ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

ただのイチャイチャ回……。

では、本編どぞ。



第四百十話 部屋は別々で

 

 

 

 

 

 その後アリアは食事の準備をするからと修道院に戻り、アベルは独り残される。

 ……――仲魔達の様子を見てから空が夕焼けに染まる頃、アベルも修道院に戻った。

 

 夕食を修道院のみんなで摂り、今回はアベルとアリアの仲が周知されていたようで、アリアと隣同士に座ったアベルは終始笑顔だった。

 アリアも楽し気でアベルと目が合うと昼間のキスを思い出したのか頬を染める。

 そんな彼女の態度にアベルが目を細くすると、アリアも照れ臭そうにはにかんでいた。

 

 シスター達はニヤニヤする者、ニコニコする者、よくわかっていない者と分かれアベルとアリアを眺めている。

 それに気付いたアリアは「こ、こっち、見ないで下さいよ……」と気まずそうに顔の前に手を掲げ顔を背けていた。

 

 そんな中、

 

 

「……アベル。ここは修道院ですから、きちんと規律を守って下さいましね」

 

 

 マザーがアベルに向けて目をうんと細くし、口元は弧を描かせる。

 目を細くしただけで、実際は笑っていない気がした。

 

 もしや昼間の二人のアレ(・・)を見られたのだろうか……。

 

 

「規律……」

 

 

 アベルは ぼそっと零す。

 

 

 ――そう言われても僕もアリアも修道女じゃないし……。

 

 

 守らなくても大丈夫だよね……! とアベルは思ったが、見通しが甘かったようだ。

 

 

「そうだわ。結婚の約束をした二人が一つ屋根の下で過ごすのですから、相部屋にするわけには参りませんわね」

 

「えっ!?(むしろ逆でしょ!?)」

 

 

 思わぬマザーの台詞にアベルは面食らってしまった。

 

 

 ――結婚するんだから相部屋にすべき……!

 

 

 アベルが口を開こうとすると、マザーは既に隣のアリアに笑顔を向けていた。

 

 

「アリアさんは特別室をお使いなさい。アベルは客室でいいかしら?」

 

「あ、はい。ありがとうございます」

 

 

 マザーに言われて、アリアは素直に頷く。

 

 

「っ! それはいy……!(ってアリア! 何あっさり了承してるんだ!?)」

 

「……シスター達には刺激が強いでしょうから……、そこは頼みますわ……」

 

 

 アベルが「それは嫌です!」と口にしようとするとマザーは“コホン”と気まずそうに咳払いをした。

 何を想像したのかは知らないが一部のシスター達の頬が ぽっと紅く染まる。

 中でもポッシスは動揺が激しくスプーンを床に落としてしまっていた。

 

 

「アベル、ここ修道院だから……」

 

「ぅ……、そ、……そうですね……」

 

 

 紅い顔をしたアリアに上目遣いで窺われてしまい、アベルは仕方なく了承し、ふと気付く。

 

 

 ――あれ……? 屋根の修繕でアリアの僕に対する好感度は上がったと思うけど……、二人きりになるのが難しくなったんじゃ……?

 

 

 そう悟ったアベルだったが、後の祭りだ。

 これから屋根の修繕が完全に終わるまで、夜アリアと一緒の部屋で過ごすことは無いことが確定してしまった……。

 

 

「……おやすみ、アベル」

 

 

 ……いつの間にか食事も終わり、アベルはアリアを特別室の前まで送っていた。

 

 その様子を寝室へと向かうマザーが わざわざ足を止め、柱の陰から遠目で見張っているためアベルが特別室に入ることは許されない。

 

 

「お、おやすみ……?(おやすみのちゅーは……?)」

 

「……今夜から おやすみのキス出来ないの残念だな~……(今日はいっぱいしてもらったからいいけど……♡)」

 

 

 特別室の扉に背を預け、チラッとマザーを窺ってからアベルを見上げアリアは笑顔で告げる。

 可愛くはにかむアリアにアベルは息を詰まらせた。

 

 

「っ……!?(おやすみのちゅーくらい いいでしょ!?)」

 

 

 ――僕だってそうだよ……!!

