ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

誤魔化しはききません……。

では、本編どぞー。



第四百七十三話 誤魔化せませんでした

 

 

 

 

 アベルがピエール達の元に着くと、アリアは既にピエールからスープを受け取り焚き火の前に座っている。

 

 アリアも遅れて来たからか、彼女の隣が空いているのでアベルはそこに腰掛けた。

 

 

「主殿もどうぞ」

 

「ああ、ありがとう」

 

 

 ……アベルもピエールからスープを受け取り、食事をすることにした。

 

 キャンプ中は焚き火の周りに皆が集まり、こうして食事を摂ることが多いのだが、その際ピエールとサイモンの食事風景が面白い。

 

 二人は器用に兜の隙間からスプーンを差し込み食事を摂っているのだ。

 肉でもパンでも同様に。……決して兜を脱ごうとはしない。

 

 前に一度、熱いスープに驚き兜が取れかかったことがあるのだが、やっぱり中は見えずじまいで、二人の素顔をアベルは見たことが無い。

 

 ピエールはアリアになら素顔を見せてもいいと言っていたが、未だ見せていないようだ。

 

 サイモンはどうなのか訊いてはみたが、「アリア様は知っている」ということだった。既に素顔を見せたということなのか……。

 

 ……他の仲魔の様子はといえば。

 

 プックルは猫舌のため、スープが冷めるまで寝て待つらしく、毛繕い中。

 

 スラりんは何でも食べるが、今朝は要らないとのことで「ボク、身体を鍛えるね!」と清水の中を泳いでいる。

 

 ロッキーとジュエルはそもそも食べないため馬車の周りで追い掛けっこ中だ。

 パトリシアが優しい瞳で二匹を見守っていた。

 

 仲魔の種類によって食費が多少前後するが、肉や魚は魔物を狩ったり釣りをするため大したことはない。

 

 いつも賑やかで楽しい時間である。

 

 

「アリア嬢……、おいしくありませんでしたか……?」

 

「え? あ、ううん、おいしいよ?」

 

「では、食欲がございませんか……?」

 

 

 アリアのスープ皿にはスープは飲み干され、具だけが残されていた。

 ピエールが気遣うように告げると、彼女は優し気な瞳で首を左右に振る。

 

 

「んと……、食欲がないわけじゃないの……」

 

「……ではいったい……?」

 

「えと……………………ちょっと(あご)が痛くて……口を開けるのが辛いの」

 

 

 アリアはチラッとアベルを探るように窺う。その頬は恥ずかしそうに紅く染まっていた。

 

 

「っ!?」

 

 

 彼女の一言にアベルの心臓が、“ドッキーーンッ!”

 瞬時に昨夜を思い出し、アリアに釣られるように自らの頬を紅くする。

 

 その様子にアリアも気付いたのか パッとアベルから目を逸らしていた。

 

 

「アゴですか……? 寝ている間にアゴが外れたんでしょうか……」

 

「あはは……、口を開けたまま寝てたのかも……。いびき……うるさくなかったかな?」

 

 

 ピエールとアリアの会話が続くが、アベルは二人の会話に入ることなく頬を染めたまま黙って食事を続ける。

 

 

「っ…………っっ…………(そりゃ あれだけずっと口開けてたら顎も疲れるよね……!)」

 

 

 ――やっぱり夢なんかじゃなかった……!!

