ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

何の言葉なんですかね。

では、本編。



第二百七十九話 その言葉はしまっておいて?

 

「あはははっ、実は無理だと思ってたんだ~!」

 

「なら何で……、…………っ?」

 

 

 アリアは笑いながら疲れたのかアベルの隣に腰掛ける。

 ぴったりとアベルの隣にくっ付いて、三角座りをした。

 

 

 ――きょ、距離が近いんですけど……!?

 

 

 アベルはすぐ隣に座るアリアにドキドキしてしまう。

 

 

「ここね」

 

「……ん?」

 

「ここ、あなたと初めて会った場所……だよ?」

 

「あ……、…………うん。そうだね」

 

 

 ――記憶戻ったんだもんな……。

 

 

 そう思うと、アベルは少々崩れた地下室を見回した。

 管理する者もなく十年も経てば、それなりに劣化しているものである。

 

 

(怪我をした君をここに寝かせて、回復させ…………、……っ!!??)

 

 

 アベルはハッとして口元を手で覆う。

 あの時、自分は眠っていたアリアに口移しで薬草を与えたんだった。

 

 

「っ…………(あれってキス……、だよ、ね……?)」

 

 

 ――初めて会った時から確かに惹かれたけど、まさか十年後……君に恋するなんて思わなかった……。

 

 

 アベルは恐る恐る隣のアリアを窺う。

 アリアは地下室を何処とはなく眺めていた。

 

 

「……ここから、また始めたかったの」

 

「え……?」

 

 

 ふとアリアがアベルに視線を移すと、真っ直ぐにアベルを見つめる。

 

 

「アベル。私も一緒に連れて行って? どこまで一緒に行けるのかは わからないけど……私あなたと旅がしたいの。あなたが幸せになったのを見届けたら……その時は笑ってお別れしましょ?」

 

「……っ……、何それ、どういうこと……? あ、いや旅するのは構わないけど……、笑ってお別れって……。今から別れの時の話をするのおかしくない?」

 

 

 笑顔で話すアリアの言葉に、アベルは不快感露わに眉根を寄せる。

 

 

「……ふふっ、私はあなたの守護天使だから、アベルが幸せになるのを見届けないとね!」

 

「守護天使って……初耳。それに……アリアはもう天使じゃないでしょ……」

 

 

 にこにこと笑顔を崩さないアリアにアベルは少し苛立ちを覚えてしまった。

 

 

「あ、そっか。もう翼ないんだもんね。ふふっ、じゃあ お姉さんってことで!」

 

「お姉さんって感じしないんだけど……。アリアをお姉さんだなんて思ったことはないよ?」

 

「まあまあ、そう言わずにさっ」

 

 

 アリアはアベルの背に手を回し、トントンと優しく撫でる。

 

 

「……笑ってお別れなんて言わないでよ、アリア。僕は君のことを……」

 

 

 背に触れる彼女の温もりに、アベルは堪らず自分の気持ちを言い掛けたのだが。

 

 

「ストップ!」

 

「……んむっ!?(何っ!?)」

 

 

 気付けばアリアの片手がアベルの口を塞いでいた。

 その顔は笑顔のままで、何を考えているのかアベルには さっぱり読めない。

 

 

「……その言葉はしまっておいて? それは将来の花嫁さんに云う言葉だもの。私が聞く資格はないよ」

 

「……んむぅ……!!(何でっ!?)」

 

 

 ――僕の気持ちはどうなるっていうんだっ!?

 

 

 アベルはアリアの手首を握って、口元から遠ざける。

 

 

「……言ったら、私あなたとの旅をやめる。一人旅をする」

 

「っ……アリアっ!! 何でっ!? 僕は君がっ……」

 

 

 ――好きなだけなのに……っ!

 

 

 アリアから強い視線で見つめられ、アベルはそれ以上言えず黙り込んでしまった。

 

 

「アベルッ!! 私達は友達でしょっ? あなたは主人公だから、それが正しい道なのっ!」

 

「は……? 主人公……? 何だよそれ……。アリアわけわかんないことばっか言うなよっ! 話だって全然してくれないじゃないか!」

 

 

 珍しく彼女が声を荒げ、アベルに言い聞かせるように告げる。

 アベルは到底受け入れることが出来ず、アリアの手首をぎゅっと掴んだままで語気を強めていた。

 

 

「…………っ、全部話そうとは思ってるけど、こっちだって、葛藤してるのよ……」

 

 

 アベルの怒った顔にアリアは目を伏せてしまう。

 

 

「葛藤って……?」

 

「っ、とにかく……、自惚れで言わせてもらうけど……私を諦めてくれないかな……?」

 

「っ……!! アリアっ! それは納得が行かないっ!!」

 

 

 目を合わさないまま告げるアリアにアベルは眉を寄せ首を左右に振る。

 

 

 ――アリアは僕の気持ちに気付いている……。

 

 

 アベルはもう彼女の挑発に乗せられて誤魔化すことが出来ずに食って掛かっていた。

 

 

「っ……記憶喪失中に期待を持たせてしまったことは、申し訳ないって思ってる。でも、私はアベルには相応しくないから……」

 

