ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

おかえりなさいと言ってくれる人がいる。

では、本編どぞ~。



第二百五十話 ただいまっ!

 

 

 

 

 

「じゃあ、ピエール頼んだよ」

 

「了解しました」

 

 

 アベルは修道院出入の邪魔にならない場所に馬車を止めると、ピエールに馬車とスラりん達を頼み、修道院へと向かおうとする。

 

 が。

 

 

「ダーリンっ! アタシも行くわン!」

 

 

 キャシーがキャビンから身を乗り出し降りようとしていた。

 

 

「キャシー。……ここは魔物は入れないんだ」

 

「そうですよ。我々は主殿の仲間とはいえ、魔物。修道院の方々を驚かせてしまうかもしれません。ここは遠慮致しましょう」

 

 

 アベルとピエールがキャシーに馬車に残るよう説得する。

 

 

「いやン、いやン! キャシーも一緒じゃなきゃいやン……!!」

 

 

 キャシーは いやいやと身体を揺らし、全力で拒否していた。

 

 

「……キャシー、僕の言うことを聞いてくれないか?(困ったな……。早くアリアに会いたいのに……)」

 

「いやン、いやン!」

 

「キャシー!!」

 

 

 アベルが宥めてもキャシーがいやいやをするので、一喝する。

 

 

 すると……。

 

 

「っう! うぅっ! ダーリンっ! アタシはダーリンの唯一なのよンッ!? なのにどうしてそんな冷たい言い方ン……! ひどぉおおおいぃぃンンっ!!」

 

「えぇ……唯一って……、……初耳なんだけど……(僕の唯一は修道院に居るんだけど……?)」

 

 

 キャシーが泣き出してしまい、アベルは困惑してしまった。

 魔物とはいえ、女の子に泣かれるのは気まずいものである。

 

 

 ――シスター達、キャシーの姿を見たら驚くと思うんだけどなぁ……。

 

 

 アベルはどうしようかと頭を抱えた。

 キャシーを馬車に残すのはお互いの為なのだ。

 

 細かく説明するしかないか……と思っていると、ピエールが口を開く。

 

 

「キャシー殿……。お気持ちはわかりますが、主殿のように魔物を受け入れてくれる人間ばかりではないのです。人間から我々魔物は奇異な眼で見られることもあるのですよ……? それだけではありません。ここの方々は恐らく我々を恐れるだけでしょうが、人間の町ではたまに侮蔑した態度を取る者もいるのです。その時キャシー殿はどう思われるでしょうか」

 

 

 ピエールはアベルの言いたいことを細かく説明してくれたのだった。

 アベルはピエールの発言に、さりげなくキャシーからは見えない位置で彼に向けてサムズアップとアイコンタクトを送る。

 

 

「ぅ……、うぅ……、それって、アタシの為に置いて行くってことなのン……?」

 

「……ああ。お互い嫌な想いをしないためにね」

 

「ダーリン……♥♥」

 

 

 めそめそしながらキャシーがアベルを見下ろすと、アベルは一瞬だけはにかんでみせた。

 すると、キャシーの瞳にハートマークが浮かぶ。

 

 

「……そんなわけだから、キャシーは今夜は馬車で待って…………っ!!」

 

 

 アベルがキャシーにキャビンの中へ戻るよう促して、ふと修道院の柵の向こうへと目をやると、修道院脇、奥の方でアリアが洗濯物を取り込んでいるのが見えた。

 

 

「っ、ピエール、キャシーを頼んだ!」

 

 

 アベルは突然修道院へ走り出す。

 

 

「……ダーリぃン?」

 

「あっ、主殿!? …………あ(アリア嬢……!)」

 

 

 キャシーが不思議顔をしていたが、ピエールは柵の向こうのアリアに気付き納得したのだった。

 

 

「……ダーリン、急に走って……(どぉしたのン……?)」

 

 

