ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

アリアさん……。

では、本編どぞ~。



第四百十四話 アリア、懐柔される

 

「えぇ……? そりゃ淋しいけど……でもお金無いとアベルに迷惑掛けちゃうし……、でも近々(きんきん)でお金が必要なのは事実でしょ? 修繕費の足しになるなら私は……」

 

「お金が無くてもアリアの面倒はみるよ?」

 

「アベル……ありがと」

 

 

 お金ならまた働くなり、戦うなりして稼げばいいし……とアリアが思っていると、アベルが諭すように話し出す。

 

 

「けどアリア、君が身銭を切る必要はないんじゃないかな……マザーだってそんなこと望んでないよ……?」

 

「そう、かなぁ……? 前世ではお金を出したら みんな喜んでくれてたんだけどな……。私にはそれくらいしか出来ないからって思ったんだけど……違うのね……」

 

 

 アベルの説得にアリアは「うーん」と難しい顔で考え込んでいた。

 

 

「アリア……。良かったらそれ、どういう状況だったか訊いてもいい?」

 

 

 アリアの様子が気になったのかアベルは訊ねる。

 アリアの前世の話はいつも興味深い。

 

 

「え? あ、うん。ほら、前世での父親とか、付き合ってた人とか、友達にね、お金あげたりその人のために使うと喜んでくれたんだ。ふふっ、普段は冷たい人達もお金あげた時だけはみんな凄く優しかったな」

 

「っ……、歪んでる……。ね、アリア。気付いてるかわかんないけど……それ利用されてただけじゃないかな? ……わかる?」

 

 

 アベルは笑顔で話すアリアに、口角は上げつつも眉根を寄せて複雑な顔で首を傾げた。

 

 

「……ぅっ……利用、か……、そ、そうだよね……。自分で話してて今気付いたよ……。そうだよ……、それが嫌になって離れたんだった……」

 

 

 ――みんなの望む様にしていただけだけど……利用されていただけなんだね……。

 

 

 私は必要とされたことが嬉しかったから別に良かったんだけどな……人間関係って難しいなぁ……。

 

 

 ……異世界に来てアベルやマザー達に優しくしてもらい、何となく好意と悪意がわかって来たアリアだった。

 

 

「僕はアリアがお金を持っていても いなくても好きだし、マザーだってきっとそうだ。アリアから何かを奪おうなんて気はないんだよ」

 

「アベル……」

 

「自分も苦にならないで、相手が快く受けられるだけの手伝いをしようよ。過ぎた施しはお節介になるよ? その方がマザーも喜ぶはずだ」

 

 

 アベルの話にアリアは手を組むと瞳をキラキラと輝かせる。

 

 

「っ……アベルって大人ね……すごい……。私も結構な歳だけど……やっぱり何度も人生を繰り返してると違うのね……」

 

 

 アリアが前世で亡くなったのが二十八歳だと知っているが、アリアは時々大人の色香を覗かせることはあるものの、その言動に歳の差を感じることは殆どなかった。

 年相応じゃないか……と、アベルは思う。

 

 

「っ…………ははっ、そうかなぁ、それほどでも……(いや、アリアってどこをどう見ても年相応だよね?)」

 

 

 ――時々大人っぽいこともあるけど……そこがまたいいっていうか……君ってホント、不思議な女性(ひと)だよね……。

 

 

 アリアに尊敬の眼差しを向けられアベルは頭の後ろを掻き掻き照れていた。

 その後で二人は銀行待ちの列から抜けて、オラクルベリーを後にしたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでアベルさまが修繕を申し出たと……」

 

 

 アベルがオラクルベリーでの回想から戻って来ると、ヨシュアが腕組みして頷いていた。

 

 

「ええ、まあ……(アリアにいいところ見せたいし……!)」

 

「……お二人はその……、恋人同士だとか……。結婚もいずれすると……」

 

「……はい、その通りです」

 

 

 ヨシュアの質問にアベルは はにかみ答える。

 

 

「そうですか……。アベルさま」

 

「なんでしょう?」

 

「……運命の出会いって何なんでしょうね。……はぁ」

 

 

 ヨシュアがアベルに訊ねておいて目を逸らすと、ため息を一つ。

 

 

「ヨシュアさん……?(運命の出会い……? 僕とアリアみたいな……?)」

 

「……あ、いや……。何でもない……もう寝よう」

 

「はぁ……おやすみなさい(何なんだ……?)」

 

 

 ヨシュアが背を向け横になるのでアベルも背を向け目を閉じた。

 

 

 ……明日から本格的に忙しくなりそうだ。

 

 

 あまりの仕事の多さに一度に捌くことは出来ないが、毎日少しずつ仕事をこなしていくしかない。

 

 オルソーから安価で譲ってもらった材木をパトリシアだけでは運ぶのが大変そうだったので、ノアを借り共に修道院内の保管場所へと運んだり(パトリシアとノアはそれはもうラブラブだった)、風で飛ばされたという鐘を探しに行ったり。

 屋根の修繕だけでなく修繕費用稼ぎの物品販売に出たり、たまに仲魔達の様子をモンスターじいさんの元へ見に行ったり……。

 

 多忙の中にあってもアベルはアリアとの時間を作り、二人の仲を深めていった。

 そんな毎日が目まぐるしく過ぎて行く。

 

 

 

 

