ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

増えるワカメ……じゃなかった。仲間は増え続けます。

では、本編どぞー。



第二百四十五話 増える仲魔

 

 魔物の群れと遭遇するなりヘンリーが声を上げた。

 

 

「うわっ! アベルまた出たぜ。今度は五匹かよ! マリア、すぐ片付けるから後ろに隠れててくれな!」

 

「は、はい!」

 

 

 ヘンリーの言葉にマリアが柱の陰に隠れる。

 

 

「ガンドフ、マリアさんをよろしくね!」

 

「………………」

 

 

 アベルが指示を出すと さっき仲間になったばかりの、全身を茶色い毛皮に覆われた一つ目の魔物【ビックアイ】……三角座りが得意な【ガンドフ】が黙って頷き、マリアの前を陣取った。

 

 

 今度の戦いは、天井に張り付き触手を不気味にゆらゆらさせ、大きな瞳で獲物を見下ろす【インスペクター】二匹。

 それから【ビックアイ】二匹に、緑の肌にツンと尖った耳、大きな口に分厚い唇、ふんわり金髪パーマ(花飾り付き)頭に腰(みの)を着けた女性型の魔物【エンプーサ】一体、計五匹の魔物の群れとである。

 

 

「よっ、と……!」

 

 

 魔物の群れと距離が近付くなり、アベルは先制で【やいばのブーメラン】を投げ付けた。

 アベルの放った【やいばのブーメラン】は器用に空を切り、敵全体にそれぞれダメージを与えるものの、魔物の群れは誰一人倒れない。

 

 

「さすがに一撃じゃ難しいか……うっし! 次はオレの番だ、掛かって来い!(マリアが見てるんだ! 頑張っちゃうぜ!)」

 

 

 アベルの【やいばのブーメラン】が戻って来る前に、ヘンリーが【チェーンクロス】を振るった。

 ヘンリーの【チェーンクロス】捌きが、いつもより冴えているのか会心の一撃が炸裂する。

 

 

「おお~! ヘンリーやるね! いい動きだ! ……っと!」

 

 

 アベルは戻って来た【やいばのブーメラン】を軽々とキャッチした。

 ヘンリーの放った攻撃で、魔物の群れは倒れないまでも皆疲弊しているのが見て取れる。

 

 アベルとヘンリーが次の攻撃に備えているその間にピエールが跳躍し、【インスペクター】一匹を【はがねの剣】で一刀両断、確実に仕留めていた。

 

 【やいばのブーメラン】も【チェーンクロス】も一度攻撃を放つと、魔物の血や肉が付着するため、すぐに次の攻撃を繰り出すことが出来ない。

 その為、拭う作業が必要なのだ。

 それぞれ振り落とせばいいだけなのだが、その間どうしても魔物からの攻撃を受けてしまうもので……。

 

 

「っ、痛って! ……ハッ! お前にばっかり いいとこ見せられて堪るかってんだ!(マリアにオレのいいとこ見せないとなっ!)」

 

「っっ……! ははっ、別に僕はそんなつもりないんだけどねっ!」

 

 

 ヘンリーはアベルに褒められたものの、マリアに何とかアピールするため魔物の群れからの攻撃を受けながら、次の攻撃に向けて武器を構えていた。

 アベルも攻撃を受けつつ、血や肉を振り払った【やいばのブーメラン】を再び力いっぱい投げる。

 

 ダメージ量は最初の攻撃とそう変わらないだろう。

 だが、先程のヘンリーの攻撃も効いているし、ピエールもいつの間にか【インスペクター】の二匹目を仕留めていたので、残るは【ビックアイ】二匹と【エンプーサ】一匹のみ。

 

 魔物の群れは倒れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁー……結局アベルがトドメを刺したかー……(アベル強いもんなあ……しゃーねーか……)」

 

 

 戦闘を終えるとヘンリーは【チェーンクロス】を振るい、魔物の血肉を振り払う。

 がっくりと肩を落としていた。

 

 

「……あー……、なんかごめん……」

 

「いいよいいよ、お前と張り合おうとしたオレが間違ってたんだ」

 

 

 アベルは謝るが、ヘンリーは自分の身体とアベルの身体を見比べて思う。

 

 

 ――体躯からして、アベルの方がそりゃ強いわな……。オレ、細マッチョだし……。

 

 

 アベルの身体は筋肉隆々、がっしり逞しい体格。

 対して、ヘンリーは筋肉はそこそこ ついてはいるものの、腕や腿の太さなんかはアベルよりも全体的にやや細身であった。

 十年同じ物を食べて来たはずなのだが、これはもう生来のもの。個人差としか言いようがない。

 

 

