ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

福引き再挑戦! いざ!

では、本編どぞ。



第三百三十七話 福引きの行方

 

 

 

 

 

 その後も町を歩き、道行く人々に話し掛けてみたが新しい情報は得られず、アベル達は宿屋へとやって来ていた。

 宿屋の側ではピエールがパトリシアにブラッシングをしている。

 

 

「やっ!」

 

 

 アベルはピエールの背後から明るく声を掛けた。

 

 

「主殿、アリア嬢! おかえりなさいませ!」

 

「ただいま!」

 

「た、ただいま……」

 

 

 ピエールがブラシを片手に振り返ると、アベルとアリアが手を繋いでいるではないか。

 

 

(アリア嬢……良かったですね……!)

 

 

 深く被った兜の中でピエールは口角を上げ、決して見えないが頬を染めるアリアに微笑み掛けていた。

 

 

「そろそろ宿を取ろうかなと思って戻って来たんだ。パティ、今日もお疲れ様」

 

 

 アベルはピエールに話し掛けつつ、パトリシアの首を撫でて労う。

 

 

「ああ、宿なら前回泊まった時と同じ部屋を取っておきましたよ」

 

「おおっ! ピエール気が利くね!」

 

 

 宿は予約済みであると報告を受けたアベルは“さすがピエール!”と感心してしまった。

 これでアリアと二人きりなら最高なんだけど……そうは思ったが、そんな上手くいくはずはないかと宿に向かう。

 

 ピエールも当然ついて来るだろうと思っていたのだが。

 

 

「……今夜は、お二人でお泊り下さい。私は馬車で休みます。キャシー殿もそうするとのことです」

 

 

 アベルとアリアがピエールの前を通り過ぎる際に、そう聞こえた。

 

 

「っ! 本当、気が利くね!」

 

 

 アベルはピエールに振り返り、つい褒めてしまう。

 ところがアリアは瞳を大きく見開いて立ち止まっていた。

 

 

「……えっ」

 

 

 ――アベルと二人きりで泊まる……?

 

 

 アリアは小さく声を発し、アベルを見上げる。

 

 

「えっ? 疲れたでしょ? ベッド広々使えるからゆっくり休もう?」

 

「っ…………ぁっ、えっと……」

 

 

 アベルが無邪気に微笑み宿へ向かうのだが、アリアの瞳は揺れていた。

 

 

 ――アベル、二人きりで泊まるって……正気……? まさか……ね?

 

 

 アリアは不安を感じながらアベルについて行く。

 宿屋の玄関扉の前でアベルが立ち止まると、アリアに振り返った。

 

 

「……何もしないから安心してね」

 

「へっ!? っ、う、うん」

 

 

 お先にどうぞ、とアベルが宿屋の扉を開くとアリアは中へと入って行く。

 

 

「……………………今は、まだ、ね」

 

 

 アベルの小さな呟きがアリアに聞こえることは無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 宿屋に入るとアベルが口を開く。

 

 

「アリア先に部屋に行ってて」

 

「……ん? わかった……(何だろう……?)」

 

 

 アベルが【ふくろ】をガサゴソ探りながら云うので、アリアは何か用があるのかと先に部屋へ向かうため階段を上がって行く(一階は宿の受付、舞台、酒場で、客室は二階にあるのだ)。

 何となく振り返りアベルを見ると彼は福引きをしていた。

 

 

(なんだ……福引きかぁ……。そういえば前回はずっと白ばかり出てたんだっけ……。ふふっ、今回は何か当たるといいね……!)

 

 

 アリアは二階へと向かい、宿泊する部屋に入る。

 先に寛ぐことにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 アリアが二階の部屋へと向かった頃、アベルは福引所の受付嬢(老婆)と睨み合っていた。

 

 

「ムムッ、来おったな……! 紫白(しはく)の王子よ……! また来ると思って待っておったぞい」

 

 

 アベルと顔を合せたお婆さんがニヤニヤ、“いざ、勝負じゃ!”と唇が弧を描いた。

 前回の福引きは白玉が出続け、そのまま決着がつかないまま終わっている。

 

 

「紫白の王子……?」

 

「お前さんの服と、白ばかり引き当てるからそう呼ぶことにしたのじゃ! お前さん男前だしのう……」

 

「は、はあ……」

 

「福引券1枚で、福引き1回じゃがやっていくかえ?」

 

