コドランは普通の個体よりやや小さめ。
そんなコドランのぬいぐるみが欲しい。
では、本編どぞー。
「あら、私でいいの?」
「グルルン♪」
アリアが確認の為に訊ねると、コドランは頬を摺り寄せる。
「……ふふっ、可愛い……。……わかりました。では……、アベルさん」
「……アリアがお母さん、僕はお父さん……。うん、いいなぁ……」
アベルは夢想中で、アリアに声を掛けられたことに気付いていなかった。
その顔は幸福に満ちている。
「……えと……アベルさん……?(聞こえなかったのかしら……? こんな近い距離で……?)」
「……ハッ! あっ、な、何……?」
アリアが首を傾げ、もう一度声を掛けてから窺うと、アベルはやっと気付いて頭の後ろを掻いたのだった。
――っ、僕さっきの口に出てなかったよね……!?
アベルは「ははは……」と乾いた笑いを浮かべる。
「ラインハットに着くまで、私とコドランさんは馬車に乗っていてもいいですか? あっ、でも、私がいないと呪文攻撃の戦力が減っちゃいますけど……」
「えっ!? あっ、うん、いいよ! アリアがそうしたいなら僕は全然っ! 呪文攻撃力が減るのは痛いけど、ラインハットまでもう少しだし、何とかなるよ。ゆっくりしてて」
アリアの提案にアベルは二つ返事でOKを出す。
「ありがとうございます、アベルさん。ラインハットに着くまでにコドランさんを説得してみますね」
「そうしてもらえると助かるよ。コドラン、アリアの言うことをちゃんと聞くんだよ?」
「グルルル!」
アベルが言い聞かせると、コドランは深く頷いた。
「ふふっ、アベルさんすごい! ちゃんと伝わってるみたい。さ、コドランさん、先に乗って下さい。私も乗りますから」
アリアはコドランをキャビンの前に連れて行く。
と、コドランはパタパタパタと大人しくキャビンの中へと乗り込んだと思ったら、アリアが乗るのを待つように首を出していた。
「ではアベルさん、申し訳ありませんが、私も乗り込みます」
アリアはキャビンの乗り口に手を掛ける。
「あっ、アリア、上がれる? 手を貸そうか?」
「いえっ、これくらいなら大丈夫です! ……よいしょっ……と……わっ!?(うそっ! コドランさん、ダメッ!)」
アベルの目の前でアリアの足が地面を離れ、乗り口の縁に足を引っ掛けようとしたものの、数センチ足りずに足を滑らせてしまった。
不運なことにアリアが乗り込もうとしたタイミングで、先に乗り込んだコドランが喜んで飛び掛かって来たため、アリアの手も滑って身体が背中から後ろに倒れていく。
「アリアっ!」
驚きの声と同時にアベルはアリアに両腕を差し出し、倒れて来たアリアをキャッチしたのだった。
「っ……ぁ……。アベルさん……ごめんなさい……。私、びっくりして手を放しちゃって……」
アリアはアベルの腕に支えられ、彼を見上げながら瞳を瞬かせる。
「っ、セーフ……(間に合って良かった~!)。アリア、手を放しちゃダメだよ……。あのまま倒れてたら頭打ってたよ!?」
アベルはアリアを抱えながら珍しく語気を強めた。
眉間に
「ご、ごめんなさい……」
「はぁ……君に怪我がなくてよかった……(ったく、目が離せないんだから……)」
アベルはアリアの身体を起こしてやると、胸を撫で下ろした。
「……ありがとうございました……」
――アベルさんいつも私のこと助けて下さるのね……。やっぱり優しい方……。
アリアはアベルを上目遣いでちらちらと様子を窺う。
「……ん? 僕が台になるから、アリアは僕を踏みつけて乗り込むといいよ」
「えっ、そんな……、申し訳ないです……!」
「じゃあ、お尻を押し上げようか……? っ、僕はどっちでもいいけど……」
アベルは自分の手元を見下ろして、手指をわきわきと動かした。
「ひぅっ!?(お尻をっ!?)」
アベルの提案にアリアは目を見開いて、身構える。
「あっ! ごめっ、違っ、僕は
「っ……、…………、…………本当ですか?」
「…………ええと……」
アリアにじぃっと見つめられ、アベルは気まずくなる。
彼女には嘘を吐けそうにないので、また余計なことを言う前にアベルは黙って地面に四つん這いになった。
「……気を付けて上ってね……!」
踏まれるのもまた良しだっ!! とアベルはアリアが乗っかって来るのを待つ。
