ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

ポートセルミに着きましたっ!

では、本編どぞー。



青年期・前半【ポートセルミ】
第二百八十三話 到着、西の国


 

「ぁ……でも、アリアが言うなら信じるよ」

 

「……アベル……」

 

 

 アベルはアリアの手を きゅっと握り締め、真っ直ぐに彼女を見つめた。

 アリアは僅かにはにかむ。

 

 

「……僕の人生が誰かによって勝手に繰り返されてるっていうのは ちょっと癪に障るけど……。今の僕には記憶があるんだ。未来を変えられるかもしれない……そうでしょ?」

 

「うん。私、協力する。アベルが望む未来を勝ち取れるように」

 

 

 アリアは掴まれた手を放す。アベルが「ぁ」と残念そうな顔をしたが、今度はアベルの手指を絡め繋いだのだった。

 

 

「ぁ……、っ……今まで大筋は変わっていないんだ……。だからこれから変わるかも わからないし、……実はちょっと諦めてたりもしたんだよね」

 

 

 ――アリアっ! 何この繋ぎ方っ!? めっちゃドキドキするんですけど……!?

 

 

 なぜこんな風(所謂恋人繋ぎ)に手を繋いで来るのかアベルは理解出来なかったが、胸が躍る。

 そして、下半身が反応してしまった。

 

 

(テーブルの下だからバレやしない。セーフだ……、セーーフッ!!)

 

 

 アベルは自身に言い聞かせた。

 

 

「そうだったの……。これから先、あなたの回りで何が起こるのかは私にも わからないけれど……、そんな私にも一つだけ知ってることがあるんだ」

 

「え……? そうなの?」

 

「ん……。アベルには素敵なお……っンッ!?」

 

 

 ――えっ!? 声がっ、出ないっ!? 咽喉が締まる……!

 

 

 アリアは急に息を詰まらせ、アベルから手を放して自分の喉元に手を添える。

 

 

「っ……(色っぽいっ!!)」

 

 

 ――今の顔をもっと見たい……!

 

 

 アベルはアリアの眉根を寄せた苦しむような表情につい、良からぬ妄想をしてしまった。

 

 

「っっ、……はぁ、はぁ……。何これ……、喋っちゃいけないってこと……?」

 

 

 ――前に何度かアベルに花嫁が出来ることは言っていたはずなのに今回はどうして言えなかったの……?

 

 

 アリアは息苦しさに呼吸を整え、目を丸くする。

 

 

「あ……、それ……。ピエールも言ってたことが……。かなり先のことを話そうとすると息が詰まるって」

 

「えっ、ピエール君が……? ってことは……、あっ、そういえばピエール君、アベルと時々……」

 

「……うん、ピエールも……繰り返してるんだよ。しかも彼は僕よりも鮮明に憶えているみたいで」

 

「はぁー……そうだったんだ……」

 

 

 アベルの話にアリアは、漸く苦しさから解放され頷く。

 

 

「僕が気付けば、共通認識として話せるとか何とか言ってたな……。いや、互いの認識が一致すれば喉は締まらない……だったかな……。検証するって言っていたから今度訊いてみるといいよ」

 

 

 船室の天井を見上げながらピエールの云っていた話を思い出し、アベルはアリアに教えた。

 

 

「……そう、なんだ……。だからアベルはあんまり驚かなかったのね……」

 

「何が?」

 

「……だって、人生を繰り返しているってわかっているんだもの。私が別の世界から来た人間だって言っても全然動じなかったわけだわ」

 

「いや、驚いたけど……?」

 

 

 アリアに言われてアベルは一応否定する。

 

 驚かなかったわけでは決してない。

 ただ、理解が追い付かず何とか自分の中に落とし込もうとしていただけである。

 

 

「本当に? じゃあ、ついでにこんな話もしておくね」

 

 

 アベルなら全部話しても大丈夫そうだと、今更なのだがアリアは全て話そうと決めた。

 

 

「こんな話って?」

 

「これは私の仮説なんだけど……、私が色んな呪文を使えるのって、前世で別タイトルをプレイしたから なんじゃないかって思ってるんだ」

 

 

 アリアは たわわな果実をテーブルの上に置いて身を乗り出し腕を組む。

 

 

「え……(タイトルって単語(ワード)どこかで聞いたような……)」

 

 

 ――っ、アリアのおっぱい……!

