ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

炎のリング、ゲットだぜ!

では、本編どぞっ。



第四百六十一話 炎のリング

 

「あ゛あ゛ーーーー! お゛肉゛ぅ゛~~~~!」

 

「あ……、ごめ」

 

 

 即座にアリアから嘆きの声が聞こえ、アベルは慌てて落ちた肉を拾う。

 

 

「砂が付いちゃった……、どうしよう……」

 

「……だ、大丈夫。3秒経ってないよ……! 3秒まではセーフっ!!」

 

 

 洗って焼けば問題なしとばかりに、アベルは砂の付いた肉に落胆するアリアの頭を慰めるように撫でた。

 

 

「なんであなたが3秒ルールを知ってるのよぅ……」

 

 

 ゲーム内にも3秒ルールがあるのかと疑問に思ったアリアは口を尖らせる。

 

 

「ははは……落ちた肉は洗ってから焼けばいいよ。僕が食べるからアリアは落ちてないのを食べな?」

 

「…………あ、そっか。洗えばいいのか。ん、わかった。洗って焼いておくねっ」

 

 

 ――落ちて汚れたのを食べるつもり……? アベルって本当優しいんだから……。

 

 

 そう思いながらもアリアはまだ味付け前の肉は洗えば問題ないことに気付き、アベルの言い分に同意していた。

 

 

「落としちゃってごめんね。じゃあ今度こそ行って来るよ」

 

「うん、いってらっしゃい。…………あっ、アベル」

 

 

 踵を返すアベルをアリアは肉トレーを地面に置いて引き留める。

 

 

「んーー?」

 

 

 アベルはにこやかにアリアを振り返った。

 すると、アリアが顎を突き出し、眉を寄せ難しい顔をしている。

 

 

「んーー……………………むぅぅーー……ん」

 

「…………? なに? アリアどうし」

 

「…………アベルちょっとしゃがんでくれないかな……? 届かないから……」

 

「え? あ、うん?」

 

 

 アリアに云われてアベルが膝を屈めると、彼女は彼の首元、マントを引っ張り背伸びした……と思ったら。

 

 

 ちぅ。

 

 

 アベルの唇にアリアは軽く自分の唇を重ねていた。

 

 

「っ……アリア……」

 

「…………無事で戻って来てね……? ご飯、食べるのちゃんと待ってるからね?」

 

「あ…………、うん…………スグモドリマス」

 

 

 ――ああ、アリアからキス……! 久しぶりじゃないかな……!?

 

 

 アリアが上目遣いで告げて来るので アベルは言われるままに首を縦に何度も下ろすが、すぐに彼女に反転させられ背中を押される。

 

 

(さっさと【炎のリング】を手に入れて戻って来よう……! そして今夜こそ……!!)

 

 

 アベルはアリアの触れた唇を指先で感触を確かめながら階段を上っていった。

 階段で待ちぼうけだったピエール達から少々冷やかされた(サイモンは泣いてた)がアベルのメンタルは強い。気にも留めずに【炎のリング】の元へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……あれからアリア達(アリア、スラりん、ロッキー、ジュエル)を回復の泉フロアに残し、アベル達は再び熱い熱い床の上を抜け、まだ踏み入れたことの無い道を進んでいた。

 

 

「主殿、このまま炎のリングを取りに行くおつもりで?」

 

「うん、ピエールよくわかったね」

 

 

 アベル達はマグマの床上を行き、火傷したため 皆それぞれに【やくそう】を使いながら歩く。

 

 

「……主殿ならそうするのではないかと、先程大量の薬草を渡され気が付きました……」

 

 

 さすがは別世界からの盟友。アベルのしたいことはお見通しらしい。

 ピエールの発言にアベルは額の汗を拭いながら告げた。

 

 

「……この先、強敵がいる。このメンバーで行くとちょっと大変かもしれないけど、あまり時間も掛けたくない。よろしく頼むよ」

 

「お任せ下さい」

 

「がうがう」

 

 

 アベルが仲魔達にお願いすると、ピエールとプックルは快諾。

 残るサイモンは……。

 

 

「……アベル様とアリア様のため……というのは少々気になるところだが、致し方ない。俺のアリア様が待っていることだし、とっとと済ませて一服するとしよう。戦いの前の緊張感はたまらんね……!」

 

「サイモン……君、ホントブレないね……」

 

 

 ――()のって、アリアが僕のだってわかってる癖にめげないんだなぁ……。

 

 

 サイモンはアベルとアリアがイチャイチャしていても気にならないらしい。

 アリアが独りでいる時を見計らって何度でも絡みに行くめげない男である。

 

 サイモン的には八ヶ月かけてアリアは“推し”という存在になったらしく、推し活が楽しいようだ。

 それもこれも、修道院生活中アリアに“推し”という言葉を教えてもらってからである。

 

