あっ、まだベラに会ってません……。
次の次の回かな。
では、本編どうぞ!
「それじゃ、サンチョ。僕遊んで来るね! あ、村の外には行かないから!」
「はい、お気を付けて!」
サンチョに別れを告げて、アベル達は家を出る。
「さて、と。どこに行く? 行きたい所とかある?」
「んー……、この間あちこち連れて行ってもらったから、特には。アベルの行きたい所について行くよ」
「そっか! じゃあ、とりあえず教会でお祈りして行こっか!」
「うん」
家を出て、アベルはアリアと共にまずは教会へと向かった。
すると、教会の側に紫のターバンとマントを身に着けた凛々しい青年が見えて来る。
「……あっ、アベル、あの人誰だろう?(何だか……アベルに似てない……?)」
アリアは村を見渡すように遠くを見つめる青年の横顔に、今隣で手を繋いでいる少年の面影を見ていた。
「さあ? とりあえず教会に行こうよ」
「あっ、うん」
まずはお祈りお祈り、とアベルはアリアの手を引いて教会に入って行く。
教会側にいた青年が二人に気付き振り向くが、アベルとアリアは気が付かなかった。
その青年の瞳は揺れ、アリアの背中を見つめていた……。
◇
教会に入ると、今日のシスターは拭き掃除をしていた(何かと掃除している)。
そのシスターがアベルに気付いて声を掛けてくれる。
「おはよう、坊や」
「おはよう、シスター」
「ねえ、坊や。教会の前にいた、素敵な人はまだいたかしら……。どうしましょ……。もしかして、私に気があったりして……。ぽっ……」
シスターは一人で勝手に盛り上がり、頬を赤く染めると濡れた雑巾で顔を覆ってしまった。
その後で自分でびっくりして慌てて雑巾を離すと、目をぎゅっと閉じて歯を食いしばる。
雑巾は砂やらで黒く汚れていたのだが……。
『うわぁ……』
アリアは汚れの付いたシスターの顔を見ながら「綺麗な顔が台無しね」と苦笑いしていた。
「素敵な人って……?」
アベルはシスターに問い掛けてみるが……、
「っ、いいのっ、何でもないわ。私が悪かったの。天罰ね、おお神よお許し下さい……」
シスターはちょっぴり涙目で、雑巾と共に手を重ね合わせ祈り始めたのだった。
『ふふっ、シスターって可愛い人だね(ドジっ子よね……)』
「…………そ、う?」
アリアの言葉にアベルは意味が解らず“ふーん”で済ませる。
興味がないようだ。
そして、祭壇でにこにことアベルが来るのを待つ神父の元へと向かった。
神父様は今更だが糸目である。
いつも穏やかそうだ。
「生きとし生けるものは、みな神の子。我が教会にどんなご用かな?」
「あ、お祈りしに来ました」
「では、神の前にこれまでの行いを告白なさい。そして、この冒険の書に記録してもよろしいかな?」
『あ、アベル、ちょっと待って、この流れ……!(セーブじゃない? ってセーブすんの!? いや、セーブとかっ!!?)』
「ん……?」
アリアが神父の言葉に反応するが、アベルは何か問題でも? といった顔でアリアを見る。
その前で神父がゴソゴソと、分厚い本のようなノートを出して祭壇の上に開いた。
「では何番の冒険の書に記録しましょうか」
「んーと、一番でいいかな」
「では、祈りを捧げなさい」
「はーい」
アベルが開いたノートの一部を指差し、ここ。と指定すると目を閉じた。
すると、神父は目を閉じ羽根ペンを手に取ると、アベルの祈りに呼応するようにペンを滑らせていく。
アリアには読めないが、何かが記されていくのが見えた。
『マジセーブなんだ……。こないだこんなことしたっけ……?(してないよね……省略されたもの……)』
「…………?(アリア何言ってるんだろ……?)」
アベルはこっそりと片目を開けて、アリアの様子を窺う。
アリアは興味津々で【冒険の書】を覗き込んでいた。
「確かに記録しましたぞ。まだ冒険を続けられるおつもりか?」
「うん。冒険は始まったばかりだからね」
「おお神よ! この者にあなたの加護があらんことを!」
神父は両手を大きく掲げ、オーバーアクションで目をカッと見開いた。
普段糸目なのに、この時だけは眼力が強い、凄い。
『……これ休むって言ったらどうするんだろう……』
「…………? 休む? さっき起きたばっかりなのに……?」
『っあ、えと、ごめん、何でもないの』
「ふーん……? ま、いいや、神父様、やっぱ休みたいって言ったらどうするの?」
「おお神よ! この者にひと時の休息を与えたまえ!」
神父はオーバーアクションで先程と同じように目を見開く。
「……だってさ」
『あ、一緒なんだ。神父様、普段糸目なのに目力強いね』
「ぷぷぷっ……! 目力強いって……!」
アベルはつい吹き出してしまう。
「っ、……コホンッ。さあ、これで安心して冒険できますよ。いってらっしゃい」
「あっ、はい、いってきまーす!」
神父は笑われたことが恥ずかしかったのか、普段の糸目に戻りアベルをさっさと追い出そうとする。
アベルはアリアとプックルと共に教会の扉へと向かった。
「ね、アベル。さっきシスターが言ってたことだけど……」
「んー? 何だっけ……?」
「ほら、素敵な人がどうとか言ってたじゃない?」
「あぁ、そんなこと云ってたね」
教会の扉に手を掛け、アベルは興味なさげに相槌だけ打つ。
「……確かに、素敵な感じだったよ。横顔しか見てないけど、目が優し気で、何だか……(思い詰めたような顔をしてたなぁ……)」
「アリアも素敵とか云っちゃうの? ……僕の方が強いかもしれないのに? 僕の方が素敵じゃない……?」
(アリアが僕以外の人を褒めるの何か嫌だな……)
アベルはもやもやして、胸元を掴んだ。
「っ、え。だ、だって……アベルは強いけど……(子供だもん……ね)」
アベルの言葉にアリアは「アベルも素敵だよ」と褒めておいた。
すると、アベルは嬉しそうに満面の笑みを浮かべたのだった。
セーブに関して私の心の声を入れてしまいました……の回(そう書きたい時に書きたいものを書くというただのワガママ……)。
冒険の書の記録方法って、こんな感じ?
自動書記的な……ことを書いてみました。
神父スゲーでやんす。
私の人生もセーブ出来たら良かったのに!
あー、けど同じこと繰り返すのはイヤだなぁ。
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評価いただけるとモチベ上がりますので、良かったら下さいっ。
感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。
読んでいただきありがとうございましたっ!