ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

アベルさんとパパスさんの秘密の部屋。

では、本編どぞ。



第百七十二話 パパスの秘密の部屋

 

 ――地下三階へと到着すると、先程湖だったフロアの反対側へと出てきたようで、

 

 

「あ! さっきの宝箱じゃん! へえ~、上の床を踏むと水が引く仕掛けになってたんだな。貰って行こうぜ」

 

 

 ヘンリーが先程見つけ、取れなかった宝箱へと走って行った。

 

 ヘンリーの云った通り、上の階の石床は仕掛け床だったらしく、踏みしめた石床の分だけこのフロアの水が引くようになっていたようだ。

 全部踏みしめたので水は枯れて、先程は取れなかった宝箱が取れるようになる。

 アベルもヘンリーに続いた。

 

 

「…………これ、やみのランプだ……」

 

「やみのランプ?」

 

 

 アベルが宝箱を開けると、中には火を灯すと暗闇が辺りに漂い出すという不思議なランプ【やみのランプ】が入っていた。

 

 

「……これを使うと強制的に夜になるんだ。不思議な道具だよね」

 

「へえ……。これまた貴重なモンを見つけちまったな。オレには必要ないからアベルが使ってくれよ」

 

 

 ヘンリーはあまり興味がないのか【やみのランプ】をアベルに譲り、覗いていた宝箱から顔を上げ、腰を捻る。

 

 

「あ、ああ……」

 

「使い道としては……あれか。アリアと夜のデートがしたくなったらいつでも使えるなっ、けどあんまりハメを外すなよ?」

 

「夜のデートって!?」

 

 

 ヘンリーが使い道を提案すると、アベルは目を見開き瞬時に頬を赤く染めた。

 

 何を想像したのだろうか……。

 

 

「……なに想像してんだよ。オラクルベリーみたいな町で夜景を見るに決まってるだろ……お前、やっぱりむっつりだなぁ。わっはっはっ」

 

「ぅ。べ、別に変なこと想像したわけじゃないけどっ!?」

 

 

 ニヤニヤとヘンリーに笑われ、アベルは慌てて【やみのランプ】を【ふくろ】に仕舞うのだった。

 

 

「主殿。あちらに階段がありますよ」

 

「ん? あ、ああ。本当だ……」

 

 

 不意に周辺を見回っていたピエールがやって来て、東側に先程は気付かなかった通路を見つけた。

 その奥には下り階段が見える。

 

 

「ここを下れば地下四階か……。結構奥まで下りてきたんだなあ」

 

 

 ヘンリーは先頭を切って、早速階段を下って行った。

 

 

「だね。…………あ、来た、かも。……っ」

 

 

 アベルも階段を下りながら返答したが、突然立ち止まり額を押える。

 ピリッとした痛みが こめかみに響いた。

 

 

「ん?」

 

 

 ヘンリーはアベルの様子に首を傾げる。

 

 

「ピエール。アレが来たよ。また(・・)ね」

 

「そうですか。それは何よりです」

 

「…………はは。何かこう、あれだよね。もう少し早いタイミングで来てくれると対処もしやすいのにさ。ホント、直前が多いんだよね」

 

 

 父さん……、僕はまた来たよ。

 父さんの残した手紙を受け取りに。

 

 

 ――どうして父さんは居ないのかなぁ……。

 

 

 アベルはぽりぽりと頬を掻き、慣れたとはいえ、ちょっぴり泣きそうになってしまった。

 

 

「ははは……確かに」

 

「……天空の剣かぁ……僕、装備出来ないんだよなぁ……」

 

 

 ピエールが乾いた笑いを浮かべ、頷いてくれる。

 アベルは自分の気持ちをわかってくれる仲間がいるだけでもまだマシかと、これから手に入れるであろう父の残した【天空のつるぎ】を思い浮かべていた。

 

 そんなアベルとピエールの様子に、

 

 

「天空のつるぎ……?」

 

 

 ヘンリーだけは要領を得ない顔で首を傾げていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 地下四階の迷路のような通路を抜け、地下五階――。

 そこが今日の目的地、目指していたパパスの秘密の部屋だった。

 

 

「……ここが……アベルの親父さんの……」

 

 

 部屋に着くなりヘンリーが右側に置かれた本棚やタンス、机に椅子、燭台、ツボ、金床、バケツと今はもう誰も使っていないであろう調度品を調べ、触れていく。

 それらには埃が付いていて、ヘンリーの手の平を黒く汚した。

 

 ヘンリーは汚れた手の平を見下ろし拳を握り締める。

 

 

「…………、あっちに……」

 

 

 アベルはヘンリーをそのままに、奥へと歩き出す。

 

 奥では見慣れない美しい造形の剣が地面に突き立てられていた。

 その隣、右には宝箱が置かれている。

 

 

「っ、オレも行くよ!」

 

 

 ヘンリーもアベルの後を追う。

 

 

「これ、は……? 何か、綺麗な剣だな」

 

「……天空の剣……」

 

 

 吸い寄せられるように【天空のつるぎ】の傍へとアベルは歩み寄り、地面に突き立てられたそれを調べた。

 抜こうとして柄を掴むが、剣は鉛のように重い。

 けれども、もう少し頑張ればなんとか引き出せそうな気がする。

 

 

「っ、ふんっ、ぬうぅっっ!!」

 

 

 アベルは力いっぱい【天空のつるぎ】を引き出した。

 そして、プウッと、少しだけお尻からガスが漏れてしまう。

 

 

「っ、はぁっ、はぁっ……。出たぁ……!(オナラも出た!!)」

 

 

 アベルは【天空のつるぎ】を手に入れた!

