ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

ぱんつを返して。

では、本編どぞー。



第三百十八話 ぱんつを返して

 

 顔を俯かせ大泣きするアリアにアベルは驚く。

 彼女が子どもみたいに泣くのを初めて見た気がした。

 

 

「っ……アリアっ……ご、ごめんねっ。ちゃんと綺麗にするからっ! な、泣かないで!?」

 

「ああ~んっ! 何が悲しくて、主人公にぱんつ洗ってもらわにゃならんのよぉっ!」

 

「あっ、アリアっ、大丈夫だよっ! ちゃんと優しく丁寧に洗うからっ!!」

 

「ああ~ん! アベルのバカぁっ! そうじゃないよぉっ!」

 

 

 ――プックルといい、何でアベルも素直に返してくれないのよぉっ!

 

 

 オロオロしアリアを慰めるアベルだったが、アリアの紐パンを返す様子はない。

 

 

「っ……ど、どうしたら……」

 

「うぅ……ひっく……うぅ……、アベルのヘンタイ~っ!!」

 

「っ、ヘンタイ……。ごめん……、でもこれはプックルにもらったから今は返せない……」

 

「どういうことよぉ……!」

 

「…………っ、あっ! えとっ、そうだ! 確かポートセルミで……」

 

 

 アベルはアリアの紐パンを一旦搾り自分の荷物の中へと仕舞うと、今度はがさごそと【ふくろ】を漁る。

 そうして【ふくろ】から手を出すと、手には【ステテコパンツ】が握られていた。

 ポートセルミの武器、防具店の二階で手に入れたものだ。

 

 

「……これ……ステテコパンツ……」

 

 

 はい。とアベルはアリアに【ステテコパンツ】を差し出す。

 見た感じ、使われたことはなさそうな新品に見えた。

 

 

「……穿けるかわからないけど……、紐も入ってるし、縛れば調節できるんじゃないかな…………穿く?」

 

「……っ……穿く!」

 

 

 ――この際、男物でも何でもいい!

 

 

 アリアは差し出された【ステテコパンツ】を素早く奪うと、巣の隅っこへと走って行った。

 そしてアベル達に背を向け、外套(マント)があるためよく判らないが【ステテコパンツ】を穿いている様子。

 

 

「…………ノーパンとか…………。アリアえっち過ぎでしょ……っ……(なんでこうアリアってえっちなんだろう……)」

 

 

 ――えっちな呪いとか掛かってたりするのかな……。なら無理に解かなくてもいぃ……いわけないか……。

 

 

 アリアの背中を見つめながら ふとアベルに良からぬ考えが過って、頭を左右に振るう。

 

 アベルは目を閉じ、先程見たアレ(・・)はもしかして……もしかしなくてもアレ(・・)だったんだな……“はーー……”と心を落ち着けるようにゆっくり息を吐き出した。

 

 そんなもので興奮が冷めることは無いわけだが。

 

 

「……ふぅ……。ちょっとスースーするけど何も穿かないよりはマシね(新品みたいで良かった……)」

 

「…………下はみ出てる……(女の子が男物の下着着てるのって悪くないな……)」

 

 

 アリアがアベル達の元に戻って来ると、スカートの裾から【ステテコパンツ】が僅かに はみ出ていた。

 少々不格好ではあるが、致し方ない。

 

 

 ――お尻がどんな感じなのか見てみたいな……。

 

 

 アベルは男物の下着を着た感じはどうなのか気になったが、「見せて」とは言い出せなかった。

 

 

「っ、丈長いんだもん。ねえアベル、さっきのぱんつ返して? 私洗って乾かしておくから」

 

 

 アリアは再びアベルに紐パンの返却を要求する。

 

 

「あれはプックルのヨダレが酷かったから、僕が責任を持って綺麗にするって言ったでしょ。だから安心してね!」

 

 

 アベルは返す気は更々ないらしく、興奮気味に鼻息を“ふんっ”と荒げてにっこりと微笑んだ。

 そんなアベルの態度にアリアは目を見開く。

 

 

「っ!? ちょ、ちょっとアベル本気だったの……?」

 

「え、何が?」

 

 

 アリアがわなわなと震えると、アベルは意味が解らず首を傾げた。

 

 

「っ、どこに旅の仲間のぱんつを洗う主人公が居るのよ……。そんなの聞いたことないんだけど……!」

 

「ここに居るけど……何の問題もないよ……?(他でもないアリアの ぱんつだしっ! 喜んで洗うよ!)」

 

 

 アリアの物言いにアベルがサムズアップして白い歯を見せると、彼女は眉根を寄せる。

 ちょっぴり怒っているようだ。

 

 

 ――綺麗になったら返すんだし、別にどうってことないよね! その前にちょっと使っちゃうかもしれないけど……それくらいいいよね……。

 

 

 アベルは少し気まずくなってアリアの視線から そっと目を逸らした。

 

 

「っ……私、恥ずかしいんだけどっ」

 

「だ、大丈夫だよ。僕は恥ずかしくないから、気にしないで!」

 

 

 ――アリア、顔がずっと真っ赤だ……カワイイ……。なんか……苛めてるみたいで罪悪感が……。

 

 

(けど……っ………………イイッ!!)

