ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

みのむし……。

では、本編。



第三百八十八話 嫉妬するミノムシ

 

 バニーが一通り話し終えた所で……、

 

 

「これ……、女性にプレゼントしたら喜んでくれますかね?」

 

 

 この世界の人々は自らに課せられた台詞(制約)さえ吐き出してしまえ(クリアできれ)ば いくらでも喋ってくれる。

 アベルは既に交換してしまったが、再度訊ねてみたのだった。

 

 

「そうですねぇ……、好きな男性に贈られた物なら嬉しいんじゃないでしょうか」

 

 

 バニーは顎に手を当て考える素振りをしながら答える。

 やはり言わなければならないことを言ってしまえば解放されるようで、バニーはニコニコ、「喜ばれるといいですね!」と応援してくれた。

 

 

「……だといいんですけど……」

 

 

 ――アリア、喜んでくれるかな……?

 

 

 バニーの返答にアベルは少しだけ自信を持つ。

 アリアの笑顔を期待したアベルは僅かに口角を上げた。

 

 

「お客さん、宜しかったら綺麗に包装致しましょうか?」

 

「えっ、そんなことまでしてくれるんですか?」

 

「ウフフッ、お客さん格好いいし、サービスですよ♪」

 

「えっ」

 

 

 バニーがちょっぴり恥ずかしそうに【キラーピアス】を包装してくれると云うので、アベルは包装してもらうことにする。

 メッセージカードも添えてくれるというので、アベルは照れつつもアリアに向け一言書いた。

 

 そうして箱に入れられ可愛らしくラッピングされた【キラーピアス】を受け取ると【ふくろ】に仕舞い、アベルはアリアの元へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま、お待たせアリア」

 

「……………………………………………………おかえり、遅かったね」

 

 

 アベルが戻って来ると、アリアは蓑虫のまま不機嫌そうに頬を膨らましている。

 

 

「あれ……? ……機嫌……悪い……?」

 

「……別に……?」

 

「っ、うっそだぁ~! 頬っぺた膨らんでるよ?」

 

 

 アベルはアリアをじっと見て、何となく彼女の機嫌が悪そうだと感じた。

 ……アリアの膨れた頬をつんつんと突いてやる。

 

 

 ――アリアの頬っぺ、柔らかくて気持ちいいなぁ~!

 

 

 指先に触れた柔らかい感触にアベルは目を細めた。

 

 

「っ……、アベルが私を放っておくから……」

 

 

 ――景品交換所で先輩と楽しそうに話なんかしちゃってさ~!

 

 

 笑顔で手なんか握ってたし……!

 

 

 優し気に目を細め見下ろしてくるアベルをアリアは下からじっと見上げる。

 アベルと景品交換所のバニーのやり取りを知らないアリアは遠目だが、二人が笑顔で会話しているのを見て妬いていたらしい。

 手は握っていないが【キラーピアス】を受け取る際にアリアからはそう見えたようだ。

 

 

「ごめんごめん。すぐ戻るつもりだったんだけど、ついでに景品交換をして来たんだ」

 

「ふーん」

 

「………………なんか、ご機嫌ななめだね……。あ、そうだ、パペックすごいね。何か舞台の方で皆を躍らせてたよ」

 

 

 あれ見てよ、とアベルは舞台を指差す。

 アリアの不機嫌の原因がわからないアベルは別の話題にすり替えた。

 

 舞台ではパペックがいつの間にかジャグリングを止め【さそうおどり】を踊り、観客を躍らせている。

 踊らされている観客は「身体が勝手に~!」「何コレ~!?」「踊りたくないのに~!」「キャ~楽しいっ!」と悲喜こもごもで周辺の人々は皆クネクネしていた。

 

 その中にはレイラも含まれ、涙目でダンスを踊らされていたのだった。

 

 

『これは計算外よっ!!』

 

 

 と微かに聞こえたが、たまには誰かに主導権を握られるのもいいだろう。

 

