ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

アリアのおねだり……何なんでしょう。

では、本編どぞ~。



第四百二十五話 アリア、おねだりする

 

 

 

 

 

「はぁ……」

 

 

 アベルは頭を抱え項垂(うなだ)れる。

 そんなアベルの元にピエールと会話を終えたアリアが戻って来ていた。

 

 

「アベルどうしたの……?(疲れてるのかな……?)」

 

「あ、アリア……何でもないよ。……そんなことより、その泥……何なんだい?」

 

 

 アベルの隣に腰掛けるアリアの肌に付いた泥が乾き始め、彼女はカリカリと爪で掻いて泥を落とし始める。

 

 

「あ、これ? ふふっ、泥パックだよ」

 

「どろぱっく……??(ナニソレ?)」

 

 

 アベルは目を瞬かせた。

 

 

「ヌーバの泥がすっごくきめ細かくてね。もしかしたらお肌にいいんじゃないかと思って……!」

 

「お肌………………………………ぷっ! はははっ!! アリア、君って本当面白いよね……!!」

 

 

 アリアはヌーバの泥を化粧品代わりに使ったらしい。

 彼女の説明にアベルは さっきは我慢出来たが堪え切れずに吹き出してしまった。

 

 

「ん~? そう? 肌が綺麗になったら、アベルに触ってもらえるかなって」

 

「アリアはいつも綺麗じゃないか」

 

「ありがと……。でも、ここの所あんまり触ってくれなかったから……ちょっとでも綺麗になったら触ってくれるかなって思って……」

 

 

 ――アベルにぎゅってして欲しいな……。

 

 

 アリアが ぽっと頬を染めてアベルを見つめる。

 

 

 修道院を後にしたアベル一行は移動の間は命が懸かっているため、そうイチャイチャ出来るものではない。

 

 うわさのほこらに着くまでのキャンプでは魔物に何度か襲われることもあり、やっぱりイチャイチャ出来ず。

 どこか宿屋があれば……と思った矢先に見つけた うわさのほこらでは個室もなく、昨日は昨日でアリアがダウンしていたわけで、アベルとアリアは二人きりになることが殆ど無かった。

 

 修道院では毎日アベルからスキンシップを受けていたからか、アリアは物足りなくなってしまったようだ。

 

 

「……え。な、なになに? 触って欲しかったの?」

 

 

 上目遣いで見て来るアリアにアベルの鼓動が跳ねる。

 

 

 ――え、なに、アリアみんなの前なのに僕を誘ってるの……!?

 

 

 アベルは辺りを見回す。

 さっきまで焚火の傍に居た仲魔達はキャビンの中に入ってしまったのか珍しく居なかった。

 

 二人きりだとアリアは時々大胆になってくれる。

 

 

「ぁっ、えっと……! …………ダメ?」

 

「全然ダメじゃないですよっ!」

 

 

 ――おぉっ! 遂にアリアからおねだりが来た……!

 

 

 アベルは軽く拳を握り締めグッと引いた。

 

 自分からアリアに触れに行くのが常だったが、彼女が自ら求めてくれるようになるとは……。

 これまで頑張った甲斐があったなぁ……とアベルの喜びもひとしおである。

 

 

「プッ。なに突然の敬語……!」

 

 

 泥の付いた顔のアリアが笑う。

 

 

「どうして欲しいの? 頭撫でて欲しい? それとも抱きしめる?(おっぱいを揉む? ……のは今は言わない方がいいか……)」

 

「っ……ぁ……えと。泥すぐ落としちゃうね……!」

 

 

 アベルが腕を広げ首を傾げると、アリアは ぽっと頬を紅く染めた。

 そして彼女はサササッと腕や脚に塗った乾いた泥を落としていく。

 

 

「…………アリア」

 

 

 アベルは彼女の顔の泥をそっと掻いてやった。

 乾いた泥がパラパラと零れ落ち、アベルはハンカチを取り出して綺麗に拭ってやる。

 

 

「あ、ありがとう」

 

「……綺麗になったね」

 

「向こうに湧き水があったから、私洗って来r……」

 

 

 アリアが立ち上がろうとしたタイミングでアベルは彼女の腕を引き、顎を捉えると静かに柔らかい唇を塞いだ。

 

 そっと重なった彼女の唇は窄められただけで動かなかったが、アベルが角度を変え、舌を差し入れると始めは抵抗したものの次第に受け入れ始める。

 

 

「ンン……っ」

 

 

 アリアの吐息が鼻から零れ、アベルの濡れた上唇に触れるとその吐息すら愛おしくて、アベルは噛みつく様に彼女の甘い舌を絡め取っていった。

 そうして二人はしばらく戯れたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ……、私キスするつもりじゃなかったのに……」

 

「……そりゃ、するでしょ……」

 

