タイトル何なんですかね……。
では、本編どぞ。
「……なるほど、ちゃんと命令すれば聞くのね。把握したわ! じゃあアリアちゃんは以前のように闘技場から半時計回りで各コーナーを回ってね。負けが続いているお客さんに おしぼりと声を掛けてあげて。あと、コイン運びも必要ならお願いね」
レイラがパペックの扱い方を把握し、アリアに指示を出す。
「はい、わかりました」
――短時間だし、まあいっか。
アリアは快く頷いた。
「それじゃ、パペックちゃんを借りるわね。パペックちゃん、私について来て」
「パペック頑張ってね!」
アリアが応援する中、パペックはレイラに連れて行かれた。
「アリアちゃん、レイラさんに またこき使われてる~。断ればいいのに……」
「やだ、アナタ何言ってるのよ。レイラさんから言われたら逆らえないわよ」
「そうそう、有無を言わせないあの感じ、コワ~イ!」
レイラが居なくなった途端、踊り娘達がアリアに話し掛ける。
レイラは踊り娘達に恐れられているようだ……。
「ははは……、まぁ、短時間ですから……」
「無理しないでね」
「気に掛けて下さってありがとうございます。いってきます……!」
踊り娘達に笑顔で見送られ、アリアは控室を後にした。
舞台の後ろを そ~っと歩いていると、多くの観客がパペックのジャグリングを夢中で観ている。
パペックは空の瓶を次々に宙へと放り投げ、水平に一回転しながらキャッチしては放り投げを繰り返し、その本数をどんどんと増やしていった。
(パペックすごーい!)
アリアは頑張っているパペックを横目に小さく拍手を送ってから闘技場に向かう。
◇
……ピエールはスライムレース場で、パペックは舞台で、アリアは闘技場へとそれぞれお仕事に向かっている間、アベルは未だ100コインスロットを回していた。
「……おかしい……。小当たりしか出なくなって来たぞ……」
コインを注ぎ込めど注ぎ込めど、その枚数は減るばかり。
さっきまであんなに絵柄が揃っていたのに、とんと揃わなくなって来た。
時々申し訳程度にチェリーの絵柄が三つ揃うだけだ。
「……止めた方がいいのかな……。けど……」
現在のコイン枚数は10万枚弱である。勝ち続けた時に15万枚はあったというのに、気付けば5万枚も擦っている。
「……っ、いや、まだまだ……!」
――アリアのためだ……!
ドツボに嵌っている気がするが、アベルは諦めずにコインをベットするのだった。
そうして二時間程経った頃……。
「……っ、くそっ、当たりは多少出るけど増える どころが少しずつ減ってる……!!」
アベルのコインは既に8万枚を切っていた。
……惨敗である。
アベルは100コインスロットの機械の両端を掴み縋るように“頼む、頼むっ!”と俯き念じる。
そんな時……――。
「…………お客さま、おしぼりはいかがですか?」
「…………ん?(この声……)」
俯くアベルの視界に温かな おしぼりが差し出され、聞いたことのある声にアベルは顔を上げた。
「っ、アリアっ!?!?」
――その恰好……!!
アベルの目の前にバニースーツ姿のアリアが立っている。
と、同時に100コインスロットの回転リールが静止し始め、絵柄が揃っていく。
「あっ(来た!)」
一つ、二つ、三つ、四つ……と久しぶりの中当たりが来たのだった。
「あっ、すごい。中当たり~! アベルおめでとうっ」
「っぁ……。アリアその恰好……、すごく色っぽいね……」
スロットを見ながらアリアが自分のことのように喜んでくれる。
アベルは中当たりも気になったがアリアのバニー姿に釘付けになってしまった。
「あはは……久しぶりに着ちゃった」
「っ、じっと見ててもいい……?」
――また君のバニー姿が見られるなんて……!!
アベルは次のコインを賭けるのも忘れ、アリアのバニー姿に見惚れる。
「っ、じっと見るの……? っ、いいけど恥ずかしいな……」
アリアは目をギラギラさせ自分を見て来るアベルに手を組み もじもじと身体を揺らした。
「すごい……!」
「すごいって……(どういう意味……?)」
アベルが目蓋をカッと見開いて脳裏に焼き付けようと凝視する。
アリアはアベルの
(すごいよアリア……!!)
自分と同じ黒髪に白いうさみみバンド。
いつもより濃い色の艶のある紅い唇。
首に付け襟と赤いリボン、剥き出しの肩は滑らかそうに艶々して光沢がある気がする。
肌触りの良さそうな黒いハイレグのレオタードには豊満な二つの果実が窮屈そうに詰まっていた。
そして、凹んだお腹にキュッと締まった腰の括れ。
(ああ、どこでもいいから触ってみたい……!!)
アベルはゴクリと喉を鳴らす。
お尻の方をチラッと見てみれば、形の好い丸みを帯びたプリッとした二つのお肉の真ん中上部に白く丸いふわふわした大きな尻尾が付いている。
更にハイレグから覗く むしゃぶりつきたくなる太ももには網タイツときた。
忘れちゃいけない小物は手首のカフスと、黒のハイヒールもばっちり身に付けている。
今 目の前にいるのは、紛うことなきバニーガール。
それも秘かにもう一度見たいと思っていた最愛の彼女の姿だ……。
憶えておこう……、と。
……そこまでしっかり観察した後でアベルはハッとした。
「ていうか、アリアその恰好……!! そんな恰好で歩いちゃダメでしょ!!」
「わっ!?(アベルっ!?)」
アベルはアリアの手を引き、彼女を自分の目の前に立たせ背後から抱きしめるとマントで覆い隠す。
「……なにやってんの……! そんな衣裳着るなんて聞いてないんだけど……!?」
「え、だって、私の仕事って言ったらコレなんだけど……? お仕事のお手伝いしていいって言ってたよね……?」
――っていうかアベル、バックハグはドキドキしちゃうからやめて~~!
アベルのちょっと怒ったような声が耳元に響いて、アリアはぞくぞくと身体を震わせた。
「ダメだよ。アリアのバニーガール姿は僕の前だけにしてよ」
「そんなこと言われたって…………………………………………っ……アベル放して……? こんな公共の場で抱きしめられたら 私めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど……」
アリアは縮こまって狼の巣に飛び込んだウサギの気分で身体を震わせている。
そんなアリアをアベルは見下ろし、眉を顰めた。
「はぁ? 恥ずかしい? 何言ってんの。そんな恰好してる方が恥ずかしいでしょ。アリア、君、自分が他人からどう見られてるとか気付いていないのかい!?」
「他人からどう見えるとか気にする必要あるの……?(ゲームの中なのに……?)」
アリアがアベルを見上げようと顔を上げるが、アベルはお冠である。
「あるでしょうが!! っていうか僕が気にするんだよ……。君は僕の恋人なんだから……」
アベルの大きな声がしたと思ったら次には意気消沈。アリアの耳元で囁くように告げていた。
「ぁっ! ……えっと…………。ごめん……もうちょっとしたら終わるから出るね……」
――くすぐったいっっ!!
アベルの吐息にアリアはビクッと肩を揺らし、アベルの腕から逃れようとするのだが、
「だーめっ!!」
アベルの腕がアリアの腹に触れ、より一層強く引き寄せられてしまった。
見せびらかしたい人も居るとは思うけど、自分の彼女の艶姿など他人の目に触れさせたくないものです。
いつもイチャついてなんかスミマセンw
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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!