 

「……見てたもの、知ってるよ。……アベル、私着替えるからマント取って」

 

「……っ……アリア……。何で不機嫌なの? 僕何かした?」

 

 

 アリアの声が冷ややかで、アベルは彼女の頬に手を添えじっと見下ろす。

 

 

 ――思ってることがあるなら、言ってくれればいいのに……。

 

 

 アリアが教えてくれなければ怒っていることは察せるが、それ以上はわからない。

 アベルは自身を察する能力が低い男だと思っている。

 彼女が自分を好きでいてくれていること以外、何を考えているのかなんて未だによくわかっていないのだ。

 だからアベルは彼女が思っていることを話してくれればいいのにと願っていた。

 

 けれども、アリアは。

 

 

「……………………………………………………ううん。ごめん、私大人げ無かった。………………ふぅ。……………………もう、大丈夫」

 

 

 ――私、こんなに嫉妬深かったっけ……??

 

 

 アベルに優しく触れられた頬が熱くて、アリアは顔全体が熱くなっていくのを感じる。

 アベルが自分以外の女性と話しているのを目の当たりにして、胸がざわついてしまったことが恥ずかしかった。

 

 

「……そうかい……? 無理してない?」

 

 

 ――あれ? 今度は顔が真っ赤に……?? アリアって読めない……!

 

 

 そこがいいんだけど……とアベルは耳まで紅く染めるアリアの頭を撫でる。

 

 

「ううん、無理してないよ? ごめんね、アベル。大好きだよ」

 

「っ……!? あ、うん……僕も……」

 

 

 急に“大好き”と云われ、アベルの胸がキュンと疼いた。

 アリアはそれ以上ツッコまれないよう、誤魔化すため云っただけなのだが、アベルには効果があったようで それ以上追求されることは無かった。

 

 

「ね、アベル。着替えたいなっ」

 

「そうだね。その恰好をいつまでも させておくわけにはいかないな」

 

 

 アリアが再び着替えを申し出ると、アベルは蓑虫アリアの背中と膝裏辺りに腕を持って来て……

 

 

「う、わっ!? アベルっ!?」

 

 

 アリアを横抱きに抱え上げたのだった。

 

 

「控室に連れて行けばいい?」

 

「っ……ぅん……(恥ずかしい……)」

 

 

 アリアは恥ずかしさに、皆の視線から逃れるようにアベルの胸に顔を埋める。

 刹那、アベルの口から色っぽい声が零れた。

 

 

「ンッ……っ、アリア、僕にイタズラしちゃダメだよ……?」

 

「っっ!? な、何言ってるの!?(ていうか、何て声出してるのっ!?)」

 

「っ……アリアの吐く息が熱くて興奮する……」

 

 

 アベルは基本的に素直である。

 思ったことはその場で口にしてしまうことが多い。

 

 そんなアベルの頬は紅潮していた。

 

 

「ちょっ、そんなこと言わないでよぉ……」

 

 

 アリアが涙目でアベルを見上げる。

 するとアベルも彼女を見下ろし、鼻息荒めで口角を上げた。

 

 

「アリアはエッチだなぁ……」

 

「どっちがよ~。アベルが敏感過ぎなんでしょぉっ!」

 

「え、僕、敏感? ちょっと触ってみてくれる!?」

 

「腕出せないんだから触れないよっ(今の私、みの虫みたいじゃない!?)」

 

「そっか。じゃあ唇で触って?」

 

「何言ってるのっ!(ヘンタイ!)」

 

 

 そんな言い合いをしながらアベルは舞台で踊るレイラを横目に控室へアリアを連れて行った。

 




思っていることを素直に言えたら苦労はしないわけで。

アリアはヤキモチ焼きです(ルラフェンでもこんがり焼いてたね)。
アベルめっちゃ愛されてるのに本人知らないでやんのw

そして、アベルさん結構強気な行動を取るようになって来ていますね……。

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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