ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

いちゃこらしながらサブクエをクリアしていきたいと思います。

では、本編どぞ。



第四百十一話 サブクエ:資材を調達せよ

 

 

 

 

 

 ……次の日からアベル達は忙しかった。

 

 資材調達には木こりが足りずに苦戦。

 アベルはアリアと共にオラクルベリーだけでなくアルカパにも足を延ばしたが、どこも木材が足りていないとのことだった。

 

 今日は【ルーラ(呪文)】移動のため、パトリシアと馬車は修道院に置いて来ている。

 メンバーはアベル、アリア、ピエール、プックルの四人だ。

 

 残る仲魔の、スラりん、ホイミン、パペック、サイモンは今頃修道院にてシスター達の手伝いをしていることだろう。

 

 

「木こりか……僕は樹を()ったことが無いからなぁ……」

 

「木こり……? ね、アベル、私達木こりの知り合いがいたと思うんだけど……」

 

 

 アルカパの町の入口でアベルが首を捻る中、アリアが誰かを思い出したように口にする。

 

 

「え?」

 

「ほら、熊みたいな男の人……」

 

「あっ、オルソーさん!?」

 

 

 熊みたいな男といえば、魔物に襲われた集落に住んでいた熊男のオルソー……。

 確か彼は木こりだった。

 

 

「そう! オルソーさん! 私達を結び付けてくれたキューピッド!」

 

「キューピッド?」

 

 

 キャシーは知っていたキューピッドだったが、アベルは知らない様子で繰り返す。

 

 

「ふふっ、恋愛の神様だよ? 天使にそっくりなの」

 

 

 アリアが笑顔で教えてくれた。

 

 

「えっ!? オルソーさんが天使!? 熊なのに!?」

 

 

 アリアの説明にアベルはオルソーの背に翼が生えた姿を想像する。

 体毛の濃い筋骨隆々な熊男(しかも四十路)に真っ白な翼……、ここまで想像してげんなりしてしまった。

 

 

 ――ナイナイっ! アリアなら似合うけど……!

 

 

 アベルは困惑し、しょっぱい顔をする。

 

 

「ぷっ! アベルの顔っ! ふふふっ、そうだけどあの人とってもいい人だったじゃない」

 

「確かに……。僕達のキューピィ……ブフッ!」

 

 

 アベルはそれ以上言えずに吹き出してしまう。

 どうしても四十代の厳つい中年オヤジの背に天使の翼が似合うとは思えなかったのだ。

 

 

「うふふっ、キューピッドはともかく。彼、木こりだから訊いてみるのもいいんじゃないかな? 私達は移動呪文(ルーラ)が使えるし、多少は資材を運べると思うの」

 

「なるほどね、確かに」

 

 

 アリアの話にアベルは真面目な顔で腕組みし何度か頷いた。

 

 ポートセルミやルラフェンで災害に遭った話は旅の間 聞いていない。

 西の大陸では大きな被害が出るような災害は今のところ無いのかもしれない。ならば資材が手に入る可能性はこの大陸よりは高い。尋ねてみる価値はありそうだ。

 

 そう考え至ると、アベルはアリアを褒めていた。

 

 

「アリアよく気が付いたね……! オルソーさんなら融通してくれるかもしれない……!」

 

「ふふっ、アベルに褒められちゃった。うれしいな……♪」

 

 

 アベルに褒められアリアは破顔する。

 ちょっぴり照れ臭そうだ。

 

 

「アリア、えらいえらい! ちゅーしてあげるね……!(照れ顔のアリアもカワイイ……! キスしたい……!)」

 

 

 照れ臭そうに微笑むアリアに萌えたアベルはつい調子に乗って彼女の肩を引き寄せキスをしようと迫っていた。

 

 が、さすがはアリア。

 

 すかさずアベルの顔面に両手を突き出しそれを制止する。

 元々素早さの能力値が高い彼女だが、こういう時の行動は特に素早かった。

 

 

「っ……ンもう……アベルっ、人前でしょっ! ここじゃダメだってばっ」

 

 

 アリアは頬を真っ赤にして迫り来るアベルの顔を何とか押さえている。

 

 

 ――ピエール君達だけじゃなくて、町の人達も見てるんだよ……!?

 

 

 アベル達のすぐ傍を先程から ちらちらと横目に、道行く人々が行き交っていた。

 魔物を連れているのが珍しいということに加え、アベルとアリアの見目も影響しているのかもしれない。

 ただでさえ目を引いてしまう一行である。

 こんな場所でキスなどしてはアリアは羞恥に泣き出してしまうだろう。

 

 止められたアベルだったがキスしたい衝動に駆られてしまったので、諦めきれずに顔に当てられたアリアの手首を掴み、手の平に口付けすることにした。

 

 アリアの手の平、指、指先にアベルは唇を触れさせていく。

 ちゅ、ちゅっ、チュ……と小さな水音がした。

 

 

「っ……アベルっ! っ、ダメだったら……!(何てことを……!!)」

 

「えー……手もダメ?」

 

 

 アリアが驚きに満ちた赤い顔で手を震わせるので、アベルは不服そうに口を尖らせる。

 

 

 ――アリアって僕が我儘言っても嫌わないよね……何か受け入れてくれてる感じがするんだけど……どうなんだろう……?

