、ひ、酷くないっ!?」

 

 

 アベルとヘンリーは階段を上がりながら話を続ける。

 地上に出るとアリアは近くの井戸を身を乗り出しながら覗いていて、アベルとヘンリーの会話は聞こえていない様子だった。

 

 

「彼女はお前のモノじゃないんだぞ?」

 

「知ってるよ!!」

 

 

 ヘンリーの指摘にアベルは赤い顔のまま返答する。

 

 

「お前、アリアのこと好きじゃないんだろう?」

 

「っ…………、そ、それは…………」

 

 

 ヘンリーが目を細め口を歪ませながら訊いて来るので、ごにょごにょと、アベルは口ごもり両手人差し指を擦り合わせながらくるくると回す。

 

 

「……あぁ、もう本っ当面倒臭い奴だなぁ……。オレもピエールもわかってんだからなっ!」

 

 

 バシンッ!

 

 

 と、ヘンリーの平手がアベルの背を叩き、アベルは背筋を正した。

 

 

「っ…………、っ、もう少し時間をくれ。……っ、せめて、彼女の記憶が戻るまでははっきりさせる訳にはいかないんだ。彼女の記憶が戻ったら……」

 

 

 ――そうしたら、認める。もう、隠せそうにないし……。

 

 

 アベルは今にも井戸に落ちそうなアリアが心配で近付いて行く。

 

 

「っ、アリア、あんまり身を乗り出すと危ないよ?」

 

「……あ、アベルさん。井戸の下に……声が聞こえた気がするんです」

 

 

 背後から話し掛けられ、アリアは下を見下ろしながらチラッとアベルに視線を投げて再び下の様子を窺う。

 何度か似たような目に遭っているからか、アリアは先程の事を気にしていない様子だった。

 

 

「だからって、そんなに身を乗り出したら落ちてしま……、……アリアっ!?」

 

「わわっ!?」

 

 

 アベルの目の前でアリアの身体が井戸へと落ちそうになる。アベルは慌てて彼女を捉まえようと井戸に飛び込んだのだが、

 

 

 ――えっ、ちょ、アリアどこっ!? 上っ!?

 

 

「うわぁああああああっ!!!」

 

 

 アリアを捉まえることなくアベルの叫び声だけが井戸に木霊し、彼の身体は井戸に落ちて行った。

 

 

 

 

 

 

「……ふふっ、なーんて……って、アベルさんっ!!?」

 

 

 アリアは井戸綱をしっかり掴んでいたらしく、落ちかけた身体を器用に元に戻して振り返る。

 ところが、そこにアベルの姿はなかった。

 

 

「今、叫び声が聞こえ……あれ?」

 

 

 アリアは遅れてやって来たヘンリーに首を傾げる。

 

 

「……井戸に落ちてった。アリアさん、今のひょっとしてさっきのお返し……?」

 

「えっ? ウソ……。や、やだっ!! アベルさんっ!?」

 

 

 ヘンリーが井戸を指差し告げると、アリアは慌てて井戸を覗いた。

 下でアベルが手を振っている。

 

 

『おーい!』

 

「っ、アベルさん、ごめんなさいっ! 今私も下りますねっ!」

 

『気を付けて!』

 

 

 アリアは慌てて井戸綱を掴み井戸の枠に足を掛けると、井戸の中へと入って行った。

 

 

「ごめんなさいっ! 私アベルさんを驚かそうと思って……!」

 

 

 アリアは井戸綱を少しずつ伝いながら降りつつ、下にいるアベルに声を掛ける。

 

 

「…………っ、…………いや、こちらこそホント、ごめんねアリア……」

 

 

 ここからだと、君の、ぱ、ぱんつが丸見えなんだ……。

 太もも、も……。

 

 

 ――撫でてみたい……。

 

 

 彼女の白い肌に触れるのを想像し、ごくり、とアベルは小さく咽喉を鳴らす。

 井戸綱の真下で上を見上げ、井戸に落ちて良かったと思ったアベルであった。

 

 

 そんな時、

 

 

 ズズッ……!

 

 

「あっ!(手がっ)」

 

「え?」

 

 

 アリアは手を滑らせたのか……、

 

 

「きゃっ!」

 

 

 小さな悲鳴を上げて井戸を落ちてくる。

 アベルは目を見開いたのだった。

 




アベルさんもちょっと変化があったり……そんな回でした。
お気付きだろうか……って何よってねwww

ぼっ、煩悩めがぁっ!
何かこーあれよ。
本当、可愛いおにゃのこさわさわしたいのよ。

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評価いただけるとモチベ上がりますので、良かったら下さいっ。
感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!
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