 

 

 アベルはテーブルに乗っかるアリアの果実に目が釘付けになってしまった。真剣な話をしているというのに、誘惑が多過ぎて中々頭に入って来ない。

 たわわな果実に集中すれば話が入って来ないし、話に集中すればたわわな果実が邪魔をする。

 

 

 ――どちらにも集中できない!

 

 

 ……そこが辛いところである。

 アベルは本能と理性のバランスを図るよう努めた。

 

 

 アリアの話は更に続く。

 

 

「私、歴代ドラクエは3までは攻略していて、特に3は何度もクリアしたの。お気に入りは女賢者なんだけど、女賢者は多くの呪文が使えるの。そのキャラにいつも自分の名前を付けていて……」

 

「っ……、う、うん……」

 

 

 アベルはどうにか理解出来るよう自分なりに噛み砕こうとするが、如何せん目の前の果実がアリアが喋る度ぷるぷると揺れるので、視覚的情報に都度彼女の話が掻き消されてしまうのだ。

 

 

 ――ああっ! ドラクエ3でも何でもいいよ! アリアが呪文のエキスパートだってことは知ってるから!

 

 

 だから、おっぱいに集中させておくれよ……!

 

 

 アベルの理性は目の前のおっぱいに見事打ち砕かれてしまった。

 

 

「…………勇者の名前にはお兄ちゃんの名前を付けた……。……あ、…………あれ……?」

 

 

 話をしながらアリアは首を傾げる。

 それまで震えていた果実もピタッと止まった。

 

 

「……アリア……?(もう、ぷるぷるさせないの……?)」

 

「……わ、私……?」

 

 

 アリアは瞳をぱちぱちと瞬かせ、固まっている。

 

 

「どしたの……?」

 

「ぁ、えと……。私、前世の名前も“ありあ”って……、思い……出して……。あ、ずっと、名前思い出せなかったん……だけど、ね」

 

「そうなんだ? よかったね」

 

「う、うん……」

 

 

 アベルがはにかむと、アリアは腑に落ちない顔で頷いていた。

 と、二人が話し込んでいる中、部屋をノックする音が。

 

 

 コンコン。

 

 

「失礼、主殿、アリア嬢。そろそろ到着するようです」

 

 

 扉が開くと、ピエールが船室に二人を呼びに来ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……ピエールが呼びに来て直ぐ、船は西の国の港町【ポートセルミ】のドックへと入港した。

 

 

「アリア、さっきの話だけどさ。まだしっかり受け止めれては いないんだけど……僕は信じるよ」

 

「ありがとう、アベル。私もアベルを信じてるよ」

 

 

 アベルが優しく微笑むと、アリアも微笑み返してくれる。

 その笑顔にアベルはちょっぴり気まずくなってしまった。

 

 

「う、うん……(おっぱいの誘惑に負けて話半分でごめんね……)」

 

 

 この世界がゲームの中だと言われても、今ある目の前の現実は何も変わらない。

 自分はただ進むのみである。

 まだ、理解は追い付かないものの、少しずつ落とし込めばいいのだ。

 そうしたら何か違った一面が見られるのかもしれない。

 

 アリアの話よりもアリアの神秘のお肉に意識を集中させたアベルは、彼女さえいれば違った未来が見える気がした。

 

 

 ――もう、僕は、君に依存したりはしないけど、傍に居て欲しい……。

 

 

「ぁっ、ありがと」

 

 

 アベルが乗降口で手を差し出してくれるので、アリアはその手を取り船から降りると、歩板を歩き出す。

 

 

「……手、放してくれても大丈夫だよ?」

 

「転ぶと危ないから下までね」

 

「ふふっ……、過保護~……もぅ……、困る……」

 

 

 アリアが放そうとする手を縫い留め、アベルは地上まで彼女を導いたのだった。

 

 

「よーし、お客さんは全員降りたな」

 

 

 アベル達が船から降りると船員が歩板の前に立ち、船のメンテナンスが始まる。

 しばらく船は出ないのか、甲板の方から「次の出航はいつになんのかねえ……」と船員達の声が聞こえていた。

 




おっぱいで話の半分以上が埋まってしまったアベル君。本能に忠実。
しまった。
おっぱい星人になって来てしまったな……、素直な子が好きなんだ。

ちなみにタイトルがどうのと云っていたのはアイツです。
DQB2からお越しのブラウニーのブラウンさん(※百七十五話参照)。
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