ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

灯台には怪物がいるんだってさ。

では、本編どぞ~。



第二百八十六話 灯台の怪物

 

「……アリアの様子を事細かにチェックしておくね(ステータスウィンドウ!)」

 

 

 アベルが心で念じると【ステータスウィンドウ】が現れた。口に出さずとも出るらしい。

 

 

 ――装備品なんかも わかるんだな……、っ、……レースの紐パン……!?

 

 

 アリアの装備品に【レースの紐パン】が書かれていて、アベルは赤面する。

 【インパス】したら何て出るのだろうと、ちょっと考えてしまった。

 

 

「ヤダそれっ。丸裸にされてるみたいで恥ずかしいよ……って……何これ……(レースの紐パンって装備品だったのっ!?)」

 

 

 アベルの視線の先を追うと、アベルはアリアの装備品一覧を見ていたようで、アリアも順に見ていく。

 すると、防具の項目に下着名が記されていたことに気付き絶句した。

 

 

 ――ただの手作り下着なんですけどっ!?

 

 

 ほらもっと、こう色々あるじゃない?

 【布の服】とか、【皮のよろい】とかっ。

 

 【レースの紐パン】て……。これって、別の下着に替えたらリストが書き換わるのかな……。

 エッチな【ステータスウィンドウ】ね。

 

 

 アリアは無言でアベルと【ステータスウィンドウ】の間に立ち、それとなく【レースの紐パン】が見えないよう邪魔をしたのだった。

 

 

「っ! ……丸裸って……、何も服を脱がすわけじゃないし……」

 

 

 ――アリアが何着てるか わかるなんて……ドキドキする。毎日チェックしよう……。

 

 

 アベルはアリアに知られないよう、こっそりチェックすることに決めたのだが、今は彼女に悟られないよう【ステータスウィンドウ】を消す。

 

 

「あっ、そ、そうだねっ……ふふっ、私もアベルのステータスチェック、隅々までするねっ」

 

「……………………エッチ」

 

「んなっ!? なにぉう!? どういう意味よぅ……えっちなのはアベルでしょっ」

 

 

 アベルに思わぬことを云われ、アリアの頬が赤らんだ。

 

 

「っ……僕の何をチェックしたいの……?」

 

 

 ――アリアが赤くなった……!?

 

 

 アリアが記憶を取り戻してからというもの、自分ばかりが弄ばれているのかと思っていたがそうでもないのかもと光明を見た気がして、そのことにアベルは嬉しくなり彼女をじっと見つめて訊ねてみる。

 

 たまには自分から揺さぶりを掛けてみたいとチャレンジしてみることにしたのだった。

 

 

「っ……!? な……そんなの健康チェックに決まって……」

 

「それなら、ステータスウィンドウじゃなくて直接見てくれれば良くない?」

 

 

 アベルの問いに訝しい顔で首を傾げるアリア。

 そんな彼女にアベルは自身を見下ろし告げていた。

 

 

「直接って……?」

 

「脈とか……、胸の鼓動とか……、脚の様子とか……お腹……?」

 

 

 アベルは自分の首、胸、太腿、腹とそれぞれの部位を見せつけるように触れながらアリアをチラ見する。

 アベルの示した部位を順に見ていくアリアの頬が何故か紅潮していた。

 

 

 ――この反応は……?

 

 

「っっ……アベルのえっち!(アベルってば、引き締まってていい身体してるんだからっ……!)」

 

 

 アリアが頬を両手で覆って眉根を寄せるとアベルが畳み掛ける。

 

 

「アリアのスケベ。何を想像したの?」

 

「っ…………、んもぅ、知らないっ」

 

 

 アベルに言い返されアリアはプイッと顔を背けて階段を上がって行ってしまった。アリアのすぐ後ろにはスラりんが続く「アリアちゃーん!」てなものだ。

 

 

「あははっ! ごめんアリア。冗談だよ!(……勝った!)」

 

「もー知りませんっ!」

 

 

 さっさと上っていくアリアを見上げてみれば、耳が赤い。

 彼女は一体何を想像したのだろうか。

 

 どちらにしても、自分を前にして赤くなったアリアに少しは意識してもらえているのかなと、気付けばアベルの口元はニヤけてしまっていた。

 

 そんなアベルの後ろからピエールが声を掛けて来る。

 

 

「……主殿。先程のリストは……それに、この世界は“ゲームの中”とはいったい……?」

 

「ん? あ、ああ……、ピエールはアリアから聞いてないよね?」

 

「……はい」

 

 

 アベルからの問い掛けにピエールは少々不安気な声音で頷いた。

 

 

