ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

ラインハット城へ潜入。

では、本編どぞ!



第二百二十六話 潜入! ラインハット城

 

「……あ、えーーっと……(どうしようかな……、アリア嫌がるよね……)」

 

 

 アベルはチラッとアリアを窺う。

 

 

「……っ、礼儀正しい方ですね……。お仲間にされるのですか……?」

 

「あ、えと、アリアが嫌じゃなければ……、だけど」

 

「えっ……、ぁっ、私の意見を聞いて頂けるんですか?」

 

 

 アリアはアベルの陰に隠れながらスミスを窺っていたが、アベルの言葉に目を見開いた。

 

 

「ん? うん、もちろん。アリアが嫌なら帰ってもらうよ?」

 

「あっ……アベルさんて優しい……。では……、お仲間になって頂きましょう?」

 

 

 アベルがアリアに意見を聞いたからなのかは定かではないが、意外にもスミスの仲間入りを認める。

 

 

「えっ!? いいの!? くさった死体だよ!?」

 

 

 そんなアリアの態度にアベルは驚いたのだった。

 アベルの言葉にスミスは若干涙目で「クサッタシタイデ……スミマセン……」と傷付いたような顔をしている。

 

 

「……ちょっと怖いですが……、ふふっ。これから旅先でもっと怖い方達に出会うと思うので、慣れるのも大事かなって……。ずっと怖がってるわけにもいきませんよね。あっ、でもしばらくはモンスターじいさん様の所に行って頂けるとありがたいです。たまに会いに行く感じで少しずつ慣れたら……それでもいいですか……?」

 

 

 アリアは申し訳なさそうにアベルを見上げた。

 

 

「……わかった。じゃあ、モンスターじいさんに預かってもらうね。スミス、君を仲間にするけど、しばらくはモンスターじいさんの所に行ってもらってもいいかな?」

 

「カ、カシコマリマシタ。オ、オデ、モンスタージイサンノトコロデ……オジョウサン、クルノ……マチマス」

 

 

 アベルがスミスに告げると、スミスはアリアに深々と頭を下げ、モンスターじいさんの元へと送られた。

 

 

 そうしてアベル達は先へと進み、階段を上って行く。

 再び地下一階へと出ると仕掛け床があり、踏み付けると傍の扉が開いた。

 

 

「あ、ここは……?(見た事があるような……?)」

 

 

 開いた扉の先に妙な既視感を憶え、アリアが呟く。

 

 

「その扉は近道だよ。最初に通った聖堂に繋がってる。ショートカットってやつさ」

 

「なるほど……、お城には色々な仕掛けがあるんですね……」

 

 

 ヘンリーの説明に、アリアは感心するように頷いた。

 

 

「へへっ、まあな。何かあった時の為ってやつだよ」

 

「へえ……。でも、こんなに魔物が居て大丈夫なのかい……?」

 

「うーん……、まぁ、この近道ならそうそう魔物にも出くわさないだろ?」

 

「それもそうか」

 

 

 アベルが疑問をぶつけるが、ヘンリーは「城から出るのは容易いけど、城に入るのは骨が折れたな」と笑った。

 

 

「さあ、そこの階段を上がったら中庭に出るぜ!」

 

 

 アベル達は地上へと出る階段を上って行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 地下洞窟の階段を上がると、ヘンリーの云った通りの中庭に出た。

 中庭には二頭の大きな犬が放し飼いにされている。

 

 

「あ、ワンちゃんが居ますね(こっちに走って来てる……? 怖い顔はしてないけど……)」

 

「犬……? 犬なんて放し飼いにしてんのかよ……昔は犬を飼いたいって言っても飼ってくれなかったくせに……」

 

 

 二頭の犬達は、アベル達が中庭に居ることに気が付くと走り寄って来た。

 こちらに向かって来る犬の走り方が何やらおかしい。

 

 

「……何か様子が変だ。ピエール、アリアを頼む」

 

「はい、お任せを!」

 

「え……?」

 

 

 アベル達に向かって来る犬の様子がおかしい気がして、アベルはアリアをピエールに任せ、二人の前に躍り出る。

 犬達は始め嬉しそうに尻尾を振りながら走って来たにも関わらず、途中から速度を上げ、次第に目付きも鋭くなっていった。

 

 

「っ、魔物か……!!」

 

「マジかよっ!!」

 

 

 ガルルルルルル!!

