ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

酒は飲んでも呑まれるな。

では、本編どぞ。



第三百七十五話 アリア、泥酔する

 

「こんばんは。あの、さっきマスターに聞いたんですけど、天空に(まつ)わる話を知っているとか……」

 

「こんばんは。あれ? 前にもお会いしましたね?」

 

「え? そうでしたっけ……?」

 

 

 アベルが話し掛けると詩人の男はアベルに見覚えがあるようで、目を細める。

 アベルは全く憶えていなかったが、ルラフェンを出る前に宿で出会った吟遊詩人なのである。

 

 

「古い伝説によるとどこかに天空へ通じる塔があったそうですね」

 

「天空に通じる塔……?」

 

「私は古代に興味がありまして……、この町に来たのも古代の呪文を研究をしているという老人に会いたくてなのですが……」

 

「あ、宿屋に居た……!」

 

 

 アベルは目の前の男が誰だったかを思い出し、ポンと拳を手の平に打ち付けた。

 

 

「ははは……。実はまだお会いできていないのですよ。宿もこの酒場も居心地が良くて……」

 

 

 吟遊詩人は手元の楽器をポロンポロンと小さく弾いて、気恥ずかしさを誤魔化す。

 アベルはまた二言三言会話を交わすと、アリアの居るカウンタ―席へと戻った。

 

 

「おかえり、アベル」

 

「ただいま。あ、おいしそうだね」

 

 

 アベルが席に戻って来ると、料理が来ていた。

 カウンターテーブルにはキャベツとトマトが入った【いろどりサラダ】と、串が刺さった【焼きイカ】に【ピザ】、そして何のフルーツかはわからないがカットされ皿に盛られた【カットフルーツ】である。

 アリアは【焼きイカ】に齧り付いていた。

 

 

「ンフフ、アベルも食べる? あーんして?」

 

 

 アリアが自分の食べかけの【焼きイカ】をアベルに差し出す。

 彼女の頬はほんのりと色付いている。

 アリアの手元のジョッキを見ると中身が空っぽだった。

 

 

「っ……、アリア酔ってる……?(アリアの歯型……!)」

 

 

 ぱくっとアベルは躊躇(ちゅうちょ)なく【焼きイカ】に齧り付く。

 

 

「ん? …………どう? おいしいでしょ?」

 

 

 普段もゆっくり話すアリアだが、酒が入ると動作もゆったりで瞳も伏せがちになり、何だか色っぽい。

 酒の入ったアリアはいつもより妖艶に見えた。

 

 

「ん。ぅ、ぅん……お、おいしいです……」

 

「フフッ……、なぁに? アベルったら急に敬語になっちゃって……。あ、こっちも食べさせてあげる。あーんして?」

 

 

 アリアは【いろどりサラダ】の中からミニトマトを指で摘まむと、アベルに差し出す。

 隣の席なので、アベルに迫るように身体を寄せていた。

 

 

「っ……」

 

 

 間近にアリアの顔が迫ってアベルは息を呑む。

 アリアは「ほら、あーん」と口を大きく開けている。

 

 

 ――あーんって……っ、アリア、なんか えっちなんだけど……!?

 

 

 アベルはアリアの開いた唇の奥に見える潤う舌に、先日のキスを思い出しピクッと例のアレを反応させてしまった。

 

 

「あー……あら? 好き嫌いはよくないよ? 口移しなら食べてくれる?」

 

 

 アベルが口を開けないので、刹那アリアはポイっとミニトマトを自分の口に放り込む。

 

 

「えっ」

 

 

 ――なん……だと? 口……移し……??

 

 

 アベルが固まっていると、アリアは口を開いて舌の上にトマトをのせて差し出した。

 

 

「っ!? アリア……っ!」

 

 

 ――これはさすがに……!!

 

 

 マスターと隣の席の商人が目を剥いている。

 アベルはアリアの頬を両手でむぎゅっと覆った。

 

 

「ンむっ!?」

 

 

 ぽとりとアリアの口からミニトマトが落っこちる。

 

 

「あ~、落っこひひゃった……って、ないすひゃっひ」

 

 

 アリアが落ちたミニトマトに目をやると、なんとミニトマトはアリアの胸元に丁度良く嵌り込んでいるではないか。

 

 

「っ、アリア、君、矛盾してない!!??」

 

「ンン?」

 

 

 アベルが真っ赤な顔でアリアに抗議するが、アリアはアベルを見上げてきょとん顔だ。

 

 

「みんなに見られてるのに、平気であんなことするなんて……!!」

 

 

 ――おかしいでしょうが!

