ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

たまにはゆるっと戦闘描写もいいかな。

では、本編どぞ。



第四百五十二話 戦闘・ホースデビル(と、ばくだんいわ)

 

 “【マホカンタ】ッ!”

 

 

 

 

 その声と共に、アンディの前に光の壁が現れる。

 【ホースデビル】が放った【メラミ】が光の壁に当たると反射し、呪文を唱えた【ホースデビル】に返っていったのだ。

 

 ギャアァァと、跳ね返って来た炎の玉に【ホースデビル】がもがき苦しんでいる。

 

 

「ハァハァ……? な、何が…………ハァハァ……まさかフローラがここに……?」

 

 

 アンディは【ホースデビル】の様子に目を瞬かせ、何が起こったのか辺りを見回した。

 

 すると、魔物の群れの背後からアベル達が走って来るのが見える。

 先頭はアンディの知らない長い髪の女性だった。

 

 

(? フローラ……じゃない……?)

 

 

 【メラミ】が自分に当たることなく跳ね返った目の前の出来事に理解が追い付かないが、助けが来たのが解りアンディは安堵する。

 

 

「っ、アリア! 君は後ろへ!」

 

「はいっ!」

 

 

 アベルが【ホースデビル】の後ろから斬りかかり、先頭を走るアリアの手を引いて後ろに下がらせると、彼女がそれに従う。

 

 それを見ていたアンディは助けに来たのがアベルだということに気が付いた。

 

 

「っ、あなたは……! っ……くっ……ハァハァ……」

 

 

 ――あの人はルドマンさんの屋敷にいたライバル……、ボクは先を急がないと……。

 

 

 アベル達がアンディに代わり戦闘に入ると、魔物の群れはアベル達をターゲットにしたのかアンディを放置し、アベル達に向けて攻撃を始める。

 

 その隙を突いてアンディは大怪我を負った身体を引き摺りその場を去ろうとしたのだ、が。

 

 

「っく……! ハァハァ……(身体が思う様に動かない……!?)」

 

 

 あまりにも大きな火傷を負っていたアンディは逃げることが出来ずにその場に倒れてしまった。

 

 

「ピエール! プックル! ホースデビルを先に倒せ! ばくだんいわは最後で良い! アリアはアンディさんの回復を頼む!」

 

 

 【ホースデビル】の【メラミ】を見ていたアベルは、三匹から【メラミ】を打たれると洒落にならないので先にこちらを倒すよう指示を出す。

 初手で倒せるのは二匹が精々かもしれないが、二匹でも倒せればこちらのダメージも少なくて済む。

 

 アベルの一声で、それぞれが同意の返事をしつつ攻守に分かれ戦い始める。

 アベル、ピエール、プックルは連携を取りながら【ホースデビル】を一匹ずつ確実に倒していった。

 

 ……そんな中で、倒れたアンディの元にはアリアがやって来る。

 

 

「大丈夫ですか!? 今回復しますね! ……って、あ。マホカンタ中だから薬草薬草……」

 

 

 アリアはうつ伏せるアンディの身体を仰向けにすると、自分の鞄を探り薬草を二つ取り出しアンディに食べさせた。

 

 

「ハァハァ…………あなたは……(綺麗な人だな……、フローラと何となく似ているような気が……)」

 

 

 ――そうか、さっきの声はフローラじゃなくこの女性の……。

 

 

 薬草を食べ終えアリアに身体を起こしてもらいながらアンディは ぼーっと彼女を見上げる。

 顔は似ていないのだが、何となくフローラの雰囲気を持っている気がしてつい じっと見つめてしまった。

 

 アンディの視線にアリアがにっこりと優しく微笑む。

 

 

「マホカンタが切れたら回復呪文を掛けます。それまで我慢して下さいね」

 

「あ、はい……(か、可愛い……、この女性(ひと)フローラみたいだ……)」

 

 