 

 

 と、そのまま剣を持ち上げようと試してみる。

 

 

 ……しかし、剣を持つ手にこれ以上力が入らず、身体が鉛のように重くなった。

 手がぷるぷると震える。

 アベルは【天空のつるぎ】を装備できそうにない……。

 

 

「やっぱ装備するのは無理みたいだ」

 

「……だな」

 

 

 アベルは剣を持ち上げるのを諦め、地面に置き後ろを向く。

 すると、後ろに居たヘンリーは鼻を摘まんで頷いた。

 

 

「……主殿、宝箱も開けましょう」

 

 

 ピエールも口元辺りに手を覆って、隣の宝箱を開けるように促す。

 

 

「……ご、ごめん。ちょっと気合入れたら出ちゃって……」

 

 

 臭かったよね! ごめんね!

 

 

 アベルは二人に手を合わせ謝った。

 漏れてはいないはず……と、そっとお尻に手で触れて確認する。

 温かくはないので大丈夫そうだ!

 

 

 ……気を取り直して、アベルは隣の宝箱を開けた。

 

 

 中には封蝋が施された封筒が入っており、宛名に“我が息子、アベルへ”と書かれている。

 封を切って中身を取り出すと、上質な紙に文字が記されていた。

 

 

「……手紙だな……どれどれ?」

 

 

 アベルが宝箱から手紙を取り出すと、ヘンリーが覗き見て来る。

 【パパスの手紙】(パパスが残した最後の手紙)にはこう書かれていた。

 

 

*------------------------------------*

 

 

“アベルよ。お前がこの手紙を読んでいるということは、何らかの理由で私はもうお前の傍にいないのだろう…………――――

 

 (……長いので中略)

 

 ――――……アベルよ! 残りの防具を探し出し勇者を見つけ、そしてわが妻マーサを助け出すのだ。私はお前を信じている。頼んだぞアベル!”

 

 

 

 

 

 

 

 

 “父さんは、いつまでもお前を愛しているぞ! アイラブアベル♥ チャオ♥”

 

 

*------------------------------------*

 

 

「父さん……(恥ずかしい……)」

 

 

 手紙を読み終えると、アベルは羞恥に手紙から一瞬目を逸らす。

 

 

 ――父さん、僕のこと好き過ぎ……。って、こんなこと別世界じゃ読んだことないんだけど!?

 

 

 最後の一文は紙の端に小さく書かれ、ハートマークが付いていた。

 アベルは慌てて小さな一文を指で覆い隠す。

 ヘンリーは手紙をゆっくり読んでいるのか、一文には気付かなかったようだ。

 

 

「伝説の勇者と……、残りの防具か……」

 

 

 途方もない話だけど、僕はきっと見つけ出して見せるよ、父さん。

 この先はわからないけど、また(・・)と感じたんだ。きっと見つかるよね。

 

 いつまで一緒に居てくれるのかはわからないけど、この世界には彼女も居るし……頑張れそうだ。

 

 

 アベルは【パパスの手紙】を折り畳み【ふくろ】に仕舞う。

 

 

「なにやら大変な話になって来たな。伝説の勇者かあ……。うーん」

 

 

 ――まさか伝説の勇者が出て来るとは……。

 

 

 ヘンリーは手紙の内容に眉間に皺を寄せ、腕組みして唸り出してしまった。

 そんなヘンリーと対照的に、アベルは。

 

 

「その内見つかるよ。……きっとね」

 

「お前、悠長だなぁ……。そういう飄々とした所、嫌いじゃないぜ」

 

 

 アベルが笑顔を見せると、ヘンリーは眉をハの字にしつつ“ふっ”と笑った。

 

 

「それにしてもお前の親父さんがこんな手紙を残してたなんて……。ひょっとしたら遠からず自分に何かが起こるような予感があったのかもしれないな。それだけ危険と隣合わせの旅をしてたってことか……」

 

「ああ、そうみたいだ……母さんの力は魔界に通じる……か……。魔族にでも攫われたんだろうか…………っ、ぐっ、魔族……!」

 

 

 アベルは自分で口走った“魔族”という言葉(ワード)に苦々しく奥歯を噛み締める。

 

 

 母さんを攫ったのが魔族なら、絶対に許さない!

 アリアまで呪って……!

 




やみのランプ、天空の剣をゲットしつつ、次回はアルカパへ……行けるか!?(ムリムリィ!)

おちゃめなパパスさんv
どんな顔でハートマーク描いたんですかねwww

パパスさんとここに来れたら良かったのにね。

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評価いただけるとモチベ上がりますので、良かったら下さいっ。
感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!
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