ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

あっ、まだベラに会ってません……。
次の次の回かな。

では、本編どうぞ!



第三十七話 まずは教会でセーブでしょ

 

「それじゃ、サンチョ。僕遊んで来るね! あ、村の外には行かないから!」

 

「はい、お気を付けて!」

 

 

 サンチョに別れを告げて、アベル達は家を出る。

 

 

「さて、と。どこに行く? 行きたい所とかある?」

 

「んー……、この間あちこち連れて行ってもらったから、特には。アベルの行きたい所について行くよ」

 

「そっか! じゃあ、とりあえず教会でお祈りして行こっか!」

 

「うん」

 

 

 家を出て、アベルはアリアと共にまずは教会へと向かった。

 すると、教会の側に紫のターバンとマントを身に着けた凛々しい青年が見えて来る。

 

 

「……あっ、アベル、あの人誰だろう?(何だか……アベルに似てない……?)」

 

 

 アリアは村を見渡すように遠くを見つめる青年の横顔に、今隣で手を繋いでいる少年の面影を見ていた。

 

 

「さあ? とりあえず教会に行こうよ」

 

「あっ、うん」

 

 

 まずはお祈りお祈り、とアベルはアリアの手を引いて教会に入って行く。

 教会側にいた青年が二人に気付き振り向くが、アベルとアリアは気が付かなかった。

 

 

 その青年の瞳は揺れ、アリアの背中を見つめていた……。

 

 

 

◇

 

 

 

 教会に入ると、今日のシスターは拭き掃除をしていた(何かと掃除している)。

 そのシスターがアベルに気付いて声を掛けてくれる。

 

 

「おはよう、坊や」

 

「おはよう、シスター」

 

「ねえ、坊や。教会の前にいた、素敵な人はまだいたかしら……。どうしましょ……。もしかして、私に気があったりして……。ぽっ……」

 

 

 シスターは一人で勝手に盛り上がり、頬を赤く染めると濡れた雑巾で顔を覆ってしまった。

 その後で自分でびっくりして慌てて雑巾を離すと、目をぎゅっと閉じて歯を食いしばる。

 

 雑巾は砂やらで黒く汚れていたのだが……。

 

 

『うわぁ……』

 

 

 アリアは汚れの付いたシスターの顔を見ながら「綺麗な顔が台無しね」と苦笑いしていた。

 

 

「素敵な人って……?」

 

 

 アベルはシスターに問い掛けてみるが……、

 

 

「っ、いいのっ、何でもないわ。私が悪かったの。天罰ね、おお神よお許し下さい……」

 

 

 シスターはちょっぴり涙目で、雑巾と共に手を重ね合わせ祈り始めたのだった。

 

 

『ふふっ、シスターって可愛い人だね(ドジっ子よね……)』

 

「…………そ、う?」

 

 

 アリアの言葉にアベルは意味が解らず“ふーん”で済ませる。

 興味がないようだ。

 

 そして、祭壇でにこにことアベルが来るのを待つ神父の元へと向かった。

 

 神父様は今更だが糸目である。

 いつも穏やかそうだ。

 

 

「生きとし生けるものは、みな神の子。我が教会にどんなご用かな?」

 

「あ、お祈りしに来ました」

 

「では、神の前にこれまでの行いを告白なさい。そして、この冒険の書に記録してもよろしいかな?」

 

『あ、アベル、ちょっと待って、この流れ……!(セーブじゃない? ってセーブすんの!? いや、セーブとかっ!!?)』

 

「ん……?」

 

 

 アリアが神父の言葉に反応するが、アベルは何か問題でも? といった顔でアリアを見る。

 その前で神父がゴソゴソと、分厚い本のようなノートを出して祭壇の上に開いた。

 

 

「では何番の冒険の書に記録しましょうか」

 

「んーと、一番でいいかな」

 

「では、祈りを捧げなさい」

 

「はーい」

 

 

 アベルが開いたノートの一部を指差し、ここ。と指定すると目を閉じた。

 すると、神父は目を閉じ羽根ペンを手に取ると、アベルの祈りに呼応するようにペンを滑らせていく。

 アリアには読めないが、何かが記されていくのが見えた。

 

 

『マジセーブなんだ……。こないだこんなことしたっけ……?(してないよね……省略されたもの……)』

 

「…………?(アリア何言ってるんだろ……?)」

 

 

 アベルはこっそりと片目を開けて、アリアの様子を窺う。

 アリアは興味津々で【冒険の書】を覗き込んでいた。

 

 

「確かに記録しましたぞ。まだ冒険を続けられるおつもりか?」

 

「うん。冒険は始まったばかりだからね」

 

「おお神よ! この者にあなたの加護があらんことを!」

 

 

 神父は両手を大きく掲げ、オーバーアクションで目をカッと見開いた。

 普段糸目なのに、この時だけは眼力が強い、凄い。

 

 

『……これ休むって言ったらどうするんだろう……』

 

「…………? 休む? さっき起きたばっかりなのに……?」

 

『っあ、えと、ごめん、何でもないの』

 

「ふーん……? ま、いいや、神父様、やっぱ休みたいって言ったらどうするの?」

 

 

 

 

「おお神よ! この者にひと時の休息を与えたまえ!」

 

 

 

 

 神父はオーバーアクションで先程と同じように目を見開く。

 

 

「……だってさ」

 

『あ、一緒なんだ。神父様、普段糸目なのに目力強いね』

 

「ぷぷぷっ……! 目力強いって……!」

 

 

 アベルはつい吹き出してしまう。

 

 

「っ、……コホンッ。さあ、これで安心して冒険できますよ。いってらっしゃい」

 

「あっ、はい、いってきまーす!」

 

 

 神父は笑われたことが恥ずかしかったのか、普段の糸目に戻りアベルをさっさと追い出そうとする。

 アベルはアリアとプックルと共に教会の扉へと向かった。

 

 

「ね、アベル。さっきシスターが言ってたことだけど……」

 

「んー? 何だっけ……?」

 

「ほら、素敵な人がどうとか言ってたじゃない?」

 

「あぁ、そんなこと云ってたね」

 

 

 教会の扉に手を掛け、アベルは興味なさげに相槌だけ打つ。

 

 

「……確かに、素敵な感じだったよ。横顔しか見てないけど、目が優し気で、何だか……(思い詰めたような顔をしてたなぁ……)」

 

「アリアも素敵とか云っちゃうの? ……僕の方が強いかもしれないのに? 僕の方が素敵じゃない……?」

 

 

(アリアが僕以外の人を褒めるの何か嫌だな……)

 

 

 アベルはもやもやして、胸元を掴んだ。

 

 

「っ、え。だ、だって……アベルは強いけど……(子供だもん……ね)」

 

 

 アベルの言葉にアリアは「アベルも素敵だよ」と褒めておいた。

 すると、アベルは嬉しそうに満面の笑みを浮かべたのだった。

 




セーブに関して私の心の声を入れてしまいました……の回(そう書きたい時に書きたいものを書くというただのワガママ……)。

冒険の書の記録方法って、こんな感じ?
自動書記的な……ことを書いてみました。

神父スゲーでやんす。

私の人生もセーブ出来たら良かったのに!
あー、けど同じこと繰り返すのはイヤだなぁ。

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評価いただけるとモチベ上がりますので、良かったら下さいっ。
感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!
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