 ……アンディの可愛い基準はフローラであるが、不覚にもアリアの微笑みに ぽっと頬を紅く染めてしまった。

 

 

 すると、

 

 

『っ、アリアっ! プックルが負傷した! アンディさんの回復が終わったらこっちに来て!』

 

 

 戦闘中のアベルから声が掛かる。

 

 

「はいっ、今行くねっ! すみません、アンディさん。アベル達に加勢して来ます。すぐ戻るので待ってて下さいねっ!」

 

「……あっ、はいっ!」

 

 

 アリアが明るい笑顔で告げて走り出すと、アンディは逃げられるのにも関わらずその場に留まっていた……。

 

 

 

 

◇

 

 

 

 

 しばらくの後(のち)……。

 戦闘は見事勝利に終わり、アベル達はそれぞれ武器を収める。

 

 

「ふぅ」

 

 

 アベルは背中に【パパスのつるぎ】を仕舞うと、一息吐いた。

 そのすぐ傍でアリアも胸に手を当て深呼吸。

 

 

「はぁ……、終わったぁ……(神さま、今回も生き延びることができました、感謝します……)」

 

 

 ――ゲーム内の神さまに祈るのもなんだけど……って、神さまって今不在だったっけ……?

 

 

 とりあえずなんでもいいから祈っとこ。

 

 

 私はいったい誰に祈っているのだろうと思いつつも、今回も無事生き延びられたことを祈らずにはいられない。

 毎回人知れず生き延びたことに感謝しているアリアだった。

 

 これは修道院生活で祈ってばかりだったせいもあるかもしれない。

 ……独りではこうはいかないだろう。

 

 

(私、独りで戦ったことないもんね、アベルにも感謝だわ……………………って、あれ? そうだったっけ……??)

 

 

 幼い頃の古代の遺跡の記憶をアリアは未だ思い出せていないが、ふと違和感を覚え首を傾げた。

 違和感というか、先程アンディに掛けた【マホカンタ】に強い既視感があったのだ。

 

 

「アリア? 大丈夫かい? どこか怪我でもした……?」

 

「……あっ、アベルお疲れさまっ。やっぱりアベルは強いね~! すごいなぁ~」

 

 

 アベルに声を掛けられ、アリアは何だったか思い出せずじまいで瞳をパチパチさせてからにっこり。

 

 

「ははっ、それ程でも…………」

 

 

 アリアの微笑みに頭の後ろを掻きつつ、アベルは彼女を上から下まで凝視し、怪我が無いか確認していく。

 

 

「っ……怪我してないよ……?」

 

「……………………、……………………うん、大丈夫みたいで良かった」

 

 

 凝視する視線に耐えられなくなったアリアが頬を紅く染めながら上目遣いで告げるも、アベルは構わずアリアの背後に回ってまで確認し正面に戻って来た。

 

 

「アベルの方が怪我してるじゃない……! ホイミ!」

 

 

 自分の周りを回るアベルの首横に薄っすらと切り傷を見つけたアリアはその部位に触れ、回復呪文を唱える。

 

 傷はすぐに消え、そういえば少々不快だった痛みも取れたアベルは嬉しそうに微笑んでいた。

 

 

「…………ありがとうアリア」

 

「どういたしましてっ。あっ、そうだアンディさん……!」

 

 

 アベルに礼を言われたアリアは、アンディに掛けた【マホカンタ】がそろそろ切れた頃かと、離れた場所でこちらを見ているアンディの元へと走り出す。

 

 

「ああ。ピエール、プックル。ゴールドを拾っておいてもらえるかい?」

 

 

 アベルはピエールとプックルにゴールド拾いを任せ、アリアについて行った。

 




戦闘シーンは久しぶりな気がします。
イチャコラ書く方が好きなのでつい、忘れがちになってしまうのですよ……。

中ボス戦は外せないけど、通常戦闘もたまには良いかな。

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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