ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

イカダがないんですよ……。

では、本編どぞ。



第二百十三話 イカダがない!

 

 

 

 

 

 待機所に居た人物達全員に話を訊き終え、アベル達は一階へと戻ることにした。

 一階に下りて、元来た通路を歩いているとアベルが口を開く。

 

 

「あ、教会……!」

 

「え? あ、はい」

 

 

 出入口の近くまでやって来ると奥に教会が見え、アベルはアリアを連れて行った。

 アリアの呪いをここでも解いてもらおうというわけである。

 神父に事情を話し祈りを捧げてもらうが、ここでも完全に解くことは出来なかった。

 

 

「……どう、でしょうか?」

 

 

 糸目神父がアリアに問い掛ける。

 

 

「あ……はい。……えと、よくわかりませんが……、少し楽になったような……?」

 

「ええ、ええ。私の見立てですと、僅かですが呪いが薄まっていると思われます。いつか完全に解けると良いですね」

 

 

 フードを取り去ったアリアが手を組みながら目を開けると、祈りを終えた糸目神父の瞳が穏やかに更に細くなる。

 

 

「良かった……」

 

「はい、アベルさん。ありがとうございます」

 

 

 彼女の隣で様子を見ていたアベルがホッとしたような顔でアリアを見下ろした。

 ……と思ったら。

 

 

 バサッ!!

 

 

「わっ!?」

 

 

 アベルはすぐさまアリアにフードを被せた。

 

 

「アベルさんっ!?」

 

「アリア上向くの禁止! 下向いて!」

 

 

 戸惑うアリアにアベルは辺りをキョロキョロ見回し、兵士が居ないか確認する。

 

 

 ――……兵士は……居ないな、よし!

 

 

「は、はいっ!」

 

 

 アリアは言われた通りに俯いて深く頷いた。

 

 

「……過保護だなぁ~」

 

「……こういうのはちょっと油断すると危険なんだよ。また(・・)じゃないからね。慎重にね!」

 

 

 ヘンリーがアベルって心配性だよなと苦笑いを浮かべたのだが、アベルはヘンリーの様子などお構いなしにアリアの頭をぽんぽんと撫でている。

 

 

また(・・)ってなんだよ……(って、アリアの頭撫でたかっただけか……?)」

 

 

 アリアの頭を撫でるアベルの顔を見ると、幸せそうな顔をしていた。

 

 

(何故アベルさんはさっきから私の頭を撫でるのでしょうか……。恥ずかしい……)

 

 

 顔を上げられない状況で、アリアは俯いたまま黙り込んでいたのだった。

 

 

 と、

 

 

「旅のお方。こういうお話はご存じ?」

 

 

 分厚い本を抱え教会をうろうろしていたシスターがアベル達に話し掛けて来る。

 

 

「え……?」

 

「その昔、巨大な城が天空より落ちて来たそうです。そして、それ以来再び魔物が人を襲うようになったと言われています」

 

 

 これが本当なら恐ろしい話ですわね、とシスターが本を抱える手に力を込めた。

 

 

「あ、ええっと……。そうなんですね……(あれ? 前にもこの話聞いたような……?)」

 

 

 アベルは相槌を打ちながら、何となく昔を思い返してみる。

 

 

「空から城が落ちてきた? ……ってことは、空に城があったのか? う~ん……オレには理解できないぜ」

 

 

 ヘンリーは首を傾げていた。

 

 

「……空の城……。青き天空の彼方……、雲の上……、白銀の翼……舞い……、今は地に墜つる……」

 

 

 アリアはブツブツと何か呟いており、小さな声は切れ切れで一部しか聞こえない。

 

 

「……アリア?」

 

「……あっ! す、すみません……。私……??」

 

 

 アベルが彼女を覗き込むと、アリアは目を丸くしてぱちぱちと瞬かせた。

 瞳の色が一瞬赤かった気がしたが、部屋の灯りの所為だったようだ。

 アベルと目が合うと、いつものアメジストのそれだった。

 

 

「……アリア、何か知ってるのかい?」

 

 

 昔も同じ話を聞いた気がするんだけど……?

