ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

44 / 822
いつもありがとうございます、はすみくです。

やっとベラちゃんとの出会いです。

では、本編どうぞっ。



第四十三話 ベラちゃん

 

 ――宿屋、地下。

 地下には酒場があり、昼間も営業中である。

 

 

「アリアは……」

 

 

 アベルは一階から下りて来ると、バーカウンターにアリアの姿を見つける。

 アリアはバーカウンターの一番左端の椅子に腰掛けていた。

 

 

「っ……!?(どういうこと!?)」

 

 

 アベルは驚きに目を見開く。

 

 

 なんと!

 

 

 バーカウンターで、アリアと見知らぬ少女が楽しそうに話しをしているではないか!

 

 

「っ、アリア!」

 

「ん……? あっ、アベル! こっちこっち!」

 

 

 アベルが大きな声で名を呼ぶと、アリアは振り返りアベルを手招きする。

 

 

「っ、ちょ、ちょっと、この子誰……!?」

 

 

 アベルはアリアの傍に寄ると、こそこそと耳打ちする。

 

 

「ん? あ、ベラちゃん? 今見えない者同士、語り合っていたの」

 

「えぇ……!?」

 

 

 アリアがにっこりと微笑んで、“ベラちゃん”とやらを手の平を向け紹介する。

 紫色の髪に、尖った耳が特徴的な碧い瞳の可愛らしい女の子だった。

 見た感じアベルやアリアよりも背が高く、年齢も少し上に見える。

 

 

「まあっ! あなたには私が見えるの!? 良かった! やっと私に気が付いてくれる人を見付けたわ!」

 

 

 ベラちゃんとやらが嬉々として、前のめりでアベルに話し掛けて来る。

 

 

「でしょ! アベルって、不思議な子でねっ」

 

「っ、……君は何者……、っ。……ぁ」

 

 

 アリアがにこにことベラちゃんとやらに微笑み掛ける中、アベルは額に手を当てた。

 

 

 来た……、また(・・)だ。

 

 僕、この子知ってる……!?

 

 

 アベルは数度瞳を瞬かせた後で、ぎゅっと目蓋を閉じてから開く。

 

 

「私が何者かですって? 待って、ここじゃ落ち着かないわ。確かこの村には地下室のある家があったわね……。その家の地下室に行ってて! 私もすぐに行くから……」

 

 

 少女は「アリアも後でね!」と手を振ってアベル達を追い払った。

 

 

「あんまり飲み過ぎないようにね」

 

「大丈夫よ。これくらいじゃ酔っぱらったりしないんだから」

 

 

 アリアが一言残しアベルの手を引くと、行こうと促す。

 少女を見ると、足元に酒の入ったビンが置いてあった。

 

 

「……お酒、飲んでる……? 子供なのに……」

 

「ふふっ、ベラちゃん。あれでお酒飲んでもいい歳らしいよ?(本当かどうかは知らないけど)」

 

「……けど、行儀悪くない?(僕、さっき宿屋のおじさんに怒られたんだけどな……)」

 

「…………、…………確かに」

 

 

 ベラが座っているのはカウンターテーブルの上である。

 アベルの指摘でアリアは、カウンターテーブルに腰掛け酒をラッパ飲みをするベラを改めて見て頷いた。

 

 

「地下室って言ったら、アベルの家よね?」

 

「うん……多分」

 

 

 アベルとアリアは階段へと向かうのだが、

 

 

「おっ! 坊やは……」

 

 

 酒場に居た客に話し掛けられ、立ち止まる。

 

 

「う、ん……?」

 

「君は洞窟好きの坊やだね。私は洞窟の入口にいたおじさんだよ。近頃村に変なヤツが来て色々と嗅ぎまわっているようなのだ。たしか、教会の側に居たが坊やも気を付けないといけないよ」

 

 

 そういや、洞窟の前にそんなおじさんがいたなぁと、アベルは昼間から酒を飲む鎧を纏ったおじさんを見上げた。

 洞窟と村を行ったり来たりしたから洞窟好きと思われたんだろうか……。

 

 

『……この人も、あのお兄さんのことを悪く言うのね。あのお兄さんはそんな人じゃないと思うんだけどなぁ……。あんなに素敵な人が悪い人なわけないじゃない』

 

 

 アリアがおじさん達は見る目がないなぁと、溜息を吐く。

 

 

「あっ、うんっ! 気を付けるよっ! 怪しいもんね!!」

 

 

 アベルは慌てておじさんに同意する。

 

 

『も~、アベルまで……』

 

 

 アリアは弱り目でアベルを見るのだった。

 

 

 

 

「おや? グラスがないと思ったらこんな所にあったか。どうも最近こういうことが多いなあ……」

 

 

 カウンターテーブルの方から酒場のマスターの声が聞こえる。

 そちらに目をやると、マスターがグラスを手に首を傾げていた。

 

 どうやらいつもと違う場所にグラスが置かれていたようだ。

 

 

『……ベラちゃんの仕業……かな? ……はは……、まだ飲んでる……って、さすがに寛ぎ過ぎでしょ……』

 

 

 アリアはカウンターテーブルにうつ伏せで寝転びながら、グビグビと酒を煽るベラを見て苦笑する。

 

 

「じゃあ、僕もう行くね」

 

「ああ、気を付けてな」

 

 

 アベルはおじさんと別れ、アリアを引き連れ階段を上がって行った。

 

 

 

 

 

 

 二人はその後宿屋を後にし、アベルの自宅へと向かう。

 自宅へと向かう道すがら、

 

 

「……アリア」

 

「ん?」

 

「……あの子、アリアが見えてたね」

 

「うんっ。あの子、エルフなんだって」

 

「エルフ……?」

 

「そうそう、エルフ。こう、ファンタジーな世界にあるあるな、あのエルフだよっ!? すごいよねっ!」

 

 

 アベルの問い掛けにアリアは興奮気味で愉快そうに話をする。

 

 

「っ、う、うん……ふぁ、ファンタジーな世界……ってのはよくわからないけど……」

 

「あっ、そっか。そうだよね。……ふふっ、何だかわくわくしちゃうなぁ~!」

 

「……そっか。よくわかんないけど、アリアが楽しそうで良かったよ」

 

 

 アベルはアリアの云う事の意味が時々わからないものの、彼女が楽しそうにしていると自分まで楽しくなる気がして、柔らかな笑みをアリアに送るのだった。

 




ベラはエルフなのか妖精なのか、エルフと妖精は同じ位置付けなのか……。
よくわからない……。
どっちだ……(迷)

今回短かったので、二話更新します。

----------------------------------------------------------------------

評価いただけるとモチベ上がりますので、良かったら下さいっ。
感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。