ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

女の子って○○○だ。

では、本編どぞ。



第四百七十四話 たじたじアベル

 

◇

 

 

 

 

 さて、食事を済ませ、アベル達は再出発する。

 今日は洞窟を出たら【ルーラ】でサラボナに戻る予定…………

 

 

 ……だ?

 

 

「……………………アベル、あの……ルーラしない……の?」

 

「…………うん」

 

「どして……」

 

 

 アリアはアベルに訊ねていた。

 

 ……現在アベル達は死の火山の洞窟を【リレミト】で脱出。

 そのまま【ルーラ】でサラボナに戻るのかと思われたが、なんと。

 

 アベルは徒歩で戻ると言う。

 

 今後を考え、レベル上げをしながら帰ろうとのことだった。

 

 そんなわけで、死の火山を後にしサラボナに向けて幾重にも連なる山々を歩いている。

 

 

「……そっか……。結構時間掛かっちゃうけど……平気なの? フローラさんが待ってるんじゃ……」

 

「……問題ないよ」

 

 

 アベルと並んで歩くアリアが首を傾げながら訊ねると、アベルは彼女に目を向け静かに答えていた。

 

 彼女はアベルと目が合うと気まずそうに目を逸らしてしまう。

 

 

 ――アリアやっぱり勘違いしたままだなぁ……なぜだ?

 

 

 やはりアリアはフローラとの結婚のために指輪を取りに行っていると思っているようだ。

 きちんと説明したはずなのになぜ彼女は理解してくれないのだろうか。

 

 

 ……もう未来は変わっているというのに。

 

 

 アベルは参ったなと頭の後ろを掻いていた。

 

 

「そうなの……?」

 

「アリア」

 

「う、ん?」

 

 

 アベルが名前を呼んでもアリアは振り向いてはくれない。

 

 だが、返事に首を傾げ赤く染まった耳が髪の毛の間から見えるので恥ずかしがっているだけの様子。

 

 

「前にも言ったけど、指輪はアリアのために取りに行ってる」

 

 

 ――こうなったら何度でも伝えるしかない。

 

 

 アベルはアリアの手を取り指を絡ませる。

 白く小さい滑々の手の甲を撫でながらアベルは愛しい彼女に語り掛けていた。

 

 

「っ……そうなんだ……」

 

「なに? 僕が信じられない?」

 

「っ、あ、いや……そうじゃないけど……。…………ありがと、アベル……」

 

 

 アベルの追及にアリアは恐縮したように俯いてしまう。

 

 今日はさっきからこの調子だ。

 

 アリアは羞恥にアベルとまともに顔を合せることが出来ないのだ。

 

 いつも元気な笑顔のアリアが今日は俯きがちで、そして。

 ちょっぴり泣きそうな顔をしていた。

 

 ……昨夜はずいぶんと大胆なことをしたものである。

 

 

「…………あんなことされて、僕が他の女性にいくと思う?」

 

 

 アベルは繋いだ手に少し力を込めて握る。

 

 

「っっ……! そ、それは……」

 

「なんで無抵抗で受け入れたか わかってる? 嫌だったらされるがままになってないよ?」

 

 

 アリアがアベルの顔をまともに見られず足元を見ながら小さく零すが、アベルは矢継ぎ早に問い、彼女の顔を覗き込んでいた。

 

 

 ――アリアがなんであんなことしたのか……訊いてみないと……!

 

 

 やられっぱなしでいるわけにはいかない。

 二人の関係をもっと進展させるために、彼女の気持ちを知りたい。

 

 

 ……アベルは真っ赤な顔で俯いているアリアを見ながら歩みを進めていた。

 

 それからしばらく経っても彼女は黙ったままで、当たり前だが、魔物と遭遇してしまう。

 

 アリアからの返答待ちは一時中断、アベル達は魔物の群れと戦うことにした。

 

 

 

 

◇

 

 

 

 

 ……あれから。

 

 アベル達は幾度もの戦闘を潜り抜け、山歩きに疲れが出たため休憩を取ることにし小休止していた。

 

 少し休んだら再出発の予定だ。

 

 

 ……ここまでアリアの答えは訊けていない。

 

 

 

 

 アベルはピエールに「近くに水場を見つけたから行って来る」とアリアを連れ出していた。

 

 山の岩の割れ目から清らかな水がチョロチョロと流れ出している。

 

 

「わぁ、綺麗なお水。水筒に入れて行こ~」

 

 

 度重なった戦闘により、アリアはいつの間にかいつも通りの無邪気な笑顔で水筒に清水を注いでいた。

 

 

「………………」

 

 

 彼女のそんな態度が不思議でしょうがないアベルは黙ってそれを見守る。

 

 

「アベルの水筒には入れないの? このお水冷たくておいしいよ♡」

 

 

 注いで満水になった水筒を傾け、アリアはゴクゴク。

 喉が渇いていたらしい。口の端から水を零しながら豪快に喉に流し込んでいた。

 