 

 

 昨夜アリアには気持ちの良いマッサージをしてもらった。

 そう、天にも昇るような……いや、昇って帰って来て今がある。

 

 

 “ごめんねアベル”

 

 

 アリアは謝りながらアベルに触れ、アベルは興奮し過ぎて我を忘れてアリアの髪を撫で……、そして果てたのだ。

 一度ならず、二度ならず……………………――。

 

 終わった後は心地好い身体のだるさに何も出来ず、知らぬ間に眠っていた。

 幸福感に満たされ起きたら、夢かと思っていたことは現実で……。

 

 

「…………? 主殿? お顔が赤いですが……?」

 

「っ、そ、そうかい?」

 

 

 ピエールが、いつもなら会話に入って来るのに入って来ないアベルを不審に思い首を傾げる。

 

 アベルは昨夜を思い出すだけで下半身が反応してしまったのか、隣の彼女に悟られないよう、スープ皿でそれとなく隠した。

 

 

「…………っ、えっと……」

 

 

 ピエールはアベルに問い掛けたのだが、なぜかアリアもしどろもどろで何か言いたげである。

 

 

「アリア嬢、肩は痛くありませんか?」

 

「ん? 肩?」

 

「ええ、口を開けた際に肩が痛いということがあるそうです。アリア嬢は八年も眠っておられましたから、血流が悪いのかもしれません。主殿、マッサージをして差し上げては?」

 

 

 口と肩に関連があるの……? とアリアが目をぱちくり。

 ピエールは自分がやるより、アベルの方が良いだろうとマッサージを彼に勧める。

 

 

「えっ、あっ、わかっ」

 

 

 ――マッサージ!? アリアに触れるならしたい……!

 

 

 アベルが了承しようと口を開くが、アリアも同時に話し出していた。

 

 

「肩は今痛くないから大丈夫。むしろアベルの方がパパスさんの剣背負ってて凝ってるんじゃないかな……?」

 

「いや、僕も別に肩は凝ってないけど……でもアリアがマッサージしてくれるならうれしいかも……」

 

 

 チラッと互いに赤い顔で目を合わせる。

 恥ずかしいのかアリアはすぐに目を逸らしてしまった。

 

 アベルが“アリアも気まずいのかな……”と彼女を横目にスープを口に運ぶ。

 

 

 ……すると、彼女がとんでもないことを言い出した。

 

 

 

 

「…………アベル大きい(・・・)から……、私上手じゃないし……」

 

 

 

 

 ――アベルの筋肉硬くて、凝りを解してあげられなさそう……。

 

 

 アリアは自らの手を見下ろし“手も小さいし、力も弱いからアベルは気持ち良くないよね……”と残念そうに俯いていた。

 

 

 ……瞬刻。

 

 

 “ブフーーッ!!”

 

 

 アベルはスープを吹き出してしまった。

 

 目の前の焚き火の炎が一瞬乱れて萎み、再び燃え盛る。

 炎の揺らめきは、昨夜のアベルの燃え尽き燻ったはずの炎が勢いを取り戻したかのようだ……。

 

 

「っっ!?!? アリアッ!? みんなの前でなんてことを言うんだ!?」

 

 

 昨夜のことで頭がいっぱいのアベルが、突然真っ赤な顔で大きな声を上げていた。

 

 

「へ……? …………っあ! ち、違っ、そ、そっちのことじゃ……!!(そっちもそうだけど、今は肩のことだよ~っ!)」

 

 

 ――やだっ、アベル勘違いしてる……っ!

 

 

 アベルの大声にアリアは ハッと隣に首を向け、頬だけでなく耳や首までも真っ赤に染め上げていく。

 

 “夢オチ”と誤魔化したはずなのに、アベルは夢ではないと気付いている。

 誤魔化せていないのは明白だが、白を切るなら徹底的にしなければ。

 

 ……そう取り繕おうと思った、が。

 

 

「そっち……ですか……??」

 

「がうぅ?」

 

 

 ピエールとプックルが二人の様子に何のことかと首を傾げていた……、ので。

 

 

「「っ…………」」

 

 

 アベルとアリアの二人は互いに茹った顔で黙り込んでしまったのだった。

 

 




ちょいエロなのか、えちえちなのか……。
一回じゃ足らないアベルは絶倫なんじゃないかと思いますw

恋愛小説(行為有り)に出て来る男性キャラは絶倫が多い気がするのは私だけでしょうか……。
男性キャラは大変やね……。

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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