ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

はて、ステータスウィンドウ……?

では、本編どぞ~。



第二百八十五話 ステータスウィンドウ

 

 

 

 

 目の前に灯台が迫る。

 馬車を灯台前に置いてアベル・アリア・ピエール・スラりんで上ることにした。

 

 

「さ、上ってみようよ」

 

「っ……、高いね……(目が回りそうな階段ね……)」

 

 

 灯台の中に入ると螺旋階段が上まで伸びている。

 中々の高さがあり、アベルの誘いにアリアは疲れそうだなと思った。

 

 

「灯台だしね」

 

 

 アベルが早速階段を上り出すので、アリアも後を追い掛ける。

 

 

「アリア嬢。疲れたらアンドレに乗るといいですよ。お貸しします」

 

「あっ、ありがとう! でも大丈夫だよ、頑張る」

 

 

 アベルの後ろでアリアとピエールの会話が聞こえ……、

 

 

「…………?(アリアって体力が無いんだっけ……?)」

 

 

 アベルはふと、アリアの体力ってどれくらいなら耐えられるのだろうと考える。

 と、突如アベルの目の前に黒い半透明の布のようなものの上に、白い枠とリスト形式の白い文字、そして数値の羅列が浮かんだ。

 装備しているものの名前まで表示されている。

 

 驚きに思わず触れると、アベルの名前と現在憶えている呪文、能力値がそれぞれ表示される。

 

 

「っっ!? な、何コレっ!?(HP……? MP……?)」

 

「あっ、アベルそれっ!」

 

 

 アベルが驚きの声を上げる中、アリアがアベルの傍にやって来て指を差す。

 

 

 

 

 “ステータスウィンドウ!!”

 

 

 

 

「すてぇたすうぃんどう?(なんだそれは!?)」

 

 

 アベルはアリアの言葉を反復する。

 

 

「ゲームで現在の自分の能力値を確認するものだよっ。あ、HPは生命力、MPは魔力って意味ね」

 

「ゲーム……っ!!」

 

 

 アベルはまだ理解が追い付いていないため、目の前の【ステータスウィンドウ】とやらに息を呑んだ。

 

 階段上で確認するのは危険なので、アベル達はとりあえず灯台の二階へ上がることにする。

 【ステータスウィンドウ】はアベルの前に常に表示され、文字の後ろは透けている為、アベルは「何なんだこれは……」と困惑しながら階段を上った。

 

 二階に上がって来ると、壁に“もっと光を!”という落書きがある。

 部屋は明るく、窓から波の音とカモメ達の鳴き声が聞こえていた。

 

 

「呪文……、あっ、アベルもうベホマ使えるんだね。すごい。あっ、でもレベルは表示されてないのね……! んーっと……、あっ、肩書酷い」

 

 

 アベルの目の前のウィンドウをアリアは隣にやって来て確認していった。

 そして、アベルの肩書部分をなぞる。

 そこには……、

 

 

「逃げたドレイって……(いや、確かにそうだけども……!)」

 

 

 アベルは頭を抱えた。

 

 

「ひっどいよね!」

 

「……これ、アリアのも見れるの?」

 

「ん? 多分。どうやって出したの?」

 

「ん? あ、アリアの体力ってどれくらいなのかなって考えたらコレが出て……」

 

「名前リストが無いから……スライドしてみたら? こう横にシュッと」

 

「……こ、こう?」

 

 

 アリアが手を横に流す動作をするので、アベルは真似て【ステータスウィンドウ】に触れ横に流した。

 すると、文字と数値の羅列が流れ、“アリア”と書かれたウィンドウが出る。

 

 

「あ、出た! 私の!(ゲーム準拠のウィンドウじゃないのね、なんか不思議~)」

 

「アリア……謎の美女……(……あっ、低っ!)」

 

 

 アリアのウィンドウが出るとアベルは肩書を読みつつ、アリアの体力をチェックした。

 アリアの体力値は記されていなかったが、力と身の守りが極端に低いことが分かる。HPも高くない。

 

 

「うわ~、私、チカラがアベルの半分も無いんだね。身の守りも低いのかぁ~、生命力も低いし……すぐ死んじゃいそうね」

 

「っ、縁起でもないこと言わないでよ!!」

 

 

 カラカラとアリアが笑って告げると、アベルは怒鳴る。

 

 

「っ! びっくりしたぁ……そ、そんな怒らなくたって……。冗談よっ」

 

 

 アリアはアベルが眉を寄せ本気で怒っている様子を見て、ごめんごめんと手を合わせる。

 

 