 ……そうしてアベル達が修道院に滞在し、気付けば八か月の時が流れていた――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……修道院の裏で「はぁはぁ……」とアリアの熱い吐息が唇から漏れ聞こえる。

 

 

「ん……、っ……ぁっ……だ、め……」

 

 

 修道院の屋根は ほぼほぼ修繕が終わっていた。修繕が完了するまで あともう一息。

 

 ……今日は大工の休みの日だ。

 

 アベルとアリアは午前中は休み、午後からシスター達の作った物品を売りに行くことになっていた。

 そんな休み時間にアベルとアリアはいつも密会に使っている修道院裏で二人睦み合っているわけだ。

 

 

「はぁ……、アリア……。だめ……? これ好きでしょ……?」

 

 

 ――アリア好い匂い……柔らかい……すき……。

 

 

 アベルは修道院の外壁に背を預け胡坐を掻き、熱い吐息を吐き出すアリアを横に抱くように膝の上に座らせている。

 アリアの様子を窺いながらアベルが彼女の耳朶(みみたぶ)を甘噛みし、手は彼女の片方の たわわに触れ優しく揉んでいた。

 

 アベルの手がやわやわと動く度、アリアは小さく「んっ、んっ」と声を我慢するように呻いている。

 

 

「ンンッ……ぁっ。でもダメ……、ここ修道院なんだもん……」

 

 

 ――アベルってば、いつの間にか私のおっぱい揉む様になっちゃっても~……。

 

 

 アベルから与えられる刺激にアリアは肩を揺らすが逃げたりはしなかった。

 

 

「……はぁ、はぁ……。今夜はオラクルベリーに泊まる……?」

 

 

 アベル達は基本的には修道院に寝泊まりしていたのだが、仕入れの都合や休日に時々オラクルベリーに泊まることもあった。

 

 

 ――今夜こそアリアを僕のものに……!?

 

 

 未だ清い関係の二人ではあったが、アベルは八か月掛けてアリアに少しずつスキンシップをしてきていた。

 そろそろアリアを手に入れてもいい頃合いかなと思っていたのだが……。

 

 

「っぁ、ダメだってば……。私達まだ早いって言ってるでしょ……」

 

「……何もしないよ……?」

 

 

 ――まだ許してくれないのかな……?

 

 

 アリアが頭を左右に振り振り拒否するので、アベルはたわわを揉みながら窺う。

 説得力がまるでないことに気付いていなかった。

 

 

「っ、嘘吐きぃ~。もうしてるしっ。この間お風呂に入って来たじゃない……(泡風呂だったから裸見られずに済んだけど……)」

 

 

 ――アベルのは見えちゃったんだよね……。

 

 

 ……前回オラクルベリーで一泊した時のことである。

 アリアはオラクルベリーの宿屋の風呂に全裸で入って来たアベルをまともに見てしまい鼻血を出していた。

 

 

 ――っ、凄かった……あ、あんなの……む、無理……。

 

 

 八か月の間少しずつ懐柔され一度くらい抱かれても……なんて思い始めていた矢先、アベルの戦闘態勢に入ったモンスターが現れアリアは驚愕。

 

 アレで致してしまうと恐らく逃げられない。

 “……何が何でも操は守らねば”と誓っていた。

 

 

 

 

「お風呂くらい一緒に入っても良くない? 昔、好きな者同士なら入ってもいいってアリア言ってたよね……?」

 

「よくないよ?」

 

「えー……アリアのケチ……。僕の身体好きな癖に……」

 

「ひゃっ!?」

 

 

 不意にアベルはアリアを強く抱きしめる。

 互いの胸が隙間なく密着した。

 

 

「……アリア。っ、僕、もう少しだけなら待てるよ……?」

 

 

 ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、とアベルはアリアの耳裏から首筋に掛けて口付けを落とす。

 

 

「っ……くすぐったぃ……!」

 

「……アリアもそろそろ我慢できないでしょ……?」

 

「っ、アベルのえっち……!」

 

「……うん、僕えっちなんだよね~……。アリア限定だけどさ」

 

 

 れろ~っと、アベルはアリアの首筋に舌を這わせた。

 

 

「ひゃぅ……!」

 

 

 アベルからの刺激にビクビクッとアリアの全身が震える。

 

 

「……フ、感じてるの……? 可愛いね……アリア、いつか僕のものになってよね」

 

「っ……、ん……」

 

 

 アベルが煽るように告げるとアリアの唇を塞いで今度は口内に舌を這わせた。

 アベルの熱がアリアの頭の中を混乱させていく。

 

 

 ――アベルのモノになんかなるもんかっ……!! イケメンで優しくて、大きいとかどんだけよ……! ……アベル大好き……♡

 

 

 アベルなんかビアンカちゃんかフローラさんとさっさと結婚しちゃえばいいのに……!

 

 

(そしたら私なんかすぐに忘れるんだもの……。)

 

 

 八か月の間にいつの間にか 乳揉みもべろちゅーも許してしまったアリアはアベルにされるがままに受け入れる。

 

 甘い口付けに蕩けそうになりながらも、心のどこかがチクチク痛んで辛かった。

 

 

 

 

 ……それから数日後。

 修道院の修繕は全て完了した――。

 

 

 




アベル、八か月の間にアリアに何してたんですかね……。
アリア、ダメダメ言うてるだけで許しちゃってる……w

でもこの二人まだやってないんだぜ……!

今回切りどころが……以下略。
いつもよりちょっと長めです。

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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