 

「さあ行こう、アベル様!」

 

 

 サイモンの言葉でアベル達は死の火山、最奥への階段を下りて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「熱っ……。うっ、すごい熱気だ……。確かこのフロアの先に……はぁ、はぁ……」

 

 

 階段から下りて来たアベル達の前にはマグマの海が広がり、火柱がところどころで上がっている。熱気を受けるだけで体力が削られそうだ。

 

 気を抜くと踏み外してマグマに落ちてしまいそうな、頼りない細い一本道の先を歩いて行くと、奥に大きな岩が見えてくる。

 

 その岩の中程に赤く光るなにか(・・・)がキラリ……。

 赤い光がアベルを誘うようにキラキラと光り続けていた。

 

 

「……はぁ……あれか……炎のリング……、見つけた……!」

 

 

 岩に近付くにつれ、赤く光るなにか(・・・)の全貌が判ってくる。

 それはアベルの求めていた【炎のリング】だった。

 

 

「……主殿、心の準備は宜しいですか?」

 

「……はぁ……、ああ。そうだね」

 

 

 ピエールが訊ねるとアベルは【炎のリング】に近付く前に背から【パパスの剣】を引き抜き、ピエール、プックル、サイモンに大きな声で喋るのは息苦しいため、ハンドサインで“そこで待て”と指示を出す。

 

 

「……主殿、私の準備は整っております。いつでもどうぞ」

 

「ああ、わかった……はぁ、はぁ……」

 

 

 アベルのすぐ後ろにいたピエールに促され、アベルは岩に埋め込まれた【炎のリング】に近付いた。

 

 やにわに、マグマがボコボコと煮え滾る音が聞こえ そちらに目をやれば、マグマの中からこんにちは……。

 

 【ドロヌーバ】やこの洞窟で遭遇した【ドロヌーバ】の上位種【マドルーパー】に形だけはよく似たマグマの魔物【ようがんげんじん】がアベル達を挟む様に左右から迫って来るではないか。

 

 

「はぁっ、来るぞっ!!」

 

 

 アベルの声に、ピエール、プックル、サイモンはすぐさま戦闘態勢に入り、戦いに身を投じて行った。

 

 

 

 

 ……【ようがんげんじん】との戦いは熾烈を極める。

 

 アベル達はこの洞窟の魔物に対して多少強くあったはずなのだが、【ようがんげんじん】によるブレス攻撃……【ひのいき】の上位である【かえんのいき】を何度も受け、それがかなりの痛手で回復役のアリアが居ないため、アベルが回復に回ることにし、ピエールとともに交互で回復と攻撃を繰り返していた。

 

 【ようがんげんじん】による通常の攻撃も熱と共に受けるため、これもまた痛かった。

 

 こんな時、修道院滞在中にホイミンをモンスターじいさんに預けたことが悔やまれる(ホイミンは諸事情によりモンスターじいさん送りとなっている)。

 

 プックルとサイモンには攻撃に集中してもらい、しばらく戦いは続き激しい戦いではあったが、思っていたよりも痛手を負うことなく、なんとか勝利。

 

 【ようがんげんじん】は形を保っていられなくなり、マグマの中へと消えていった。

 

 

 

 

「主殿、お見事です……!!」

 

「はぁ、はぁ……、終わった……はぁ……」

 

 

 ゼェゼェ……。

 

 

 ピエールの明るい声にアベルは口の端をなんとか上げる。

 戦いに勝利したアベルは汗だくでボロボロの身体をなんとか奮い立たせ、再び【炎のリング】に近付いた。

 

 

 岩に埋め込まれた リングが

 燃え盛る 炎の如く 輝いている!

 

 アベルは 炎のリングを見つけた!

 

 アベルは 炎のリングを

 手に入れた!

 

 

 

「はぁはぁ……。早くアリアの元に戻ろう……」

 

 

 ――アリア、待っててね……。

 

 

 アベルは手の中のリングを握り締め、来た道を戻り始める。

 このフロアはとにかく熱い。熱過ぎる。

 

 こんな熱い中で激しく動いたせいか、アベルの頭もさすがに ぼーっとしてきていた。

 通路は一本道だというのに、二、三本に見えた気がするから不思議だ。

 さっさと戻るが吉。

 

 アンディがフラフラしていた意味が漸く理解出来たアベルは彷徨わないよう、階段を目指す。

 

 このまま【リレミト】を使った方が地上に一気に出られるが、アリアを置いてはいけない。

 

 ピエール達も黙ってアベルの後を追って行った。

 




マグマの中からこんにちは。
チャオ! ようがんげんじんだよー♡ ……っと。

最近コメディ感が無いので、……ゆるゆるな文章もいいかなと思って……。
基本緩めで書いているんですよ……。

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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