 

 

 アベルは一瞬だけキスしてやるとばかりにアリアの頬に手を添えた。

 

 

「ふふっ、なんてね? ……アベル、明日から忙しくなるし、今夜はゆっくり休んでね」

 

 

 アリアは優しく微笑み 指先に自らの唇を触れさせると、その指でアベルの唇に触れる。

 “これならバレないよね?”と小さな声で笑っていた。

 

 

「う、うん……(間接ちゅー……)」

 

 

 アリアからの行為はとても嬉しいものだったが、今のアベルはそれだけでは足らない。

 

 

 ――っ、ぁあぁああああっ!! 僕のバカぁああああああっ!!

 

 

 昼間あれだけ あちこちアリアに口付けし放題だったのに、アレが最後でしばらくお預けとか聞いてないんだけど……!?

 

 

 アリアにいいところを見せたいと思うあまり、判断を誤ったかもしれない……とアベルは絶望的な顔でアリアに唇を近づけて行く。

 

 

「っ……こんなんじゃ足りないよ……」

 

「めっ」

 

 

 勢いで口付けようとしたアベルだったが、アリアの手がアベルの顔面に押し付けられた。

 

 

「っぅ……アリアぁ……。あんまりだよ……ずっと我慢しろっていうのかい……?」

 

 

 俯くような恰好でアベルの声が震える。

 つい甘えたような声が出てしまっていた。

 

 

「……我慢って……。資材調達の時とか、お休みの時はどこか他の町に泊まってもいいんじゃないの?」

 

「えっ?」

 

 

 アリアの話にアベルは顔を上げる。

 

 

「……マザーは修道院内でするなって言ってただけで……、何も私達の仲を引き裂こうとしているわけじゃないよ?」

 

 

 マザーの意図を理解したアベルが立ち直るのは早かった。

 

 

(ということは つまり……、ずっとアリアと いちゃいちゃ出来ないってわけじゃないのか……)

 

 

 そう理解したアベルは次には光明を見出したように晴れやかな笑みを浮かべる。

 

 

「そっか、わかった! なら我慢するよ! じゃあ早速明日から資材の調達だね!(そしたら道中ハグして、キスしてやる……!)」

 

「……ぷっ! あははっ! アベルってば……!(可愛いんだから……!)」

 

 

 アベルが明るい笑顔を見せるとアリアは吹き出してしまった。

 アリアは手を伸ばしてアベルの頭をそっと撫でる。

 

 

「……アリア、おやすみ」

 

 

 ちゅっ、と。

 

 

 アベルはアリアの手を取り、その手の甲にキスしてから客室へと向かった。

 

 

「アベルったら……(キザなんだから……)」

 

 

 ――アベルのこういうところも好きなんだよね……。

 

 

 アリアはアベルを見送り特別室に入ると、口付けられた手の甲に自らの唇を押し当てる。

 昼間たくさんアベルにキスをされ身体がムズムズして切なくなったが、心は満たされていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方でアベルは……。

 

 

 客室のベッドで屋根のない空を見上げる。

 

 

「星が綺麗だなぁ……」

 

 

 アリアと一緒に見たかったなと思いつつ、次第に微睡(まどろ)んでいく。

 

 

 ――今日は良く眠れそうだな……。

 

 

 アリアが隣に居ないため、今夜はよく眠れそうだ。

 これはこれでいいかもしれないと気付いてしまったアベルだった…………とさ。

 

 




アリアは傍に居て良し、少し離れて居ても良し。

シスター達には刺激が強いので、しばしアベルとアリアは修道院裏で逢引することになりました。

見つかったらポッシスあたりは卒倒しそう。
いや、でも興味津々で窓から覗いてたりして。

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読んでいただきありがとうございましたっ!
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