「……自分を大事にしてよ。……けどアリア、賢さと素早さと運の良さが良くないかい? あとMP……魔力も」

 

「本当? どれどれ……」

 

「ほら、僕のと比べてさ」

 

 

 アベルがアリアの賢さ・素早さ・運の良さ、MPにそれぞれ指で示すと、アベルのウィンドウに戻して比較する。それらの数値はアベルよりも高かった。

 

 

「あはっ! 本当! 運の良さはあれかな~。遊び人から受け継いだ……的な?」

 

「えっ、アリアって遊び人だったのっ!?(って遊び人っていったい……!?)」

 

 

 アリアの発言にアベルが目を見開く。

 

 

「え? あっ、賢者になる前はねっ! 遊び人だと悟りの書が要らないから……(ってドラクエ3の話だけど……)」

 

「賢者だったのっ!? 天使じゃないのっ!? いや、人間だったって……どういうことだ……!?(悟りの書って何だ!?!?)」

 

 

 アリアが色々教えてくれるが、アベルはパニックになる。

 

 

「……プッ、ふふっ、ふふふっ。アベルったら……ふふっ、……ごめんね。まだ、理解追い付いてないよねっ、……ふふふっ」

 

「っ……アリア……ごめん。理解しようとは思ってるんだけど、僕、ちょっと頭がこんがらがってて……」

 

 

 狼狽えるアベルの様子にアリアは笑い出し、アベルの頬に手を伸ばした。

 アベルは頭を抱えながら瞳を瞬かせている。

 

 

「ううん、いいの。ゆっくりでいいよ、アベルが理解しようとしてくれてるってこと、わかってるから」

 

 

 アリアは優し気な瞳でアベルを見上げ、頬を撫でた。

 

 

「アリア……」

 

「この世界は不思議だね。急にステータスウィンドウが出るなんて……。私も理解が追い付かないことがいっぱい。でも、あなたとなら受け入れて行けるような気がするよ」

 

「…………アリア……、…………うん……」

 

 

 アベルは真っ直ぐにアリアを見下ろす。

 アリアのアメジストにはアベルしか映っていなかった。

 

 

 ――多分、僕の目にもアリアしか映っていないんだろうな……。

 

 

 このまま時が止まればいいのに……。アベルはそんなことを思うが、時が止まることは無いわけで。

 

 

「………………っ、…………まだまだ上があるみたいだね。上ろ?」

 

 

 不意にアリアの手が離れてしまう。

 

 

「ぁ……、う、うん……。あっ、これどうしよう?」

 

「……んー、私は触れないみたいだし、アベルがもういいって思えば消えるんじゃないかな?」

 

 

 アベルが【ステータスウィンドウ】を指すと、アリアも【ステータスウィンドウ】に触れてみるが、彼女の手はアベルのようにウィンドウに触れることは出来ずにすり抜けてしまった。

 その為、彼女は自分の見解を述べてくれるのだが、かなり適当である。

 

 

「そんなもんなの?」

 

「ふふっ、わかんないよ。私はモブだもん」

 

「モブって……、こんなに呪文を使えるのにそんなわけ……(アリアの呪文……リストが塗り潰されてるけど……量がすごい……)」

 

 

 アベルはアリアの呪文一覧を眺め、その量の多さに驚く。

 簡単な初期呪文は表示されているのだが、その殆どはモザイクが掛かっていた。

 

 

「……消えろ」

 

 

 アベルが一言声を掛けると、【ステータスウィンドウ】が消える。

 

 

「あ、消えた。やっぱりアベルの意思で表示できるのかな?」

 

「……ステータスウィンドウ!」

 

 

 アリアの疑問に応えて言ってみると、【ステータスウィンドウ】が現れた。

 

 

「あっ、出た」

 

「消えろっ」

 

「消えたっ! すごーい!」

 

 

 アベルの一声で見え隠れする【ステータスウィンドウ】にアリアがぱちぱちぱち! と拍手する。

 

 

「ははっ、これでみんなの状態とかが見れるんだね」

 

 

 ――なるほど! 僕の意思! これがゲームの世界か……! って……正直、よくわからない……。

 

 

 アベルは不思議だなと思うだけで、やはり理解するのが難しいようである。

 

 

 それでも。

 

 

「だねっ」

 

 

 アリアが眩しい位の明るい笑顔を見せてくれるので、アベルはこの笑顔が見れるなら何でもいいと ありのままに受け入れることにした。

 




ヤベ、システム出て来てしまったw
段々カオスになって行くようで実は最後に纏まる予定でございますヨ。

アベルさん中々理解が追い付かない様子ですね。
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