「……僕もさっき船に乗っている最中に聞いたばかりで まだ理解が追い付いていないけど……、後で説明するよ」

 

「わかりました。では、スラりん殿だけではアリア嬢が心配なので参りましょう」

 

「そうだね」

 

 

 アベルとピエールはアリア達を追って階段を上って行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 アベルとピエールが灯台三階へとやって来ると、アリアが強面のドワーフのような髭オヤジと談笑していた。

 

 

「ふふっ、そうだったんですね! よかった~!」

 

「おうよ、みんなして人様を怪物扱いしやがってからに……、ん? ほらまた来なすったぜ!」

 

 

 アリアが髭オヤジに笑顔を見せると、髭オヤジはやって来たアベルの方に顔を向ける。

 

 

「……はぁ……アリアはすぐ……」

 

「ん……?」

 

 

 アベルが不機嫌に眉を寄せ溜息を吐くが、アリアは何のことかと首を傾げていた。

 

 

「……何でもないよ、おじさんこんにちは。この灯台に怪物が居ると聞いて来たんですけど」

 

「オレが怪物かだって? ケ! おととい来やがれ!」

 

 

 髭オヤジはアベルから“フンッ!”と顔を背けそっぽを向いてしまう。

 

 

「えっ、いや、僕は何も……」

 

 

 なぜ急に怒鳴られたのかアベルには わからなかった。

 

 

「ふふっ、おじさんったら……!」

 

「なー? いつもこうなんだよ。解ってくれるのは嬢ちゃんだけだぜ」

 

 

 アリアがくすくすと笑っていると、

 

 

 ガシッ!

 

 

 突然髭オヤジにアリアは手を掴まれる。

 

 

「あ。……ははは……」

 

「アリアっ!」

 

 

 アリアが愛想笑いでやんわり手を解こうとするが髭オヤジは放してくれず、アベルは慌てて髭オヤジの腕を掴んだ。

 

 

「っいてぇ!! 何だぁっ!?」

 

 

 アベルに腕を強く掴まれ、髭オヤジはアリアから手を放す。

 

 

「僕の連れに触らないで下さい!」

 

「っ、おめえ、お嬢ちゃんのツレだったのかよ……。なんだ、そうかよ……」

 

「あはは……、そうなんです」

 

 

 ムスッとした顔で告げるアベルに髭オヤジがつまらなそうに呟くと、アリアが軽く会釈した。

 

 

「そこの階段を上れば最上階だ。見晴らしもいいし、望遠鏡もあるから見て行くといいぞ。新婚旅行にはもって来いのデートスポットだぜ」

 

 

 髭オヤジが最上階への階段を指し、教えてくれる。

 

 

 が、

 

 

「私達、新婚なんかじゃな」

 

「ありがとうございますっ! アリア行こう!(いい人じゃないか!)」

 

「あっ、ちょ……、アベルっ!?」

 

 

 アリアが否定しようとすると、アベルは満面の笑みを浮かべ彼女の手を取り階段を上った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「アリア、すぐ誰彼構わず笑顔を振り撒かないでおくれよ!」

 

 

 アベルは階段を上りながら後ろを振り向く。

 すぐ後ろにはアリアがおり、アベルを見上げていた。

 

 

「っ……? どして……? 誰かから話を訊き出すなら愛想よくしなきゃ」

 

「それは僕がすればいいことだろう? アリアは僕の後ろに居ればいいんだよ」

 

 

 アリアが不思議そうに首を傾げると、アベルは背を向けアリアの手を引きながら階段を上っていく。

 

 

「……アベル……。何か怒ってる……?」

 

「怒ってるわけじゃない」

 

「……私もアベルの役に立ちたいんだよ。良かれと思って話し掛けただけなんだけど……ダメだった?」

 

 

 アリアの問い掛けにアベルが振り返って、彼女を見下ろした。

 

 

「っ……そんなのはもう充分役に立ってるから気にしなくていいっ!」

 

 

 ――君は僕の傍に居てくれるだけで充分なんだから……!

 

 

 アベルは伝えたかったが口に出来ず……。

 

 

「……? そうなの……?(何かしたっけ……?)」

 

「っ……………………そうなのっ!(上目遣いが可愛い……!!)」

 

 

 自分を見上げて来るアリアが可愛くて、アベルは一瞬見惚れてから背を向け階段を上り切った。

 




アベルの積極性が増しているのは、やっぱり懐かしのアリアだからなんでしょうかね。
それともうバレてるから開き直ってる?
多少強く出ても怒らないってわかってるんだろうなぁ。

記憶喪失中のアリアは腫れ物に触るような感じだったもんな……。
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