 

 

 アリアが両手をイジイジと(もてあそ)びながらアベルを上目遣いで見つめると、アベルの中の加虐心に火が点く。

 あんなにアリアにムチで打って欲しいと思っていたのに、今はどうだ。アリアを苛めたくて仕方ない衝動に駆られている。

 

 こんな気持ちが自分の中にあったとは……と、驚くアベルだった。

 

 

「気にするってばっ!(何で恥ずかしくないのよぉっ)」

 

「っ……わかったよ返し……………………っ、プックルが汚したんだから、僕が責任を取らないとね! ね、プックル?」

 

 

 アリアが涙を溜めてアベルに訴え掛けてくると、アベルは一瞬息を呑んで返してあげようかと思ったが、踏み留まった。

 プックルは「フニャ~~」と甘えるような声で鳴き、撫でて撫でてとアベルに擦り寄っている。

 

 

「っ、アベルひどい……。プックルも……」

 

 

 ――プックルは昔からアベルの言うことは聞くのね……。アベルってば何で頑なに返してくれないわけ……?

 

 

 アリアはこれだけお願いしても返してもらえないので、アベルとプックルを交互に睨み付け 諦め始めていた。

 

 

「明日までには穿けるようにするね」

 

「っ……、もぅ……。勝手にして……」

 

 

 結局アリアはアベルから紐パンを取り返せず、脱力する。

 アリアが諦めたのが解るとアベルはホッと胸を撫で下ろした。

 

 

「フニャー」

 

「あっ、プックル!?」

 

 

 不意にプックルが巣の奥に走り出し、地面に挿した紋章の入った(つるぎ)を大事そうに持って来る。

 プックルはアベルの足元に(つるぎ)を転がした。アベルはそれを拾って眺める。

 

 

「これ……、この紋章は……」

 

 

 ――この紋章には見覚えがある……。

 

 

「……これ、父……さんの……。そうだっ、これは父さんの(つるぎ)だよ!」

 

 

 “なんと! パパスのつるぎだ!”

 

 “アベルはパパスのつるぎを手に入れた。”

 

 

 アベルの脳内に謎の声が響いた。

 アベルは“また天の声か……”と気付き、無視をする。

 

 

 ――ゲーム……か。

 

 

 たまに聞こえる不思議な声達はこの世界がゲームの中だからなのだと思うとしっくり来る。

 何とも不思議な感覚なのだが、理由が解ったので気にする必要が無くなって良かったとアベルは思っていた。

 

 アベルは時々説明のように語られる声を【天の声】と命名することにしたのだった。

 

 

「……パパスさんの(つるぎ)だったのね……。道理で見たことがあると……」

 

「ああ……。この(つるぎ)で、父さんはいつも僕を守ってくれていたんだ……」

 

 

 アリアがアベルの手元の(つるぎ)を眺めると、アベルは(つるぎ)の柄を両手で持ち、胸の前に掲げる。

 

 

「……パパスさん……。亡くなってしまったのね……。……何だかその(つるぎ)を見ていると、パパスさんが生きている気がするわ……」

 

 

 アベルの持つ【パパスのつるぎ】は錆びることなく、十年前と変わらない輝きを放っていた。

 

 

「……生きて……。……うん……、僕の中に父さんは生きているよ……」

 

「アベル……。うん……、私の中にも……」

 

 

 アベルが頷くと、アリアも自分の胸元に手を当てて深く頷く。

 アベルはそのまま背に【パパスのつるぎ】を装備した。

 

 

「フニャー。ゴロゴロゴロ……」

 

 

 プックルが【パパスのつるぎ】を装備したアベルにすりすりと身を寄せる。

 

 

「……プックル、父さんの(つるぎ)いつも(・・・)守ってくれてありがとう」

 

 

 アベルはプックルの頭を優しく撫でた。

 

 

「……アベル……(そっか……いつも(・・・)なんだね……)」

 

 

 アリアは目を伏せ、アベルの傍に寄って行く。

 

 

「……アベル……」

 

「……ん? なんだい? …………ぁ……」

 

 

 アベルの目の前までアリアがやって来ると、彼女はアベルをそっと抱きしめた。

 

 

「っ……! アリア……!?」

 

 

 ――えっ、なに、なんで僕アリアに抱きしめられてるの……!?

 

 

 柔らかくて温かいアリアの感触に、アベルは軽くパニックを起こし固まる。

 アリアは顔を伏せていた。

 

 

「…………いつも……、なんだね……」

 

「ん……?」

 

 

 アリアの声がアベルの胸元に響く。温かい吐息が掛かり、アベルは少し擽ったさを覚えてしまう。

 

 

「…………私は……、こうして抱きしめて慰めてあげることくらいしか出来ないけど……、辛かったら言ってね……」

 




アベルはアリアのぱんつを洗うつもりです。
そして使用するつもりです(何に)

主人公にヒロインのぱんつ洗わせるとかどうなんだろう……。
洗濯系主人公……なんぞそれ……まあ、ええか。

アリアは女の子なのにステテコパンツを装備できるっていう……。アリアが脱いだやつはピエールかスラりんか、サンチョ辺りが装備するんやろな……(妄想)
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