「そんなの、アリアが決めることじゃないだろっ?」

 

「っ…………ぅぅ……。どうしたら納得してもらえるの……?」

 

 

 アリアがアベルに自分を諦めるよう伝えるも、アベルには届かなかった。

 アリアもアベルと同じように眉間に皺を寄せ、苦虫を噛み潰したような顔をする。

 

 

「…………アリア。勘違いしないで欲しいんだけど」

 

 

 アベルは内心苛ついているものの、冷静に話すように努め話し出した。

 

 

「え……? 勘違い?」

 

「……アリアが望まないなら今は言わない。けど、僕の気持ちは僕のものだから。君がどうこう出来るものじゃないと思わないかい……?」

 

「あ……」

 

 

 アベルがゆっくりと諭すように言葉を紡いでいくとアリアが瞳を瞬かせる。

 

 

「アリアが何を考えているのかは わからないけど……。僕は僕で勝手に色々考えているし、今後アリアのことだって嫌いになるかもしれないんだよ……?」

 

「ぁ……、うん……。それもそう、だね……。私……嫌われちゃうんだ……(それは……辛いな……)」

 

 

 そう云ったアリアは悲しそうに瞳を揺らしていた。

 

 

「っ、そ、そうとは決まってないけどっ! ……自分以外の人の気持ちを どうこうしようとしても駄目だよ。僕の気持ちは僕のものなんだから」

 

「うん……、ごめん……」

 

 

 アベルの話にアリアは頷いて謝罪の言葉を口にする。

 

 

「僕がいつ幸せを感じているかなんて、アリアは知らないでしょ?」

 

 

 そっとアリアの頭にアベルは手を置き、ぽんぽんと撫でる。

 

 

「…………うん」

 

「決めつけないで欲しいな」

 

「うん……、わかった。ごめん」

 

 

 アリアの声が徐々に小さくなっていくと、彼女は俯いてしまった。

 

 

「アリアって、記憶喪失中……僕のこと好き……だった……、よね……?」

 

 

 ふと、アベルが訊ねてみると、アリアは顔を上げる。

 

 

「えっ」

 

「…………何か……、そんな気がしたんだけど……、自惚れかな……?」

 

 

 アベルは照れ臭さに頬をほんのり赤らめて、コホンッと咳払いをした。

 そんなアベルの様子をアリアが見てお目目をぱちくり。

 

 

「……っ、ふふっ、自惚れ屋さんねっ! ……確かに格好いいなとは思ったよ? でも、アベルえっちだからな~!」

 

 

 アリアは破顔して膝を抱える。

 

 

「っ……そ、それは……、お、大人だから……!(っていうか、格好いいと思ってたんだ……)」

 

 

 彼女の言葉にちょっと嬉しくなってしまったアベルだった。

 

 

「……アベルって……、おっぱい好きだよね? あとパンツ……?」

 

「っ! あのね……っ、男は皆そうなの……!(ていうか気付いてたのか!?)」

 

 

 思わぬアリアの質問にアベルの顔が瞬時に茹る。

 

 

「ふーん……。そーなんだー……。確かに大きいもんね~」

 

 

 ぴっ、とアリアは自分の胸元の生地を引っ張って、目線を下げ自分で覗く。

 服の中には大きな果実が二つ実っていた。

 隣に座るアベルからも中が見えそうになる。

 

 

「なっ!? アリアッ!? 何してんの!?(もうちょっとで……!)」

 

「……前はこれ程大きく無かったから、不思議な感じ……。肩凝るんだよね~。アベル今度揉んでくれないかな?」

 

 

 アリアは自分の手で肩を揉み揉み、横から覗こうとするアベルに不敵な笑みを浮かべた。

 

 

「っ……そ、そうですか……って、はいっ!?(おっぱいを揉むの!?)」

 

「……肩揉み、ダメ?」

 

 

 挑発するようにじっと見つめるアリアの瞳にアベルの妄想が捗る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ぁっ……そこ……、イイ……ん…………ンっ……はぁ……。はぁぁ…………アベルは上手ね……』

 

 

 アリアが肩を揉まれ、頬を紅潮させ熱い吐息を切なげに漏らす。

 彼女の肩口にアベルが顔を寄せるとアリアの甘い声が耳奥に木霊した。

 

 そして肩を揉んでいたアベルの手は次第に別の場所へと移っていく。

 

 日に焼けた無骨な指がアリアの白い肌を滑り、シャツの隙間に伸びて弾力のある柔肌に食い込んでいった。

 

 

『あぁっ……アベル、そこはだめぇ……私達友達なのに……ン……抓んじゃ……。……優しく……して……?』

 

 

 口では嫌々と云いながら、アリアは「ンッ、ンッ」とくぐもった声を漏らし虚ろな瞳で身体を震わせていく……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……という妄想が一瞬でアベルの脳内を駆け巡ってしまったのである。

 




アベルに告白はさせません。
……させません。(ひどい)

えちえちはサラッとなので大丈夫ですよね……。
この程度なので……軽いですよね……。
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