ニセ太后戦です。わおー。
では、本編。
「……あ、うん」
――やっぱり、結果は一緒か……。
マリアに促され、アベルは【ふくろ】から【ラーの鏡】を取り出す。
そして、太后達の目の前に居るアリアに声を掛けた。
「アリア」
「はい?」
「下がって」
「あ、うん、わかった」
アリアはアベルに言われるままに下がり、アベルは【ラーの鏡】を手に太后達の前へと立ちはだかる。
アリアがアベルの後ろに下がると「チッ」という誰が出した音かはわからないが、舌打ちする音が聞こえた。
「どっちに使うんだ?」
「これ? これはね……」
ヘンリーに問われアベルは迷うことなく、【ラーの鏡】を左側に座る太后に向けたのだった。
アベルは【ラーの鏡】を覗き込んだ……。
すると、
なんと鏡には魔物の姿が映し出された!
「そ、その鏡はっ! ええい、正体がバレては仕方がない!」
鏡に真実の姿を現した途端、【ニセ太后】はその姿を魔物に変える。
見た目はキャシー……【エンプーサ】に似た姿で、豪華なドレスと頭には冠、派手な化粧をしていた。
「あっ、キャシーちゃんの親戚!? ちょっと化粧が濃いかな~(キャシーちゃんの方がカワイイ!)」
「ぶっ! アリアっ!」
【ニセ太后】の姿にアリアが前に出て来て指を差すので、アベルは吹き出し慌てて背後に彼女を隠す。
「こうなったら皆殺しにしてくれるわっ!」
ニセ太后がアベル達に襲い掛かって来る。
アベル達はすぐさま武器を構えるのだった。
◇
戦いが始まるとアベルは皆に指示を出す。
「アリアはルカナン ダブル掛けでニセ太后の防御力を下げて。ピエールは攻撃、ヘンリーはマリアさんを護って。僕は防御力を上げる」
「「「了解!」」」
アベルの声に皆がそれぞれの行動に出る。
と、その間に【ニセ太后】も既に動き出していた。
「来い! わらいぶくろ!」
【ニセ太后】の掛け声と共に巾着袋に顔がついた魔物、【わらいぶくろ】がどこからともなく、
ケタケタケタケタ……アヒャヒャヒャヒャ……!
と、嗤いながら登場する。
「あっ! わらいぶくろ~! 私、知ってる~!」
アリアが守備力を下げる呪文、【ルカナン】を放つために魔力を集中させつつ、【わらいぶくろ】の登場にテンションが上がる。
――ドラクエ3で出てきた魔物なら網羅してるのよ! っていうか、ホントに笑ってるのね……!
あれ?
でも【わらいぶくろ】って確か嫌な攻撃してこなかったっけ……?
アリアがそう思った時だった――。
“マホトーン……ヒャヒャヒャヒャ……!”
【わらいぶくろ】が呪文封じの【マホトーン】を唱えたのだった。
「っ、マズイっ!! アリア避けて!」
「あっ!」
アベルがアリアを庇い、【マホトーン】の直撃を喰らう。
「アベルっ!!」
「っ、平気。掛からなかったみたいだ」
アリアがアベルを見上げると、にっこりと微笑んだ。
「よかったぁ!」
アベルの笑顔にアリアも破顔する。
「グ、すみません、主殿……、油断しました」
「オレもだ、アベル」
安堵したアリアだったが、ピエールとヘンリーは呪文を封じられてしまった。
「っ、何の! アリア!」
「はいっ! ルカナン×2!」
アベルはアリアから離れ身体を反転させ【やいばのブーメラン】を投げる。
アリアも【ルカナン】を二回放った。
見た目ではわからないが、【ニセ太后】の守備力が下がる。
「私なら大丈夫ですわ!」
マリアがヘンリーに庇われるが、大丈夫だとヘンリーの背中を押した。
「そっか! 呪文は使えないから武器攻撃に切り替えるぜ!」
「私もです!」
ヘンリーとピエールもそれぞれ【ニセ太后】に向かって攻撃を繰り出す。
【ニセ太后】に傷を負わせたものの、倒れるまでには至らなかった。
【ニセ太后】が「クソッ!」と悪態をつき、次の攻撃を構える。
そして彼女はスゥっと、息を吸い込んだ。
【ニセ太后】の口元から火の粉が零れ出す。
「っ! アリアっ! 次は火の息が来るっ、君は下がって!」
「っ!? わかるのっ!?」
「ああ!」
「んじゃあ……フバーハ!」
アベルが再び指示を出し、アリアを下がらせるが、彼女はブレス攻撃のダメージを軽減する呪文【フバーハ】を唱えたのだった。
優しい光の衣がアベル達を包む。
「おっ! やったぁ~! 使えたっ、ラッキ~♪」
「えっ……!?(あっ、おっぱいが揺れてるっ!!)」
アリアは【フバーハ】の発動にぴょんぴょんと跳ねて喜ぶ。
アリアの豊満な果実がゆっさゆっさと揺れた。
アベルが呆気に取られて(でもおっぱいはチェックする)すぐに、【ニセ太后】から【ひのいき】が吐き出される。
ボォォオオオッ!! という燃え盛る【ひのいき】がアベル達を襲った。
「あっつ! あちちち……!(ブレス攻撃嫌いなのよねっ!)」
「くっ……! 大丈夫かい!?」
「平気っ! ちょっと熱かったけど、あとで回復させるよ!」
【ひのいき】がアベル達に襲い掛かったが、【フバーハ】のお陰かダメージは少なく済んだ。
「っ……マリアは平気かい!?」
「私は、だ、大丈夫ですわ……! ヘンリーさま、火傷が……!」
咄嗟にブレス攻撃からマリアを庇ったヘンリーが彼女を窺うが、マリアは離れていたからか無傷である。
「よかった……、こんなのは後で治せばいい。マリアはデールと一緒に向こうへ行ってな。デール、頼んだぜ!」
「わかったよヘンリー兄さん! おねえさん、こっちへ!」
「は、はい……!」
ヘンリーはデールにマリアを任せ、アベル達の元へと戻った。
「……なんと……アリア嬢~!!(さすがです……!)」
ピエールはアリアの呪文に歓喜である。
そうして、アベル、ヘンリー、ピエールは再び【ニセ太后】に攻撃を仕掛けた。
「……よしっ!」
【ニセ太后】と【わらいぶくろ】にダメージを与え、【やいばのブーメラン】が戻って来ると、アベルはそれをキャッチする。
と、【わらいぶくろ】が不敵な笑みを浮かべた。
「あっ……! アベル危ないっ!!」
「え……」
“メダパニ……ウヒャヒャヒャヒャ……!”
【わらいぶくろ】からアベルに向けて、対象を混乱させる呪文【メダパニ】が放たれ、アリアがそれを庇う。
「アリアっ!?(何で弱い癖に僕を庇うんだっ!?)」
アベルはアリアの様子を窺った。
まともに喰らってしまったため、彼女の足元がぐらぐら揺れ身体もフラフラしている。目も回っているようだ。
……アリアは混乱してしまった。
たまには書きたい戦闘シーン。