「はい!」

 

 

 ガラガラガラガラ……。

 

 

 ……それからアベルは当たり(・・・)が出るまで抽選器を回し続けたのだった。相変わらず白が出続け、納得いく結果が中々得られない(アベルにとって白は当たりではないのである)。

 

 アベルが抽選器を回し続けていると、宿泊客がやって来る。

 抽選器を回しながら何となく開いた扉の方へ目をやると、客が開けた扉の先に見えた外は暗闇に包まれていた。

 

 

「そろそろ決めねばな……!」

 

「望むところです……!」

 

 

 今回も白玉を出し続けたアベルは、これで最後だとばかりに【ふくびき券】をお婆さんに渡した。

 

 

 ガラガラガラガラ……コン、ころり。

 

 

 またも白……、……いや違う。

 銀の玉が抽選器から飛び出しトレーに転がる。

 

 

「おおおおっ! はい~、おめでとさん。銀の玉は1等! 商品は祈りの指輪じゃ」

 

 

 ――いやー、これでええじゃろ ええじゃろ!

 

 

 お婆さんは景品の【いのりのゆびわ】をカウンタ―の内棚から取り出し、アベルに差し出した。

 

 

「っ、ぃ、やったぁああああっ!!」

 

 

 アベルは喜びのあまり拳を振り上げる(ガッツポーズしちゃった☆)。

 

 

「良かったのう、これでワシも帰れるわい……」

 

 

 お婆さんは景品をカウンターテーブルに置くと、座っていた椅子から飛び降り、カウンターから出てそそくさと帰って行った。

 

 

「あっ……!(実はもう1枚あったんだけど……)」

 

 

 アベルの手元には最後の【ふくびき券】が握られていたのだが、お婆さんが居ないと回しても意味がない。

 1等の景品も当たったことだし……とアベルは部屋に向かうことにした。

 

 

「……今夜はアリアと二人きり…………っ……」

 

 

 ――僕、大丈夫かな……。

 

 

 二階に上がり、部屋の前でドアノブに掛ける手が震える。

 

 

「…………お待たせ」

 

 

 アベルは逸る心臓に緊張を覚えながらアリアの待つ部屋の扉を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、おかえりなさい。遅かったね」

 

「う、うん……ただいま……」

 

 

 緊張した面持ちでアベルが部屋に入ると、アリアはベッドに座って寛ぎ本を読んでいる。

 

 

「何かいいの当たった?」

 

「まあね……」

 

「そう、良かったね」

 

 

 アリアに訊ねられアベルは頭の後ろを掻き掻き頷いた。

 何が当たったかまでは詮索して来ないので、アベルは特に何も言わずに扉の前で立ち尽くす。

 

 

「……えっと、酒場で情報収集をしようかと思うんだけど……」

 

「うん、行こっか!」

 

 

 アリアは読み途中の本に栞を挟んで閉じると、ベッドに置いた。

 

 

「あ、一緒に行く?」

 

「うん、付き合うよ?」

 

 

 アベルとアリアは酒場で情報収集することにして、部屋を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おほぉ~……今日もしゅごい……」

 

 

 部屋を出ると、一階の舞台を見下ろせる二階通路から青年が真下を窺い、イヤラシイ顔をしていた。

 

 

「……あの人、えっちな顔してる……」

 

「っ、前も言ったけど、僕は興味ないからね!」

 

「本当にぃ~?」

 

 

 アリアが下から窺うように前屈みでアベルを見上げて来る。

 不意に胸の谷間がちらりと見え、

 

 

 ……ゴクリ。

 

 

 アベルの喉を唾が音を立てて流れていった。

 

 

「っ、ア、アリアのなら話は別だけど……」

 

「へっ? あっ! ……や、やだ……。アベルのえっち」

 

 

 頬を赤く染めアリアを見下ろすアベルに、彼がどこを見ているのか気付いたアリアは胸元を隠し階段を下りて行ってしまう。

 

 

「……アリアっておっぱい……大きいよね……」

 

 

 ――ああ……また触りたい……!

 

 

 彼女と再会してすぐ揉んでいるわけだが、それ以降は触れていない。

 あんな幸運がまた起きないかな……、アベルはそう思いながらアリアを追ったのだった。

 




ピエール気が利くなw
アベルは早くアリアと結ばれたいと思ってるのかな?

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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