 ――確か、さっき柵の向こうを見ていたわねン……。洗濯物を取り込む女が一人……あらン、地味な子ねン。アレはダーリンのタイプじゃないわン。

 

 

 キャシーは洗濯物を取り込むアリアに気付いたが、彼女がアリアだとは思わず“フーン……”とキャビンに腰を下ろし何となくそちらを眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ、はぁっ、はぁっ……(アリア……! 今行くから……!)」

 

 

 アベルの息せき切った息遣いが聞こえる。

 

 

「お、アベル、遅かったな。待ってたんだぜ」

 

「っ、ヘンリー……! 後でね!」

 

「あっ、アベルさんっ!?」

 

「マリアさんもっ! 後で!!」

 

 

 アベルは修道院のアーチまで走って来ると、ヘンリーとマリアに声を掛けられるが、一人でさっさとアーチを潜って中へと入って行ってしまった。

 そして、修道院の脇の方へと向かって行く。

 

 

「な、なんだぁ……?」

 

「何でしょう……??」

 

「何かあったのか……?」

 

「……ここで何か起こるとは思えませんが、行ってみましょう!」

 

 

 ヘンリーとマリアはアベルの後を追うことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ん……? あ、ダーリン……?(何だかやけに嬉しそうねン……?)」

 

 

 馬車に残されたキャシーはキャビンの端っこで外の景色を眺めていた。

 すると、馬車から柵の向こうでアベルが笑顔で走って行くのが見える。

 

 行く先は……。

 

 

「……まさカ!? ……女の勘ンンーッ!! スラりんっ! ねえ、スラりんったラッ!」

 

 

 キャシーはアリアを知らないが、先程の女性の元に行くのだと直感していた。

 

 

「ピキー! なあに~?」

 

「……アタシの役に立てるコト、感謝しなさいねぇン!」

 

 

 ぴょんこぴょんこと、キャシーの元にやって来たスラりんは柔和な顔でキャシーを見上げる。

 キャシーはそんなスラりんの頭頂部を“むんず”と掴み立ち上がった。

 

 

「……キャ、キャシー殿……、いったい何をなさるおつもりで……?」

 

 

 馬車の点検を行い、パトリシアのブラッシングをしようとブラシを取りに来たピエールが、キャビンの中で突然立ち上がったキャシーを見つけ声を掛けたが、キャシーの目は柵の向こうへと集中していた。

 

 

 そして……。

 

 

 

 

(…………!?)

 

 

 

 

 兜に覆われ誰にも気付かれなかったが、ピエールは目を見開いていたのだ。

 それはスラりんも同様だった……――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方で、アリアに早く会いたい一心のアベルは修道院脇へと走っていた。

 

 

「はぁっ、はぁっ………………、っ、……ア、アリアっ!!」

 

「………………? ……ぁ。アベルさん……!」

 

 

 シーツを取り込み終えたアリアは手早くそれを丸めてカゴに入れると、アベルへ駆け寄ろうと走り出す。

 アリアの顔はアベルが無事で ほっとしたのだろう、優しい笑みを浮かべていた。

 

 

「アリアっ、ただいまっ!!(ああ、その笑顔が見たかったんだ!)」

 

 

 ――このまま、抱きしめたい……!!

 

 

 アベルは片手を振りながらアリアに駆けて行く。

 このままだと彼女との再会に勢い付いてハグしてしまうかもしれないが、許してくれるはずだと手を広げたのだった。

 

 

「おかえりなさいっ、アベルさんっ!」

 

 

 ――このまま走ったら、アベルさんの胸に飛び込んでしまいそう……!

 

 

 アリアは どきどきしながらも走る勢いは止めなかった。

 二人が互いに再会を喜び距離を縮め、あと一メートルというところで……。

 




再会、そして再びイチャラブ出来るかな~っと。
キャシー、頼んだぜぃwww

場面転換の多い回だったなぁ……。
やっぱキャラ多いと捌くの大変。でもたのちぃv
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