 彼女の唇の端から零れ落ちる透明な雫にアベルは“零れた雫を舐め取ってやりたい……”と、ゴクリ。

 昨夜の再現をしようかと喉を鳴らす。

 

 

「……ねえ、アリア。まださっきの質問に答えてないんだけど?」

 

「ん~? 質問? なんだっけ……?(もうちょっと飲んどこ……)」

 

 

 ゴクゴクゴク。

 アベルに問われてもアリアはまだ水筒を傾けていた。

 

 そんないつも通りのマイペースな彼女にアベルの眉が寄せられる。

 

 

「…………それ、本気で言ってる? 僕を好き勝手に蹂躙(じゅうりん)しておいて……ヒドイ人……♡」

 

 

 “ぶはっ!”

 

 

 アベルの言葉にアリアは飲んでいた水を盛大に吹き出してしまった。

 アベルは彼女の目の前に居たため思い切り水を被ってしまう。

 

 

「っっ……じゅ、じゅうりんって……、やだ、ヒワイ! 私そんなことしてない……! 無理やりになんて……(だってアベル抵抗してなかったよね……!?)」

 

「………………」

 

 

 アリアの顔が瞬時に茹る。

 アベルは顔にぶっ掛けられた水を無言で拭ってから弱り目でアリアを見下ろした。

 

 

「ぁ……………………、ごめんなさい……、イヤ……だったのね……」

 

 

 アベルの表情にアリアは“本当はアベル 嫌だったのかもしれない……”と察して青褪める。

 

 ……だがアリアの記憶では違った気がするのだ、が?

 

 

 ――あんなに気持ち良さそうだったのに、本当はイヤだったの……?

 

 

『アリアもっと……、もっとして……』

 

 

 アベルに懇願された気がするのだが、アリアも興奮し過ぎており無我夢中だったため最中の細かなことまでよく覚えていない。

 

 

「……あ、嫌じゃなかったよ」

 

「ほらっ! イヤじゃなかったでしょう!? …………って、ええっっ!?!? ……………………ぁぁっ……!!(恥ずかしいっ!!)」

 

 

 サラッと訂正したアベルにアリアは破顔する。そして再び顔を真っ赤に染め今度は顔を両手で覆って俯いてしまった。

 

 

「…………アリア、君、そんなに恥ずかしいなら なんであんなことしたの?」

 

「なんでって…………そんなこと言えないよ…………」

 

 

 ――だって、最後まで出来ないから! 好きだからしちゃっただけなんだもん!

 

 

 アベルから訊ねられると今更にアリアは、自分はとんでもないことをしたのではないかと頭を抱えるように耳を塞ぐ。

 

 あの行動は衝動的で、アベルを慰めたい一心だったはずだが、果たして本当にそれだけだったのだろうか……。

 

 

「……ここには僕しかいないから教えて? 怒らないから」

 

「ぅ…………、アベルに我慢させてばかりだったから……、最後まで出来ないけどせめて気持ち良くなってくれればと思って……ですね……」

 

 

 ここは周囲を岩に囲まれ奥まった場所。辺りに魔物の気配はない。

 

 アリアはアベルに訊かれるまま、答えるしかなかった。

 彼女は顔を上げないまま小さく縮こまっている。

 

 

「…………フゥン? じゃあ、なんで僕は無抵抗だったんだろうね?」

 

「っ……気持ち良かったから……?」

 

 

 ――アベルすっごい色っぽい顔してたよ……! もう、堪らなかった……!

 

 

 俯くアリアにアベルの影が掛かると、アリアは顔を上げて気まずそうに微笑んだ。

 

 はっきりとしたアリアの物言いにアベルの頬が ポッと赤らむ。

 

 

「う……。そ、それはそうなんだけど…………君って……結構はっきり言うね……。恥ずかしくないのかい……?」

 

 

 ――そんなはっきり言われたら こっちの方が恥ずかしくなるじゃないか……! 女の子ってエッチだ……!

 

 

 アベルは たじたじで、顔を手の甲で隠すようにしてアリアから目を逸らしていた。

 

 

「なっっ!? 訊いたのはアベルでしょ……。は、恥ずかしいけど……、男の人ってああいうの好きなんじゃ……? アベルが喜んでくれるならって……私……」

 

「え? なっ……それ、どういうこと!? アリアまさかカジノに勤めてるとき……」

 

 

 アリアが理由を話した途端、アベルは目を見開く。

 

 彼女はカジノに勤めている時、多くの男性客から声を掛けられていた。

 

 違うと信じてはいるが、もしアリアがああいう(・・・・)行為を他の誰かにもしていたらと思うとショックが大き過ぎる。

 

 

 ――アリア頼む、否定してくれ……!

 

 

 アベルは今にも死にそうな鬱顔でアリアの肩を掴んでいた。

 

 




アリアは一生懸命頑張りました!(何を)

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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