 

 

 アリアに愛されている自信がついて来たのか、アベルは彼女の様子を窺いながら試すように少し我儘に振舞ってみた。

 

 

「っ、ダメだよ……ここじゃイヤだって言ってるのに……もぅ、……ホント、勘弁してよぉ……(急にキスばっかりするようになっちゃって……)」

 

 

 アベルの態度にアリアの瞳が潤む。

 

 

 ――甘えてくれて嬉しいけど、今は恥ずかしいよ~~っ!!

 

 

 先程から人々にチラ見され、アリアは気が気じゃない。

 アベルの恥ずかし気もない様子に、なぜ平気なのかと問いたかったが目蓋をぎゅっと閉じるので精一杯だった。

 

 

「っ、……じゃあ、さっさとここを出てポートセルミに向かおうよ。早くキスしたい……っ、早く早く!」

 

 

 ――アリア、抵抗しないんだ……!?

 

 

 アリアの手首を掴んでいたアベルだったが、力は殆ど入れていない。

 嫌なら抵抗して逃げられるのにも関わらずアリアは目を瞑るだけ……。

 

 アリアの態度に気を良くしたアベルは彼女の手を引いてアルカパを出ることにし、駆け出した。

 

 

「っ……も、もぉ~……(アベルってば……!)」

 

 

 繋がれた手に頼もしさを感じながら、アリアはもう片方の手で熱い頬に触れる。

 

 

 ――私だって、いっぱいキスしたいんだからね……っ!

 

 

 アリアは自分を導くアベルの大きな背に胸を高鳴らせていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 アルカパを出るとアベルは森の中へと移動、ピエール達に「ちょっと待ってて」と告げ、アリアを木陰に連れ込み口付ける。

 

 

 

 

(私、アベルに甘いかも……?)

 

 

 

 

 アリアは昨日と同じようにアベルの気が済むまでキスをさせると、ぼーっとする頭で口を開いた。

 

 

「ハァ……、ね……、アベル、そろそろ行こ……?」

 

「っ……、ぅぅ……」

 

 

 アリアの頬は紅く、惚けたような顔をしている。

 彼女の吐いた吐息がアベルの耳に触れ、アベルは苦悶の表情を浮かべた。

 

 

 ――っ、不用意にアリアにちゅーしたらダメだな……もっと欲しくなって来た……!!

 

 

 未だキス止まりのアベルはアリアの表情に()てられ、もう少し関係を発展させたかった……が、今は目的地を目指さねばならない。

 

 今日はオルソーに会い木材を譲ってもらえないか訊ねる。譲ってもらえるなら価格交渉もきちんとしなければならない。

 

 ……それが今日の仕事だ。

 

 そして修道院に戻ったらアリアといちゃいちゃ出来ない。

 

 

 下手に彼女に触れてしまうと自制が効かなくなりそうで辛かった。

 

 

「……アベル……どうしたの……? ピエール君たちも待ってるよ……?」

 

「っ、ごめん、うん。そうだね、そろそろ行こうか……」

 

 

 ――っ、可愛い、辛い……! あぁ、もう……!!

 

 

 ぽ~っとした赤い顔のアリアが首を傾げるとアベルは彼女の手を引いて抱きしめる。

 

 

「アベル……?」

 

「……アリア……、修道院じゃ抱きしめることも そう出来ないだろうから、少しだけこうしてていい?」

 

「……あ、うん、じゃあ私も……」

 

 

 アベルの背にアリアの手が回る。

 自分の腕の中にすっぽりとおさまる小さな彼女が愛おしくて、アベルの鼓動は高まっていくばかりだ。

 

 

「アリア……」

 

「えへへ。アベル温かい……、……すきだよ」

 

 

 アリアから小さい呟きが聞こえる。

 想いが通じ合ってからというもの、何かと気持ちを伝えてくれる彼女にアベルは安心感を得ると同時、切ない胸の痛みも感じた。

 

 

「っ……! くぅっ……!!(何これ胸がキュンキュンする……っ!!)」

 

 

 バッ! とアベルは強引にアリアを押し剥がす。

 

 

「っ!? ……ア、アベルどうかした?(嫌だった……!?)」

 

 

 アベルの突然の行動にアリアは面食らい、目を瞬かせた。

 

 

「っ、ごめん、アリア。僕今、君を襲っちゃいそうだから離れて……!」

 

「っ!?」

 

 

 アリアはすぐにアベルから距離を取る。

 

 

「ぁ……っ、それヘコむ……」

 

 

 自分で言った癖にアベルはアリアに避けられ、項垂れてしまう。

 絶望したように顔が青褪めていたのだった……。

 




オルソー……! また出すとは思わなかったw
厳密にはここで出すとは思わなかったですね……。
ノアは後々出す予定ではいたんですけども。

相変わらずノープロットで書いていますがちゃんと繋がってますね。良かった良かった。

イチャイチャがデフォになって来たのでサラッと「ハイハイこの展開ね~」と笑って流して頂けると嬉しいですw

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読んでいただきありがとうございましたっ!
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