 あの時はこんな反応してなかったような……。

 

 

 彼女の反応が気になって、アベルは訊ねてみた。

 

 

「え……? あ、いえ……。何だか怖い話だなって……」

 

「ああ……魔物が? 大丈夫だよ、僕が護ってあげるから」

 

「ぁ……ちが……、ぇと……ありがとうございます……」

 

 

 アリアがもじもじと小さくなると、アベルは満足げにアリアの頭を撫でる。

 

 

 “違うんです……”

 

 

 アリアの小さな呟きはアベルに聞こえることはなかった。

 

 

「ついでだからお祈りをしていくね」

 

「おう、お祈りは大事だからな。しとけしとけ」

 

 

 アベルが神父にお祈りを頼み、冒険の書の記録をしてもらう。

 そうして、アベル達は城の外扉まで戻ったのだった。

 

 

「さて……と。出ようか」

 

 

 アベルが城の外扉に手を掛けると、ヘンリーがアベルのマントを引き留める。

 

 

「おい! このまま引き下がるつもりなのか?」

 

「いや、そういうわけじゃないけど……」

 

「といっても、城の奥に入れなきゃしかたないか……。いや、まてよっ! たしかこの城には外から中に入れる抜け道があったはずだ」

 

 

 ヘンリーは顎に手を当てて思案し出した。

 

 

「抜け道……?」

 

「抜け道の入り口はどこだったっけなあ……。水路が怪しかったよなあ……」

 

 

 アベルが訊ねると、今度は腕組みして「うーん……」と唸りだす。

 思い出そうと必死のようだ。

 

 

「水路……?」

 

「ああ、水路に行ったら何か思い出すかもしれない。行ってみようぜ」

 

「……わかった」

 

 

 アベル達はヘンリーに云われるまま、城の外に出て水路を調べることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 城から出ると、城の周りを一周してみる。

 途中で裏口の扉を見つけ、アベルが【鍵の技法】で開くかどうか確かめてみたが開かなかった。

 

 

「……ちぇ。ここの扉が開いていれば中に入れたのに閉まってら。あんまり人が来る場所じゃないし、叩いても無駄だな」

 

 

 ヘンリーが裏口の扉を拳で“ドンッ!”と叩く。

 十年前、ここの扉が開いて賊達にヘンリーとアリアが(さら)われた。

 

 

「そこの階段下から水路に出れそうですけど……」

 

「イカダがあればな」

 

 

 アリアが裏口側の水路に至る階段を指差すと、ヘンリーが見下ろす。

 階段を下りて、イカダがあれば水路を行くことが出来るのだが。

 

 

 

 

 ……イカダなどどこにも見当たらなかった。

 

 

 

 

「……なんと! イカダが、ない……っ!? そんなまさかっ!!」

 

 

 

 

 突如ピエールが大きな声を発し、階段を下りて行く。

 

 

「ピエールさん!?」

 

「ピエールどうしたんだ!?」

 

 

 いつも冷静なピエールの焦ったような声に、アリアとアベルが彼の名を呼んだ。

 階段下で、ピエールが頭を抱えて左右に振っている。

 

 

「ピエールの奴、急にどうしちまったんだ??」

 

 

 ヘンリーもピエールの不可解な行動に首を傾げていた。

 

 

「……僕がどうしたのか訊いて来る。ヘンリーとアリアはここで待っててくれ」

 

「え? あ、おう……」

 

「はい……」

 

 

 アベルはヘンリーとアリアをその場に残し、階段を下りて行った……。

 

 




イカダあるはずなのにね!
無いんですよ。フラグが立ってないからw

そんなわけでまたしても脱線しまーす!
すんなり攻略しなくてスミマセン。

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評価いただけるとモチベ上がりますので、良かったら下さいっ。
感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!
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