 

 二人戯れた後でアベルはいつの間にかアリアを自分の股の間に座らせ背後から抱きしめている。

 

 

((……気持ち良かった……))

 

 

 互いにぼーっと余韻に浸り惚けてアベルはアリアの肩に顎を乗せ、絹のような触り心地の彼女の髪に頬を摺り寄せていた。

 

 

「そうなの……? あっ、アベルごめん。泥が付いちゃったね」

 

 

 自身の身体を包むアベルの腕に乾いた泥が付いているのを見つけたアリアはそっと払う。

 

 

「いいよ、払えば落ちるし、アリアに付いてた泥なら大歓迎だ」

 

 

 ――アリアが温かい……落ち着くな……そしてムラムラが止まらない……。

 

 

 アベルはアリアを強く抱きしめ、こめかみを彼女の頭に傾けた。

 下半身が反応し始めているが、今はこのままで居たい。

 

 アリアの尻に硬い何かが触れているのだが、わざとではない。

 ……生理現象なのである。

 

 大体いつもこんな風に反応してしまうわけだが、アリアは気付いていないのか何も言わなかった。

 

 

「もぅ……アベルってば優しいんだから……」

 

 

 ――あれ? 何か当たってる……? 【ふくろ】……だよね?

 

 

 アリアは尻に何か触れているのはわかったが、特に確認しない。

 言ってしまうとそういう雰囲気(・・・・・・・)になってしまう気がして藪蛇したくなかった。

 

 綺麗なままのアベルを正規の花嫁に渡したい。

 ……呪われた自分で彼を汚したくなかった。

 

 

(でも、もう少しだけ……アベルに触れていたい。)

 

 

 ――ごめんなさいビアンカちゃん、フローラさん。

 

 

 アリアがそっと目を伏せると、その耳元でアベルが囁く。

 

 

「アリア……好きだよ」

 

「ありがとアベル……私もだいすきだよ」

 

 

 アベルに優しく囁かれ、アリアは喜びに目を細めた。

 

 

「…………僕の方こそありがとう……。ね、アリア」

 

「ん……?」

 

「…………アリアはそろそろ寝た方がいいよ? 明日また呪いが発現するかもしれないしさ」

 

 

 アベルはもう身体を休めるようにとアリアの腰を掴み、立たせようとするが、アリアは立ち上がろうとはしない。

 

 

「ぁ、ぅ、うん……。でも、あれは反動だから ああなっただけで、当分症状は出ないと思……」

 

 

 ――もう少し一緒に居たいの、せっかくピエール君達が気を遣ってくれたのに……。

 

 

 アリアが“長い間修道院に居たために呪いが発現していなかった反動で、一気に降り掛かっただけ”だと伝えようとするのだが、アベルはアリアの言葉を待たずに話し出していた。

 

 

「サラボナの教会にいる神父が高位の方らしい。その人に解呪を頼めばきっと昨日みたいなことにはならないと思うんだよ。だからそれまではアリアに無理させたくないんだ。今日は……すいぶん無理して呪文使ってたよね?」

 

「いやだってあれは……! 目玉飛び出てて身体溶けかけてるのに寄って来るんだよ……? 焼き払うしかないよね……? それに魔力使い切るのと呪いは無関係だよ……?」

 

 

 アリアが立ち上がろうとしないため、アベルは自分が立ち上がり彼女を無理に立たせながら話を続ける。

 ……と、アリアはアベルに振り返って呪いと魔力切れは別だと訴え掛けていた。

 

 

 ――もう少し一緒に居たい、今夜が一緒に居られる最後かもしれないから……。

 

 

 アリアのそんな想いなどアベルにはわからない。

 アベルは首を左右に振っていた。

 

 

「……だめ。君に無理はさせられない。……今日は君の言うことを聞いて歩いてもらったけど、明日は馬車に乗ってもらうよ?」

 

「アベル……、私も一緒に歩きたいよ……」

 

「だめ。サラボナの神父に解呪してもらうまでは心配だから そのお願いは聞けない」

 

 

 真剣な顔で告げるアベルにアリアがお願いするも、アベルは首を左右に振るだけ。

 

 

「っ…………ダメ……? これまで連続で呪いが発現したことはないから、明日はきっと大丈夫だと思うし、迷惑掛けないように頑張るからっ……!」

 

「ぅ……、ダメったら駄目っ! そんな可愛い顔しても駄目だからねっ!! ほら、キャビンに乗せてあげるから君はもう寝なさい……!」

 

 

 アリアが上目遣いにちょっぴり あざとく小首を傾げてお願いしてみたものの、アベルは一瞬眉を顰めただけでアリアの瞳から逃げるように目を逸らしていた。

 

 




アベル、アリアに弱いからなぁ……。

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!

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