 

 

 犬達はアベル達に向かって牙を向け襲い掛かって来る。

 アベルとヘンリーは互いに武器を構え、初手の攻撃をそれぞれの武器で弾き返した。

 弾き返された犬は大きく身体を翻し、地面に着地する。

 

 ……と、その姿を変えていった。

 

 

「あっ……! ドラゴンキッズ!!」

 

 

 アリアは目を見開いて着地した犬……否、【ドラゴンキッズ】を指差す。

 

 

「あぁ、もう、一体どうなってんだよ!?(地下洞窟も、ここも魔物ばっかりじゃないか!)」

 

「……来るぞ!」

 

「私も戦います!」

 

 

 ヘンリーが頭を掻き毟って大声を上げたが、すぐさま【ドラゴンキッズ】達が襲い掛かって来る。

 アリアとピエールも後ろからやって来て、武器を構えた。

 

 

 そうしてアベル達は【ドラゴンキッズ】二体と戦い、あっという間に勝利を収める。

 

 

「まさか城の中庭に魔物が放されてるなんてな。犬だと思ったから油断したぜ」

 

 

 ――何で城の中に魔物が居るんだよ……本格的にやばい国になってんなぁ。

 

 

 ヘンリーは武器を収めつつ、中庭から王の間のある三階を見上げた。

 

 町々の人々から聞いた話を総合すると、太后が実権を握っているとはいえ、義弟デールが王に就いているのは確かで、デールは何も知らないのだろうか。

 デールが望んでこんなことをしていると思いたくはないが、城の中に魔物を飼っているとあっては、理由如何によっては粛清しなければならないかもしれない。

 

 十年前は気が弱くて、可愛い弟だったというのに……。

 

 

(デール……十年でお前は本当に変わっちまったのか……? 違うよな……?)

 

 

 ヘンリーの胸中は複雑に揺れる。

 

 

「ヘンリー? どうした?」

 

「……あ、いや……。何か……まだ、デールがこんなことするなんて信じられなくてさ」

 

「……そっか」

 

 

 ――確か十年前、デール王はアリアと共に挨拶しに行った時、“王様になんかなりたくない”と嘆いていたっけ……気の弱そうな子だった気がする。

 

 

 アベルはヘンリーの肩を“ぽん”と叩いて「行こう」と促した。

 

 

「……同じ……?」

 

 

 城内へ続く扉を開くアベルとヘンリーの後ろで、ピエールが城を見上げ呟き後を追う。

 

 

「? 同じ……?(何のこと……?)」

 

 

 ピエールの呟きが聞こえ、アリアが首を傾げたがピエールはそれに気付くことなく城の中へと入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 開けた扉は城の台所へと繋がっており、アベル達が入って来た所で中に居た人々が驚くことは無かった。

 何故驚かないのかと思ったが、手桶を持った若い女性がアベル達に気付き声を掛けて来たことでわかる。

 

 

「あら、あなた見かけない顔ね。新しく雇われた人でしょ。だったら教えてあげる。この国の王はデール様。でも実権はデール様の母上、太后様が握っているのよ。くれぐれも太后さまに逆らわないことね。でないとクビが飛ぶわよ」

 

 

 気を付けることね、と女性は忠告すると井戸の方へと行き、水を汲み始めた。

 アベル達は新しい使用人だと思われたようである。

 

 

「……ということは、デールがおかしくなったわけじゃないんだな。少し安心したよ」

 

 

 旅先の噂話ではなく城に勤める者が云うのだ、デールはやはり正気の可能性が高い。

 

 女性から声を掛けられた際、ヘンリーはアベルの後ろでサッと顔を横に向け、彼女に顔を見られないようにしていたのだが、彼女が去るやいなや安堵したように口角を上げた。

 今はまだ身分を明かすことは出来ない。

 さっきの女性を昔見たような気がする……ということらしい。

 

 

「ヘンリーさん、良かったですね」

 

 

 確かな情報にアリアが優し気に微笑む。

 

 

「あ、ああ……。アリアさんオレのこと心配してくれてんの?」

 

「え? あ、はい。ヘンリーさん旅の間、ずっと思い詰めたお顔をされていましたから……。デール様のこと、ご心配だったのでしょう?」

 

 

 ヘンリーが何となく訊ねると、アリアは“当たり前じゃないですか”と言わんばかりにはにかんでいた。

 昔と変わらない優しいアリアの笑顔にヘンリーは癒される気がして、つい見惚れてしまう。

 

 

「…………、……ありがとな」

 

「へ? いえ……私は別に……」

 

 

 “共に旅をする仲間なんですから、心配をするのは当たり前です”とアリアは笑みを崩さずにニコッと口角を上げたのだが……。

 

 




スミスはとりあえずモンスターじいさん送りです。
ルーラ覚えたら会いに行く感じかな。

ヘンリー君、顔見知りだったんですかねw
今は顔を知られちゃ不味いって奴ですね。
てか、ぞろぞろと四人もやって来て何とも思わないのだろうか……。
どう考えてもおかしいよねw

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感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!

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