ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

イカダがありましたよ、っと。

では、本編どぞー。




第二百二十二話 城内への抜け道

 

「お! イカダがあるぜ!」

 

 

 アベル達はもう一度城の裏口にやって来てみる。

 水路へと続く階段を下りて行くと、前回来た時には無かったイカダが浮いていた。

 誰かが使っていて戻って来たのだろう。

 

 

「……フゥ。これで先へ進めますね……!」

 

 

 ピエールが安堵の溜息を漏らした。

 

 

「…………なるほど」

 

 

 アベルはピエールの態度に“理解した!”と頷く。

 四人はイカダに乗り込んだのだった。

 

 

「主殿、南下してみましょう」

 

「わかった」

 

 

 イカダは水路を南下して行く。

 

 と、

 

 

「抜け道ってふだん使わないから どこだったか忘れちまったよ。昼間は見えにくい場所にあったような気がするんだけどな」

 

 

 ヘンリーが水路の前方を見ながら呟いた。

 

 

「なら、とりあえず一周してみようか」

 

 

 アベルはイカダを操り、水路を行く。

 

 

「……フフフ(何たる優越感!! そう、水路を一周などせずとも この先に抜け道があるのですよっ!!)」

 

 

 私の記憶が正しければ……の話ですがね! と、不意にピエールが嗤った。

 

 

「ピエールさん、どうしたんですか?」

 

「あっ、い、いえ……。アリア嬢、水路に落ちないよう、私に掴まって下さい。アンドレ、しっかりイカダにくっついているのだよ」

 

 

 アリアが不思議そうな顔で訊ねて来るので、ピエールは自分に掴まるよう手を差し出した。

 アンドレからは「あいよ~!」と元気な返事が聞こえる。

 アンドレの身体はイカダにしっかり密着しているようで、ちょっとやそっとの揺れでは動じないようだ。

 

 

「ありがとうございます」

 

 

 アリアはピエールに差し出された手を掴んだ。

 

 

「…………っ、…………ぃぃなぁ……(ていうか、僕そんな乱暴に操縦しないから掴まらなくたっていいのに……!)」

 

 

 アベルは羨ましそうにピエールとアリアを眺める。

 しかし、その目線は鋭く、据わっていた。

 

 

「…………はは……」

 

 

 アベル達は楽しそうでいいよなー……。

 オレも早いとこ、ここでの問題を解決して楽しく旅したいもんだぜ……。

 

 

 アベル達の様子をヘンリーが乾いた笑いを浮かべて思い見ていた。

 

 

 そうして水路を南下し、突き当りを今度は西に進んで行く。

 城の入口の丁度真下に差し掛かった時……――。

 

 

「ヘンリー! もしかして抜け道ってここのことかい?」

 

 

 アベルが櫂を止めてヘンリーに問い掛ける。

 城に続く橋の下に隠れた入口が、アベル達の前に大きな口を開けて待っていたのだった。

 

 

「あっ! そうだよ! ここ! ここだよ!!」

 

 

 この先に抜け道があるんだ! とヘンリーは思い出したように指で差し示す。

 

 

「っ、中、真っ暗みたいですね……」

 

「うん、気を付けて行こう」

 

 

 アベルはゆっくりと、暗い抜け道の入口へとイカダを進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 アベルの操るイカダがゆっくりと、暗闇の中へと進行して行く。

 

 

「真っ暗だな……」

 

 

 ヘンリーが辺りを見回すが、暗くて中がよく見えない。

 

 

「……ピエールさん……」

 

「大丈夫です、手をもっと強く握って構いませんよ」

 

 

 アリアの不安そうな声が聞こえるとピエールがそんなことを云うので、アベルは眉間に皺を寄せた。

 

 

「ぐっ……!!(僕の手の方が大きいし、アリアだって安心すると思うけどっ!?)」

 

 

 アベルはムッとしたものの、今はイカダを操作しているので、先ずは屋内にイカダを横づけするのが先だと堪える。

 

 

 ……イカダを降りたら、アリアを安心させてあげてやらないと……。

 

 

 逸る気持ちを押さえつつ、アベルはイカダを屋内の床へと横づけした。

 

 

