部屋を間違っちゃうこともあるよね!
では、本編どぞっ!
「……ここだな!」
――アリアがその気なら もうこのまま襲っちゃおうかな……
なんて考えながらアベルは部屋をよく確認もせずに扉を開け放ち、急ぎ足で奥に見えるベッドを目指した。
と。
つんっ。アベルの爪先に何かが引っ掛かる。
「っ、うわっ!!??」
――なんか引っ掛かった……っ!?
アリアを担いだままアベルは転びそうになり、反射神経を活かして何とかバランスを取ろうと大立ち回り。奥のベッドにアリアと共に倒れ込んだ。
(はーー、ベッドの上で良かった……!)
アベルはアリアに怪我をさせなくて良かったと安堵するが、彼女はそれでも多少痛かったらしく声を上げる。
「イタッ、アベル腕重い……!」
「っ、ごめんアリア!」
アリアの上に倒れ込んでしまったアベルは慌てて手をベッドに突き半身を起こす。
――掃除道具でも忘れて行ったのか……!?
アベルは何が足に引っ掛かったのか確認しようと後ろを見ようとしたのだが……、
「アベル」
アリアが上気した顔でアベルを見上げていた。
「ぁ」
「……アベル……♥ …………すき♥ ねえ、キスして……?」
「っっ、ぁ…………っ……!」
……ゴクリ。
アベルは唾を飲み込む。
酒の匂いを纏うアリアがアベルの首元に手を置き、引き寄せようとして来る。
目蓋を細め熱い吐息を「はっはっ」と短く吐き出し、唇を薄く開けて誘って来るアリアに、アベルは心臓がドッドッドッと逸るのを感じながら顔を近付けていった。
「ぁ、ァリア……」
――ここには二人きり、断る理由なんてない。
アベルはアリアに誘われるまま彼女の希望通りに唇を重ねようとした……その時。
「なんで私があの男と同じ部屋なのざあましょ! あんな男をお供にしたのは間違いだったざあますわ」
(ンンンンッッ!!?)
隣のベッドから甲高い声が聞こえ、アベルは咄嗟に声のした方へと顔を向けた。
(人が居る!?)
アベルが隣のベッドに目をやると、そこにはルラフェンを出発する前に宿屋で見かけたドレスを着た貴婦人が横になっている。
その貴婦人は仰向けで目を閉じ寝ていたのだが、覚醒したのか先の台詞を吐き出すと寝返りを打ってアベル達に気付いた。
「ンンンンッ!!?」
貴婦人がアベル達を見るや否や目を剥いて驚く。
アベルとアリアはまだ致しているわけではないが、アベルがアリアに馬乗りになって押し倒している格好である。
「っ! ……………………ど、どうも…………」
「ね、アベルぅ♥」
アベルが片手で身体を支え、空いた手で頭の後ろを掻き掻き貴婦人に会釈すると、アリアはアベルに縋るように顔を上げ首に ちゅっと口付けていた。
「っ! あ、アリア……ぁっ……ダ、ダメだよ(大胆なんだから……っ!!)」
アベルは僅かに触れた柔らかい感触にピクッと反応してしまいつつ、驚き固まる隣の貴婦人に苦笑いを浮かべる。
「………………こ、ここは私の部屋ざあましょ! あなた方二人の部屋ではないざあますわ!」
「すっ、すいません……!!」
横になったまま貴婦人が怒りなのかどうなのかは知らないが、震えたような声で訴えた。
その頬が赤いような気がする。
怒られたアベルはベッドで仰向けのアリアの手を引く。
「ん……アベル……?」
「アリア、部屋を間違ったみたいだ。行こう」
「あっ……」
仰向けになった彼女の腕を自分の首に回させて、アベルは真正面からアリアをそっと抱き上げる。お尻を支えるようにして持ち上げていた。
アリアは ぎゅっと落ちないように大胆にも脚をアベルの背に回して掴まっている。
「……アベル……あったかい……」
「っ……、アリアも……」
――ああ、もう今死んでもいいや……!
自分の身体に密着するアリアの熱く柔らかな肉感にアベルは昇天しそうになってしまった。
ベッドから下りて歩き出し刹那、また爪先に何かが触れる。
先程は急いでいたからか引っ掛かって転んでしまったが、今度は転ばない。
「す、すみません奥さま……。オラはオラは……。むにゃむにゃ……」
「……っ、人だったのか……」
アベルがチラッと足元を覗くと、貴婦人と共に居た気弱な男性が床に横になり眠っていた。
――なぜ床で寝てるんだ……??
疑問に思ったが、気弱な男性が「奥さま、奥さま……」と切なそうに呼ぶので、もしや二人は……??
と、思ったが十七歳のアベルにはよくわからなかった。
貴婦人と気弱男性のことなど、どうでもいい。
アベルは男を踏んづけないようにして自分達の泊まる部屋へと向かった。
◇
今晩アベル達の泊まる部屋へと着くと、アベルはベッドに腰を下ろす。
「……っ、アリア、大丈夫?」
「ン……、アベル……?」
アリアはアベルの膝の上に乗っかる形で向かい合うよう抱き着いていたわけだが、アベルに声を掛けられ顔を上向かせていた。
まだ酔っている様子でアリアがアベルに微笑み掛ける。
とろん とした瞳と薄っすら汗ばむ額の汗粒。アリアの吐き出す吐息に、密着する柔肉の感触と熱い体温、彼女の全てがアベルの情欲を煽っていた。
「ぁ……、…………………………さっきの続き、していい……?」
――こんなん我慢できないよ……!!
アベルはそっと彼女の肩を掴み、僅かに自分から放して恐る恐る窺う。
アリアが誘ってくれるのなら自分はいつでも受けて立とうじゃないか。
いつかはと思っていたが、意外にも早くその瞬間が来たものだと、興奮しているのにも関わらず考えていた。
「続き……? ……ン……して……」
「っ、するっ!!」
アリアがうっとりと微笑むので、アベルは がっつくように彼女の唇を塞ぐ。
それから二人は向かい合ったまま何度も唇を重ね合わせ……、
◇
◇
◇
……二人が一頻り唇を重ね合わせ離れると、透明の橋が互いの唇を結び、二人の間に小さな雫が落ちて途切れる。
「はぁ……ふ……。アベル、キス……気持ちいいね……?」
「ぅん…………」
――頭の中が……溶けそうだ……。
うっとり蕩けた顔のアリアに訊ねられ、同じ表情のアベルは ぼぅっとしながら生返事していた。
「…………ねえ、こっちも触って……?」
アリアはアベルの首に回していた手を放し、自ら大きな二つの果実を下から支える。
「っ、いいの……?(この間ダメって言ってたよね……!?)」
「ん……、アベル好きでしょ……? いっつも見てるよね?」
上目遣いでアリアは挑発的な笑みを浮かべた。
「っ!?(バレてる!?)」
「……触ってもいいよ? あ、ぱふぱふしてあげよっか……?」
「ぱ、ぱふぱふ!?(ぱふぱふってなんだ!?)」
アリアの思わぬ台詞にアベルは目を見開く。
「ん、ぱふぱふ♥ アベルのこと包み込んであげる。……おいで?」
アリアはアベルの首に再び腕を回すと、アベルの顔を自分の大きな果実の間へと導いたのだった。
宿屋の間取りはゲーム中よりも多かったりします。
だって、どう考えても少なすぎるもの。
貴婦人と召使の男性っていったいどういう関係なのだろうか、ドッキドキですね!w
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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!