 

 

 アベルは彼女の頬から手を放し必死で訴えたが、アリアの表情が変わることは無かった。

 

 

「……アベルどうしたの……? 何を怒ってるの……?」

 

「っ、君がそんななら、今ここでちゅーしちゃうけど、いいわけっ!?」

 

「ちゅー………………………………する? …………いいよ?」

 

 

 アベルの話にアリアが目を細めて彼のマントの首元を引く。

 

 すると、

 

 

「はっっ!? ……ンンッ!!?」

 

 

 次にはアベルの唇がアリアによって塞がれていた。

 アリアは口を開けて、何かを言おうとしたアベルの口を塞ぐように重ねるとすぐに舌を絡めて来る。

 

 

 ――あ、ダメぇええええっっ!!

 

 

 一瞬触れ合った舌先にアベルはビクッと震えて、アリアを押し剥がす。

 

 

「はぁっ……、アリア……! しっかり……!」

 

 

 アリアの舌から随分と強いアルコールを感じる。

 芳香と味は良いが、こんな強い酒を飲んでしまってはすぐに回ってしまうだろう。

 

 アベルは口元を手の甲で拭ってアリアの肩を掴んで揺すった。

 

 

 ――ダメだ、こんな公衆の面前でキスなんてするもんじゃない……!

 

 

 仲魔の前だけなら平気だが、他人の前だとさすがに恥ずかしいアベルは立ち上がってアリアを肩に担ぎ上げる。

 

 

「わっ! あ、アベル……!?」

 

「っ、マスターすみません、これ お勘定……。その、残りはそこにいるスラりんとパペックに食べさせて下さい」

 

「あ、あいよ……」

 

 

 突然アベルの肩に担がれ驚くアリアだったが、アベルはマスターに料理をスラりんとパペックの席に移動させるようお願いする。

 マスターはアベルから金を受け取り、顔を赤くしながら了承した。

 

 

「スラりん、パペック、ゆっくりでいいから食事が終わったら宿屋に来てね」

 

「ピキキー。主さま任せて! ボク全部平らげちゃうから!」

 

「カタ、カタ、カタ…………!」

 

 

 スラりんとパペックも快諾。

 アベルはアリアを担いだまま酒場を足早に出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 酒場を出たアベルはそのまま真っ直ぐ宿屋へと向かう。

 途中でアリアが「下ろして~」とアベルの背を叩いていたが、アベルは無視。落っこちないように脚をしっかり支え、ついでに時々こっそりお尻に触れていた。

 

 

「ようこそ旅の宿に。夜道を歩かれて さぞやお疲れでしょう。ひと晩120ゴールドですがお泊まりになりますか?」

 

「はい、これ!」

 

 

 アベルはアリアを担ぎながら器用にサイフから120ゴールド出して宿屋のスタッフに渡す。

 

 

「あとで喋るスライムと動く木の人形が来るので、部屋に通してやって下さい」

 

「かしこまりました。お部屋はお二階の二人部屋です。一つは使用中ですのでお間違いのないよう……あ、お客さま!」

 

 

 宿屋のスタッフが泊まる部屋を説明するが、アベルは早々に二階に上がってしまった。

 

 階段を上っているとアリアの身体がずり落ちて来るので、アベルは脚を引っ張り、彼女を落ちないようにする。

 その際手がお尻に触れてしまうのだが、それに反応しアリアは艶声を上げていた。

 

 

「ンぁっ……! お尻撫でちゃいやぁ……」

 

「っ……そういう声出さないでくれないかな……落っこちちゃうよ……!?」

 

 

 ――お尻くらい触らせてよね……!!

 

 

 アベルは背中に触れる柔らかい二つの餅の感触と、手に触れるすべすべの太もも、もちもちのお尻の触感。

 そして彼女の淫らな声に興奮してしまう。

 

 

「ぁん…………、太もも撫でちゃダメぇ……感じちゃう……」

 

「っ………………(クるなぁ……)」

 

 

 興奮したアベルは“ハァハァ”と息を荒げながら今夜泊まる部屋へと急いだ。

 




アリアは泥酔するとちょっとエッチになるようです。
何の酒を飲んだんでしょうねw

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読了お疲れ様でした、そしてお読みいただきありがとうございました!
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