 ――アベルっていい身体してるよなぁ……性格もいいしさ……(時々怖いけど)。オレもアベルみたいな身体になれたら良かったのに……。

 

 

 そしたらマリアだって、もしかしたらアリアだってオレに……、なんてヘンリーは男から見ても羨ましい体格と性格のアベルに密かな憧れみたいなものを抱いていたのだった。

 

 

「……オレが女だったら、お前に惚れたりしてたんかな……」

 

 

 ヘンリーの口からぽろっとそんなことが零れる。

 

 

「えっ! へ、ヘンリエッタ……的な……?」

 

 

 アベルがビクッと身を護るように自己を抱きしめた。

 

 

「ハハ……ヘンリエッタって……なんだよソレ。……オレ、お前みたいに筋肉質じゃないから羨ましくてさ」

 

「あ、そ、そう……? 僕はヘンリー位が丁度いいと思うけど……?」

 

 

 ヘンリーに云われて、アベルは自分の腕を見下ろし応える。

 

 

「そうか?」

 

「ああ、あんまり筋肉が付いていると身体が熱いんだよね。よっぽど寒い時でもなきゃ服を着込まなくていいから楽ではあるけど……」

 

 

 考えたこともなかったが、そういえば筋肉量が増えてからあまり寒さを感じたことがないなあと、アベルは今までを振り返った。

 

 

「へえー、そんでその服装なんだな」

 

「え…………………………、……ハハッ(どうなんだろう……? いつもこの服着てるから慣れてるってだけで……)」

 

 

 ヘンリーが感心するように頷くと、アベルは少し間をおいてから笑う。

 

 

「ん……どういう……? ……っ!? ……アベル、後ろっ!!」

 

 

 アベルの態度にヘンリーが首を傾げたと思ったら、アベルの背後で先程倒した【エンプーサ】が揺らりと立ち上がり、ヘンリーは指を差した。

 

 

「まだ倒れてなかったか……!?」

 

「いや、待て違う!」

 

 

 アベルが振り返り【やいばのブーメラン】を構えようとすると、ヘンリーがそれを止める。

 【エンプーサ】が瞳をキラキラと輝かせながら じりじりとアベルの傍へと距離を詰め、目の前にやって来ると……、

 

 

「うっふ~ん! アナタの愛を感じたワ~、アタシを仲間に入・れ・テッ☆」

 

 

 チュッ……!

 

 

 【エンプーサ】は片目を閉じ、投げキッスをアベルに送ったのだった。

 彼女の声は高めではあるが、ちょっぴり濁声(だみごえ)である。

 

 

「え゛」

 

 

 アベルは嫌な予感がして後退るが、手首は既に【エンプーサ】にがっちり掴まれ逃げられない。

 しかも、何だか力が強い。

 腕を振り払おうとするも、ビクともしないのだ。魔物とはいえ、女性なのにも拘わらず……である。

 

 ……いや、やはり魔物だからなのか。

 

 

「おっ、アベル狙いか。アベルはホント女性にモテるよなあ!」

 

 

 ヘンリーは察し良く、魔物のことはアベルに任せて柱に隠れているマリアを迎えに行った。

 

 

「ヘン……(待って、ヘンリー! 置いて行かないでくれっ!! すっごく嫌な予感がするんだ!!)」

 

 

 アベルはヘンリーを呼び止めようと思ったが、マリアに微笑み掛けるヘンリーに遠慮して、黙り込む。

 

 じゃあ心の声だけでも届け……と思い、念じてはみたが当然伝わるはずもない。

 そんなヘンリーはマリアから労われて嬉しそうだった。

 

 

『また仲間が増えるみたいだぜ』

 

『まあ、アベルさんはすごいですわね。ふふっ、賑やかになりますね』

 

『だなっ』

 

 

 ヘンリーとマリア、二人の楽しそうな会話が聞こえて来て、アベルは自分でどうにかするしかないと、助けを諦め覚悟を決める。

 

 

 ――っ、邪魔するわけにはいかないか……。仕方ない……。

 

 

「アタシ、キャシーって言うの。おニイサン、お名前は……?」

 

 

 アベルの覚悟など気付きもしない【エンプーサ】はアベルにしな垂れ掛かって何度も瞳をわざとらしく瞬かせる。

 

 

「っ…………」

 

 

 アベルは無視することにした。

 

 




ビックアイの文字変換掛けると「ビック愛」って出るぅ。
大きな愛やね……。
あと、キャシーはウザ絡み系女子。

ヘンリーTSものとか……。
ヘンリーが女の子だったら確実にアベルに惚れてたっしょ……。
あ、でもマリアもTSして男だったらやっぱりそっちに惚れてるかw
それはそれで読んでみたい。

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評価いただけるとモチベ上がりますので、良かったら下さいっ。
感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!
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