幸運はいつまでも続かない。
では本編どうぞ。
「おい、アベル、場所はわかるのか?」
「大丈夫、昔に来たことがある。階段を下りて真っ直ぐ行けば落とし穴の下に出る」
「そうか、なら良かった。急ごう」
アベル達はアリアの落ちた地点まで急いで向かった。
◇
地下二階へと下りて通路を行くと、
なんとまあ。
アリアは巨大な岩の上に腰掛けていたのだった。
落ちた際に丁度良く大岩の上に落ちたようだ(そんな上手い話があってたまるか、でもあったんだ!)。
「アリアっ!」
アベルが大岩の上のアリアに気付くと走って来るので、アリアは立ち上がってアベルに手を振った。
「アベルさん、ここですっ」
「っ、ヘンリーとブラウンはそこで待機っ!!」
不意にアベルは後ろにいたヘンリーとブラウンを後ろ手に制する。
「何でだよ!?」
「何でもだっ!(アリアのぱんつは僕しか見てはいけない!)」
アリアが立ち上がった拍子にちらっと いつものアレが見えたので、アベルは独り占めするつもりなのだ。
「はぁ? わけわかんね……まあいいよ。魔物も今んとこいないみたいだしな」
不服そうにヘンリーは立ち止まり、ブラウンもいい子で足を止めた。
しょうがないのでヘンリーはいつ魔物が出ても対処出来るよう、周りを警戒し見回す。
その間にアベルは大岩の傍まで駆け付けた。
「アリアっ、どうしてそんな所に……」
――あぁ……鼻血出そう……。触りたい……。
大岩のすぐ下、アベルの位置からはアリアの ぱんつが丸見えである。
そして、むちっとした白い太もも、モモ!!
「っ、落ちたらここで。降りられなくて困ってるんです……、助けていただけませんか?」
アリアがしゃがんでアベルを見下ろすと、アベルは目を閉じ一息吐いてから再び目を開いて腕を広げ笑顔で告げた。
「……………………、…………ふぅ。…………おいで?」
「っ……(おいでって……)」
アリアは息を呑む。
顔が瞬時に真っ赤に染まった。
「大丈夫、絶対受け止めるから」
「っ、私重いですよ?」
「大丈夫、絶対受け止めるから」
「っ、アベルさんの腕が折れてしまうかも しれませんよ?」
「大丈夫、絶対受け止めるから」
アベルは何度も同じ台詞をアリアに伝えるのだが、アリアは戸惑っているのか でもでもだってである。
「でもでもっ」
――アベルさんの胸に飛び込めって……そんなこと恥ずかしくて出来ないっ!!
アリアは恥ずかしさに目蓋をぎゅっと閉じた。
そんな時、アベルの自信たっぷりな声が目を閉じるアリアの耳に届く。
「おいでアリア! 大丈夫だよ!(君の一人や二人、支えられるさ!)」
「……ぁ……」
アリアが恐る恐る目蓋を開くと、アベルはずっと腕を上げたまま待っていてくれたのだった。
力強く、優しい瞳にアリアは射抜かれたように口を開く。
「っ……、はいっ!」
そうしてアリアは大岩を蹴って、アベルの胸に飛び込んだ。
ドサッ!!
アリアの重みがアベルの胸に、腕に一気に圧し掛かる。
「うっ……!!」「アベルさんっ!?」
アリアの勢いが良すぎたのか、アベルはアリアを抱き止めたまま尻餅を搗いてしまった。
「……大丈夫、大丈夫だよ(お尻を打ってちょっと痛いけど……、そんなことより)」
アリアが柔らかいっっ!!
いい匂い!
このままぎゅってしてていいかな!? いいよね!
アベルはアリアをここぞとばかりに思いきり抱きしめる。
「…………っ、……アベルさんっ? 苦し……」
「…………、……すんすん……」
アベルの鼻がひくひくと動いて、アリアの首筋に鼻を埋めた。
その内アリアの耳裏を無意識に嗅ぎだす。
「っ!? ま、またニオイ嗅いで……っ!? やだっ! アベルさん放してくださいっ!」
「…………っ、ヤダ……(くそー……何かムラムラしてきた!)」
アベルは腕の力を緩めない。
「やだっ……って……っ、そんなっ、困ります……(首が
「……って言ったら……? …………、…………なーんて……」
「う…………、アベルさん私の事からかわないで下さい……」
アリアの顔は真っ赤に染まって今にも泣きだしそうに瞳を潤ませていた。
「っ! アリ……っ! 僕はからかってなんて……」
ああ、なんて可愛いんだ!
もう一度抱きしめてもいいかな!?
いいよn……
アベルは衝動的にまた腕を彼女の背に回そうとするのだが、
ドンッ!!
と、突然アリアに突き放される。
「……っ、アベルさんなんてキライですっ!」
「えっ!!?」
アベルは目を丸くし、固まってしまう。
アリアはさっさと立ち上がって、アベルから離れてしまった。
「あ、アリア……?」
「……助けて下さったことは、感謝します。でも、抱きしめるとか……、耳の後ろを嗅ぐとか……っ。私、恥ずかしい……」
アリアは頭を下げてから、両手で顔を覆って俯いてしまった。
耳が真っ赤だった。
「っ、ご、ごめんねっ、む、無意識でつい……」
――めちゃくちゃ好い匂いだったよ!?
アベルも立ち上がって、アリアに近寄るのだが、アリアはアベルの気配に気付いて後退る。
「っ!?(拒絶されたっ!?)」
ズッキーンッ!
と、アベルの胸に痛みが走った。
「あ……アリア……?」
もう一度そっと手を伸ばしてみる。
「近寄らないで下さい……。きらいっ、アベルさんなんてキライですっ」
「うっ!!(そんなぁあああ!!)」
ズガァアアーーンン!!!
アリアからの痛恨の一撃にアベルの目の前が真っ暗になった。
アベルは術者自身を鉄の塊にする【アストロン】を掛けたわけでもないのに固まってしまう。
「…………えーと……、あー……、とにかくアリアさんが無事で良かったよ」
「よかったよかった」
アリアが無事降りれたので、ヘンリーとブラウンがもういいかな、とやって来る。
「あ、ヘンリーさんとブラウンさん」
「アリアさんは アベルに何かされたのかい?」
さっきまでいい雰囲気だったのに何があったんだよ……と、ヘンリーは固まるアベルを放置しておいてアリアに訊ねてみた。
「……っ、いえ、今はその……。でも、前に私の……その、む、胸を揉んだり顔を埋めたり……、スカートの中を覗いたり……」
アリアの言葉に、君のスカートの中は“オレも見てるよ、ごめんな!”とヘンリーは思いつつ……。
「……うわ……、最低だな。って、え、アベルお前、いつの間にそんなことしてたんだ?」
(っ……た、たまたまだよっ、決して僕からしたわけじゃ……)
たまたまラッキーなことが重なっただけなのにっ!!
ただのラッキースケベ!
それだけなんだってばっ!
格好悪いので、はっきりとは言えず固まったままアベルは心で泣いた。
アベルさん、アリアさんのこと……。
でもはっきり言わない人w
ラッキースケベはいつまでも続かないのである。
ここに来て暗雲立ち込める???
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