「…………、…………、……ふふっ! アベルさんたら……。それじゃ、失礼します……(靴脱いだ方がいいですよね……)」
アリアはブーツを脱いで、アベルの背中に足をのせると今度は無事キャビンに乗り込んだのだった。
「…………はい、ブーツ……(あぁ~……、背中が至福だったぁ~!!)」
一瞬の出来事ではあったが、アリアに背中を踏んでもらい、至福の瞬間を味わったアベルは顔に出さないよう、ニヤけそうになる口元を手で押えながら彼女が脱いだブーツを渡してやる。
「ありがとうございます」
アリアはキャビンから顔を出して、嫣然たる様子でアベルを見下ろした。
「っ、どういたしまして! いつでも僕が台になるから必要なら言ってね!」
「えっ……そ、それはさすがに申し訳ないです……(それに恥ずかしい……)。少し乗り口が高いですが、台が無くても練習すれば多分乗れると思うので……」
勢いで告げたアベルの言葉に、アリアの頬は薄紅色に染まってしまう。
「……っ、あっ、うん、えと……練習すればいいよね!」
「……はい……。でも、疲れている時は上れないと思うので……、その時はお願い出来ますか?」
「……っ、もちろんっ!! 疲れたらすぐ馬車で休んでていいからね!」
「アベルさん……。ふふっ、ありがとうございます!」
アリアの話に合わせアベルが気遣うと、彼女が嬉しそうに破顔する。
それに応えるように、アベルも微笑んでいた。
二人は何だかとてもいい雰囲気である。
そんな二人のやり取りを少し離れた場所からヘンリーとピエールが見ていた。
「…………、……あの二人、結婚すんのか?」
――何だかんだ、いい雰囲気じゃん……?
ヘンリーはアベルが幸せそうに微笑む姿に悔しさ半分、喜び半分の複雑な気持ちで見つめ呟く。
ところが、それを聞いたピエールはというと。
「結婚……? …………わっはっはっ! それはないですよ!」
「え?」
ピエールは一言残しアベルの元へと向かうと、アリアの代わりに誰を入れるか相談を持ち掛けていた。
ヘンリーは はっきりとしたピエールの否定に目を瞬かせる。
「……なんで……? あの二人、すげー仲良さそうじゃん……?」
アベル、アリア、ピエールが楽しそうに話す様子にヘンリーは首を傾げながら近付いて行った。
◇
ヘンリーが馬車にやって来たタイミングでマッシュがキャビンから顔を出している。
アリアの代打はマッシュになったようだ。
「はぁぁ……(ここはワイが一肌脱いだろ……。嬢ちゃんワイの可愛い子ども達を頼んだでぇ……。まぁ、勝手に育つさかい、何もせんでもええんやけどな……)」
マッシュはアリアに流し目を送り、キャビンの中のキノコが生え始めた原木をチラ見する。
「…………任せて下さい! あの子達は立派に育ててみせます!」
アリアは深く頷き、サムズアップしたのだった。
マッシュもサムズアップして、馬車から飛び降りる。
「……とは言ったけど……、どうすればいいのでしょうか……。様子を見ていればいいのかしら……。歌を歌ってみる……? ……無責任なこと言っちゃったかな……」
アリアの小さな呟きが僅かに漏れ聞こえると、
「……………………、……ププッ(歌ってなに!? キノコに歌うの!?)」
ラインハットまでもうすぐだから気にしなくていいのに……!
歌を歌うなら僕に歌って聞かせてよ……!
アベルはアリアにわからないよう、こっそり笑ったのだった。
視界の先、遠くにラインハットの城が見えている。
ラインハットは目と鼻の先……。
アベル、多分ブーツの匂い嗅ぐのも忘れてない筈。ヘンタイかwww
アリアの足臭くても喜んで嗅ぎそう。ヘンタイかwww
前書きでも書きましたが、メラリザード・ベビーニュート・ドラゴンキッズの三色ぬいぐるみ(小さめ)があったら欲しい……。
赤・青・黄で、色味も好いですよね~♪
ドラゴン好きな私としてはドラゴンキッズは是非仲間に入れておかねばって所です。
小説内で仲魔コンプ出来るかは知らんけど、今後も出入り激しくなりそうです。
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評価いただけるとモチベ上がりますので、良かったら下さいっ。
感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。
読んでいただきありがとうございましたっ!