「暗いから水路に落ちないように気を付けて」

 

 

 アベルは先にイカダから降りると、アリアが降りて来るのを待つのだが。

 

 

「アリア嬢、足元にお気を付け下さい」

 

「あ、はい」

 

 

 ピエールとアリアは手を繋いで降りて来たのだった。

 ご丁寧にピエールはアンドレから降りて歩いているではないか。

 

 

「……………………ムッ(ピエールの方が連れられてるみたいじゃないか……)」

 

 

 二人の仲の良い様子にアベルはむくれてしまったが、屋内が暗いために、それがバレることはなかった。

 

 

「……暗い……、ですね……。でも目がちょっと慣れて来ました」

 

 

 アリアはピエールから手を放し歩き出すと、辺りを見回す。

 ピエールもアリアの隣で周りを警戒していた。

 

 目が慣れて来たのか、屋内にはいくつもの椅子が置かれているのがわかる。よく目を凝らして中を見ていると、飾り柱と何かの台座がうっすらと見えた。

 屋内の中は随分と広く、神殿のような造りだが奥の方はよく見えない。

 

 アベルも辺りを見回しながら、何か怪しい所はないかと、アリアとピエールの後ろを歩き出した。

 

 

「う~ん……。ここは城の地下なんだよな。聖堂……だったっけ……。……確か……」

 

 

 ヘンリーはイカダから降りると、見覚えのある場所なのか奥へと独りで歩いて行ってしまう。

 

 

「ヘンリーさん?」

 

「アリア」

 

 

 アリアがヘンリーを追い掛けようとすると、アベルに引き留められた。

 

 

「はい?」

 

「……お化けが出るかもしれないから、僕と一緒に行動しよう」

 

「っ、お化けっ!? っ、はいっ!」

 

 

 アベルの言葉にアリアが深く頷くと、前を歩くピエールが振り返り、アベルを見上げる。

 

 

「……何か?」

 

「いいえ?」

 

 

 アベルはピエールに首を傾げる。

 アリアを脅し引き留めたことがバレているのかはわからなかったが、ピエールはそれ以上何も言わなかった。

 アベル達もヘンリーの後を追って、聖堂の奥へと向かう。

 

 

「ありゃ、行き止まりだ。確かここから抜け道に入れると思ったんだがなあ……?」

 

 

 ヘンリーが奥の壁の前で腕組みして、抜け道の記憶を辿っていた。

 

 

「……行き止まりか……。……アリアとピエールはここに居てくれ」

 

 

 アベルは二人に言い残し、先程通り過ぎていた台座を調べに行く。

 

 

(この台座が怪しいかな……?)

 

 

 台座に近付くと、台座の中央には鈍い黄金色の正方形の大きな石が置かれていた。

 

 

「……踏んでみるか……」

 

 

 アベルは正方形の大きな石の上に乗っかってみる。

 すると、石は下へと沈み込み、奥の壁が開いた。

 

 

「あっ! 仕掛け扉だったんですね!」

 

「おっ! スイッチがあったのか。さすがアベルは目聡(めざと)いな」

 

 

 突然開いた壁にアリアが目を瞬かせると、ヘンリーはスイッチを踏み終え戻って来たアベルに声を掛ける。

 

 

「ははっ、それほどでも……」

 

 

 チラッとアベルはアリアに目を向けた。

 

 

「アベルさん、よくわかりましたね! すごいですっ」

 

 

 アリアがキラキラした瞳でアベルを見上げ、笑顔で褒めるので、アベルは照れたように頭の後ろを掻き掻き。

 

 

「う、うん……、た、たまたまだよ……」

 

 

 彼女に褒められ悪い気はしなかった。むしろ……。

 

 

(もっと褒めておくれよ……!)

 

 

 と、アリアの笑顔がもっと見たくなったアベルだった。

 

 

「よし、じゃあ行こうぜ! 早いとこデールに会わないとな!」

 

「ああ、そうだね」

 

「はい!」

 

 

 ヘンリーの掛け声で、四人は開いた扉の奥へと向かった。

 

 




アベルが完全にアリアに落ちているような気が……(汗・汗)

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読んでいただきありがとうございましたっ!

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